159 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:07:18.81 ID:7xky4kRZ0
キキィィィィーーー
プシュー

駅のホームに電車が止まり、扉が開く。
そこから一組の男女が降りる。

( ^ω^)「やっとついたお」

ブーンがぽそりと呟き、ホームを歩く。
その後ろを無言でクーがついていく。
二人の手にはあのブレスレットがキラリと輝く

ブーンの故郷で『悪鬼』を倒した後、夢の中でブレスレットを与えてくれた「あの男」が再び夢に現れた。
そして「あの男」はこう言った――――

(OwO)「新たな闇が生まれる・・・ずっと強力な闇」

(OwO)「お前たちだけでは勝てない、3人で力を合わせるのだ―――」

3人、夢の中では確かにそう言った。つまり新たな「仲間」がいる。

( ^ω^)「とりあえず人の多い都市にくれば、仲間の情報も手にいれられるお」

こうして故郷から遠く離れた大都市へとやってきた。

160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:08:00.11 ID:7xky4kRZ0

( ^ω^)「ふぅー・・・それにしてもあっついお、ちょっと休むお」

川 ゚ -゚)「そうね、そこに喫茶店がある」

ギラギラと照りつける太陽。雲ひとつ無いこの天気で駅を降りたとたんに汗を流す二人。
クーが指差した所に一軒の喫茶店がある「珈琲バーボンハウス」
喫茶店なのにバーのような名前である。

カランカラン・・・

小気味いいドアベルが鳴り、ブーンとクーが店へと入る事を知らせる。
するとカウンターに立つ男が入り口を向き来客を歓迎する。

(´・ω・`)「やあいらっしゃい、この水はサービスだから落ち着いて飲んで欲しい」

( ^ω^)「お邪魔するお、ちょっと涼みにきたお」

(´・ω・`)「どこでも空いてる席にどうぞ、何にするかな?」

161 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:08:16.92 ID:7xky4kRZ0
( ^ω^)「ポーションで」

(´・ω・`)「それはないね」

( ^ω^)「じゃあMAXコーヒー」

(´・ω・`)「それも無い」

( ^ω^)「復刻堂メロンソーd」

(´・ω・`)「ぶちころすぞ」

(;^ω^)「アイスティーお願いだお」

(´・ω・`)「はいよ、そっちのお嬢さんは?」

川 ゚ -゚)「アメリカン、ブラックで」

そうして注文が出されそれぞれの飲み物に手をつける。そこでブーンが店主らしき男に問いかける

( ^ω^)「ちょっといいかお?僕がつけてるブレスレットと同じのをつけた人を見た事あるかお?」

この街へ来た本来の目的へと移り、仲間なら同じブレスレットをしてるに違いないと思い
とりあえず聞いてみることにした。

162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:08:35.44 ID:7xky4kRZ0
(´・ω・`)「え、居るじゃんそこに」

Σ(;^ω^)「え、どこにだおっ?」

男の何気ない一言に驚き辺りを見回す・・・が客は他には居ない。

( ^ω^)「って・・・他にお客さんいないお?」

(´・ω・`)「何いってるんだい、キミの隣でブレスレットつけてる『彼女』が居るじゃないか。そんなに彼女を自慢したいのかい?」

(;^ω^)「えっ、いやその・・」

確かにブーンとクーは同じブレスレットをつけている。傍目から見ればペアリング。
思いもよらぬ答えにブーンは慌ててしどろもどろになる。

川*゚ -゚)「・・・・・・」

クーは無言で俯きほんのり顔が赤くなっている。

(´・ω・`)「若いっていいね、お似合いだよ」

川*゚ -゚)「・・・・・ばか」

言葉とは裏腹にちょっぴり喜んでいる様子。

(;^ω^)「ちょ・・・何て言えばいいんだお」

クーは幼馴染で彼女とはちょっと違う、だがそれを否定するとクーは機嫌を損ねてしまいそうだ。
クーが一度へそを曲げると中々元に戻らない。昔喧嘩をしたときは一ヶ月間口を聞いてくれなかった程だ。

163 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:09:12.96 ID:7xky4kRZ0
結局その喫茶店では有力な情報は得られず、店をあとにする二人。
どうしたものか・・・
夢の記憶を辿り仲間に関する情報を探る。しかし夢では仲間の容姿や名前など一切聞くことはできなかった為手がかりはない。
代わりに夢の中で「新たな力」を授けられたブーン。そこでそれを使ってみることにした

( ^ω^)「来いっ!ライドモービル!!」

・・・・・
ブロォォォン!ブォォォ・・・

遠くからエンジンの唸り声が聞こえた、それはだんだんと近づいてくる。
ブーンの視界へと入ってきてそれがバイクである事が分かる。

しかし、そのバイクは「人」が乗っていない、無人である。
ついにはブーンの前に止まり、スタンドを立てアイドリングしたまま「乗れ」といわんばかりにエンジンが軽く唸る。

