646 604 sage New! 2006/08/05(土) 03:08:08.40 ID:FGgdmGbL0
やっと出来上がったお(;^ω^)

ちょっと長めになったけど投下するお

647 その1 sage New! 2006/08/05(土) 03:08:34.54 ID:FGgdmGbL0
ブロロロロ・・・・
プシュー

畑の合間を縫う砂利道に一台のバスが止まる。
ドアが開き一人の青年が運転手に軽く挨拶をし降りる。

( ^ω^)「久しぶりだお・・・・変わりないお、ここは」

辺りを見回し感慨深く、懐かしげに一人呟く青年、ブーン。
その足でバス停を離れ実家へと向かいバス停から10分ほどした所で家へと入る。

ガラララッ

( ^ω^)「じーちゃん久しぶりだお!ブーンだお!」

一軒の平屋に入り玄関を開けた所で声を張り上げる。すると奥から小柄な老人が玄関へやってきた

/ ,' 3「おおブーンか!久しぶりじゃのう!そんなところで立っておらんで上がりなさい」

( ^ω^)「お邪魔するお」

荒巻はブーンを快く迎え入れ、二人居間で積もる積もる話を続けていると・・・

ガラララッ

648 その1 sage New! 2006/08/05(土) 03:08:53.88 ID:FGgdmGbL0
居間から玄関を開ける音が聞こえてきた。来客だろうか?

川 ゚ -゚)「荒巻おじいちゃんただいm・・・・」

居間へと来客者が現れ二人の姿を見たところで言葉が止まる。

川 ゚ -゚)「…。」



  _, ,_
川 ゚ -゚)メンズビゲン

Σ(;^ω^)「ふおっ!?」

顔をしかめた来客者はブーンを見やり何やら呟く。

/ ,' 3「おお、クーちゃんか、ほれ、昔一緒に遊んでたブーンじゃ、覚えとるじゃろう?」

( ^ω^)「クーちゃんって・・・クーかお!?」

ブーンが来客者の名を聞き記憶の糸を辿る。川へ魚とりに、野原へ虫とりにはしゃいだ幼馴染のクー。

649 その3 sage New! 2006/08/05(土) 03:09:22.70 ID:FGgdmGbL0
(*^ω^)「何年ぶりだお!懐かしいお!」

ブーンがその再開を喜び抱き合おうとすると・・・

ガッ!

(#)ω^)「いってえお・・・」

かいしんのいちげき!ブーンに310のダメージ!

川 ゚ -゚)「久しぶり。ブーン」

ブーンを殴った右手をぷらぷらと振りながら淡々と喋るクー。
彼女は昔から感情の抑揚が少なく、いつもこのような喋り方をしていた。

( ^ω^)「でも『ただいま』ってどういうことだお?」

かいしんのいちげきが回復し荒巻にクーが何故『ただいま』なのかを問いかける。
彼女は幼馴染であって家族とはまた違う。彼女には彼女の家があるのでは?と。

/ ,' 3「それはな・・・・」

荒巻が突然顔を下げ言いにくそうに声色を下げる。

/ ,' 3「この村の言い伝えは覚えておるか?」

( ^ω^)「えーと・・・どんなだお?」

/ ,' 3「忘れっぽいのも昔からじゃったなあ・・・言い伝えとは」

650 その4 sage New! 2006/08/05(土) 03:09:44.46 ID:FGgdmGbL0
―――――――――遥か昔
この村に邪悪な悪鬼が現れた。その悪鬼はとてつもない巨体で村を襲い家を踏み潰し人を食ったそうな。
そして村が滅びる寸前、旅の陰陽師がその悪鬼と戦いその鬼を山奥に封印したそうな。

しかし旅の陰陽師はこう言った「鬼が強すぎて封印しかできなかった。しかもその封印は後に必ず解けてしまう」と―――――

/ ,' 3「現れたんじゃよ、その『悪鬼』が」

(;^ω^)「そ、それは大変だお、でもそれが何でクーと関係があるお?」

/ ,' 3「クーちゃんの家は踏み潰されたんじゃよ、その『悪鬼』に」

川 ゚ -゚)「・・・・」

表情は変わらないが俯くクー。その手は軽く震えている。

/ ,' 3「悪鬼は暫くして山奥へ帰ったんじゃが」

/ ,' 3「潰された家を直す為にクーちゃんの両親が莫大な借金を抱えてしまってのう、家に毎日取り立て屋がくるんじゃよ」

その取立ては容赦なく、しまいには娘を売りに出せと言い出した為、クーを荒巻の家へ匿ってもらうよう頼み込んだ。という事であった。

651 その5 sage New! 2006/08/05(土) 03:10:26.70 ID:FGgdmGbL0
( ^ω^)「そうだったのかお・・・クーも大変だお」