( ^ω^)「すっげえお・・・勝手に走るバイクだお!」

そのバイクに見入り、あちこちを手で触れてみる。が

( ^ω^)「・・・・・僕免許持ってないけどね」

「・・・・・・・・・・・」

プシューン・・・
その場が一瞬止まる。バイクのエンジンも止まる。

165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:09:30.31 ID:7xky4kRZ0
ブォン!ブォォ・・・

再びエンジンが唸りだしたかと思うと再び無人で走り出しどこかへいってしまった。

( ^ω^)「ぁ・・・いっちゃったお」

川 ゚ -゚)「免許、取ろうね」

( ;ω;)「うん・・・」

再び二人は歩きだし、再度「人探し」へと戻る。
テクテクと歩く二人が暫くした後

( ^ω^)「・・・・・」チラリ
川 ゚ -゚)「・・・・・」コクリ

ブーンが目配せをし、クーが頷く。
どうやら二人の後をつけている何者かが居る。それに気づいた二人は振り返らず、そのまま歩き続ける

スタスタ・・・・
スタスタ・・・・

ピタッ
ピタッ

同じペースで歩き、同じタイミングで止まる。明らかに怪しい。
再び二人が目配せと頷きをし、今度は視界に入った廃墟ビルへと入っていく。
後を着けていた人物もそれから少し離れたところでビルへと消えていく。

166 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:10:06.21 ID:7xky4kRZ0
二人が廃墟ビルの大きな部屋に入って中央で止まった所で振り返る。
後をつけていた人物の影は見当たらない。

( ^ω^)「後をつけているのは分かってるお、姿を現すお」
川 ゚ -゚)「隠れても無駄」

(   )「フッ・・・バレてたか」

どこからともかく声が響き、急にブーン達の前へと「影」が降り立つ。手にブレスレットを輝かせて。

( ゚∀゚)「いつからバレたんだ?スネークもびっくりの尾行してたんだがなあ」

( ^ω^)「キミが・・・・『仲間』・・かお?」

川 ゚ -゚)「同じ・・・ブレスレット」

二人が男の腕に目をやると、そこには見間違えようのないブレスレットがはめられていた。

( ゚∀゚)「まあ同じ夢を見たクチ、って訳なんだが・・・・もうすぐ迎えがくるってね」

( ^ω^)「じゃあ僕たちと一緒に戦ってくれるんだおね!?一緒に闇を打ち砕くお!」

167 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:10:26.94 ID:7xky4kRZ0
( ゚∀゚)「 ニア そう かんけいないね
         ころしてでもうばいとる
         たのむ!ゆずってくれ! 」

(;^ω^)「エーッ!」

ザッ!!

突如として男が詰め寄りブーンと目と鼻の先に現れる。

( ゚∀゚)「俺の名はジョルジュ、お前は?」

(;^ω^)「ぶ、ブーンだお」

川 ゚ -゚)「クーよ」

( ゚∀゚)「そうか、ブーンとクー、俺は『闇』なんかには興味ないね・・・・俺が興味あんのは」

168 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:10:44.59 ID:7xky4kRZ0
( ゚∀゚)「お前らが俺より強いかどうかだ!!!」

ジョルジュが至近距離で拳を放つ。それを寸手の所でかわすブーン。
2歩3歩とブーンが飛び退き構える。それに合わせクーとジョルジュも間合を置き構える。

(;^ω^)「どういうことだお?僕たちと戦ってくれるんじゃないかお!?」

( ゚∀゚)「何度も言わすんじゃねえよ。ま、お前らが俺より強かったら考えてやらんでもないがな」

( ゚∀゚)「さあ、パーティといこうぜええええ!!!!」

( ゚∀゚)「チェンジアップ!!」

ジョルジュのブレスレットが光り、体を包み込む。
金色を基調にしたスーツに身を包むジョルジュ。

川 ゚ -゚)「チェンジアップ!!」

それに合わせクーも青いスーツへと変身する。

(;^ω^)「どうしてもやるっていうのかお・・・」

( `ω´)「クロックアップ!!」

ブーンも不本意ではあるが戦わねば進めないと悟り、赤いスーツへと変身する。
赤、青、金、3色のスーツが構え、止まる。

169 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:11:03.73 ID:7xky4kRZ0
刹那――――

赤と金の姿が消え、また現れる。ブーンとジョルジュの位置が入れ替わり、互いに背中を向け合う
そこへクーの銃撃がジョルジュの背中を襲う。が

( =∀=)「ハッ!そんなおせえ弾食らうかよ!蝿が止まるぜ!」

川 =-=)「おちろ!カトンボ!」

激しい弾丸の雨を縫うように動きクーへと近づく。
ついにはクーの目前へと迫り高速の拳を放つ。
その拳は完全にクーを捉え直撃を受けたクーは軽々と吹き飛ぶ。

川;=-=)「ぐっ・・・!」

コンクリートの柱に打ち付けられ、くぐもった声を上げるクー。
打ち付けられた柱はえぐれ、鉄筋がむき出しになる。

( =ω=)「クー!・・・よくも!」

ブーンの姿が消えジョルジュへと向かう。それに合わせ再び消えるジョルジュ

( =∀=)「楽しいねえ!おお!」

激しくぶつかり合う拳。更に拳を引きお互いにキックを重ねる。
今一度クーがそこへ射撃を打ち込むがやはりジョルジュには当たらない。

( =∀=)「まだまだ!余裕余裕!」

壁を蹴り、天井へ足をつけ、縦横無尽に飛び回る高速移動のジョルジュにはまるでかすりもしない。

170 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:11:18.19 ID:7xky4kRZ0
( =ω=)「これなら・・・どうだッ!!」

銃撃の雨の中ブーンも同じ動きをしジョルジュを捉え、すかさず蹴りを放ちついにジョルジュへヒットする。
高速で移動する力を利用したキックは強烈で、ジョルジュを吹き飛ばし壁に大穴を空ける。

ガラガラと崩れるコンクリートの中からジョルジュが起き上がり叫び声を上げる

( =∀=)「ハーッハッハ!!!楽しいねえ!!こうでなくちゃな!!本気でいくぜええええ!!!!」


    _ ∇   ´`゙  〆A!゚
\',冫    ( ゚∀゚)
.。冫▽ < (    )  ミo'’キャストオフ!
   Σ    |  ωつ  ≧ ▽
  ▽ <  し ⌒J
      〆   ''o ヾo+\,
   _
 ( ゚∀゚)
 (  ∩ミ
  |  ω |
  し ⌒J

装甲が弾け飛び、中から一段軽い装甲が現れる。しかしある一点だけ肌が露出している。
腫れ上がり、隆々と天を仰ぐ「それ」は見紛う事なき男の象徴である。

172 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:11:42.29 ID:7xky4kRZ0
川;=-=)「くっ・・・」

例え戦士といえど中身は女であるクーにそれは少なからぬ動揺を与える。
しかしその動揺が命取りとなる。

( ゚∀゚)「どうした嬢ちゃん、ガラ空きだぜッ!!!!」

突如クーが吹き飛び、壁を1枚、2枚、3枚突き抜け外へ放り出されるクー。

( =ω=)「クー!・・・ジョルジュゥゥゥゥ!!!!!」

( ゚∀゚)「さあ一人リングアウトだぜ?どうするよ」

へらへらと笑い肩を竦めるジョルジュ。ブーンは怒りに震えその名を叫ぶ。
そして二人の姿が再び消える。

ガッ!ズガガガッ!!ドガッ!

姿の見えない戦いは音だけ、空気の震えだけを辺りに響かす。
しかし・・・・

( ゚∀゚)「俺はなあ!つえー奴と戦うとギンギンに『感じる』んだよ!俺をもっと感じさせてみろ!!!」

装甲を脱ぎ軽くなったジョルジュはそのスピードを更に増し
ブーンですら残像としかその姿を捉える事ができなくなる。ブーンは幾度となく寸手の所でガードをする。

( =ω=)「くっ・・・このままでは・・・!」

一方的に打ち込まれるブーン。その時

173 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:12:32.42 ID:7xky4kRZ0
ドガッ!!

天井に穴が開き先程吹き飛んだクーが上から降ってくる。

川 =-=)「ブーン!これを使え!」

クーが右手に持つ銃を投げブーンへと渡す。
そして着地し肩の砲身をジョルジュへと向ける。

( ゚∀゚)「当たんねーよ!」

否、砲身はジョルジュの僅か上を向いていた。そして火を噴く。
天井が崩れコンクリートの瓦礫が降り注ぐ。

( ゚∀゚)「ちっ、わかんねー奴らだな、こんなのあたらn・・・」

別に当てるつもりはなかった。瓦礫が「目隠し」になればいいだけであった。

ブーンがその瓦礫を伝いジョルジュの目前へと降り立つ。
そして右手にはクーから受け取った銃を持ち、ジョルジュの額へ押し付ける。

( =ω=)「避けてみな」

174 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/08/06(日) 14:13:06.37 ID:7xky4kRZ0
短い一言と共に引き金を引くブーン。
ゼロ距離で打ち出されたその弾丸はジョルジュのヘルムを直撃する。

(;゚∀゚)「ぐおっ!」

至近距離で且つ頭部に直撃を受けたジョルジュは軽く吹き飛び衝撃でぐらつく。
そして追い討ちといわんばかりにクーとブーンがそれぞれ銃を乱射する。

が、再び姿を消し、今度は天井の穴から上へ飛び上がる

「今日はここまでだ!引き分けにしといてやるよ!だが次に会うまでに強くなってやがれよ!!じゃあなッ!」

そう声が響きそして静寂が訪れる。

( ^ω^)「・・・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・・・」

変身を解き空いた天井から見える空を見つめる二人。
ジョルジュを仲間にする事ができるのか、新たな闇を打ち砕けるのか。晴れ渡る空とは裏腹に二人の心は雲で覆い尽くされていた。

川 ゚ -゚)「ちんぽっぽ」
(;^ω^)「おまwwwww」
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