川 ゚ -゚)「私は大丈夫」

クーはそう答えたが先程の震えを見ていたブーンはその言葉が嘘であることは分かっていた。
が、これ以上はブーンも何も言わない。

( ^ω^)「そういうことならじーちゃんの家でゆっくりするお!」

その日は3人で夕食を食べ、3人一緒の部屋で寝る事にした。荒巻の家は山から比較的離れているとはいえ
悪鬼が現れた時はすぐさま家を出れるようにと考えた為である。

川 - )「Zzzz・・・・」

静かな寝息を立て眠るクー、全くの無防備でそのあどけない寝顔を横でそれを眺めるブーン

( ^ω^)「安らかな寝顔だお・・・できればこの寝顔を守ってやりたいお・・・・」

小さく呟きクーの髪を撫で・・・

ビシィッ!!

布団の中から飛び出てきた平手がブーンの手を襲う。

つうこんのいちげき!ブーンは400のダメージをうけた!

(;^ω^)「寝てても変わらないお・・・」

ひりひりと腫れた手を布団へしまい、ブーンも眠りに入る。

652 その6 sage New! 2006/08/05(土) 03:11:01.40 ID:FGgdmGbL0
( -ω-)「クー、僕が守ってやるお・・・・・」

―――――――――――――――――――――――ブーンよ。

(;^ω^)「ふおっ、ここはどこだお?」

   「そんなことはどうでもいい」

(;^ω^)「あんた誰だお!?」

   「りぴーとあふたみー」

( ^ω^)「そんなことはどうでもいい」

   「ざっつらいと」

   「ブーンよ、力がほしいか?守る力を」

( ^ω^)「守る力・・・?クーを守る力かお?」

   「全てを守る力、全てを打ち砕く力」

( ^ω^)「それでクーを守って、鬼を倒せるのならほしいお!」

   「ならば我が力、お前に授けよう」

653 その7 sage New! 2006/08/05(土) 03:11:21.85 ID:FGgdmGbL0
   「このブレスレットをつけ、『クロックアップ』と叫ぶがいい、それこそが全てを守る力、全てを打ち砕く力」

( ^ω^)「クロックアップ・・・」

   「まもなく全てを破壊せんとする『闇』が訪れる・・・・その力をもって『闇』を打ち砕け」

( ^ω^)「・・・・うんお」

(OwO)「ではさらばだ・・・・ウェーイ!」

――――――――――

( -ω-)「やm・・を・・うちくd・・Zzzz」

眠りこけるブーンの腕にキラリと光るブレスレットがついていた。

ゴゴゴゴゴ・・・・・

地の底から唸るような地鳴りが木々を揺らし、その振動が家を揺らす。

次第にそれは大きくなり、寝ている人々を揺らす。

/ ,' 3「なんじゃ・・・まさか、鬼・・・!」

/ ,' 3「二人とも!起きるんじゃ!鬼じゃ!鬼が現れた!」

654 その8 sage New! 2006/08/05(土) 03:11:49.51 ID:FGgdmGbL0
( -ω-)「うーん・・・おなかいっぱいだお・・・」

ドグッシャァァァ!!!

荒巻のコークスクリューがブーンにクリーンヒットする。

あらまきはこぶしをいためてしまった!

/ ,' 3「あいたー!こいつ、いつのまにこんな頑丈になったんじゃ!とにかく起きるんじゃ!」

( -ω^)「うーんまだ朝じゃないお・・・」

/ ,' 3「鬼が出たんじゃ!とにかく逃げるぞ!」

(;^ω^)「なんだってー!」

そのやりとりをしている間にクーも起き上がり、3人揃って慌てて家を飛び出す。

(;^ω^)「鬼はどこn・・・アッーー!」

655 その9 sage New! 2006/08/05(土) 03:12:17.49 ID:FGgdmGbL0
家を飛び出し遠くを見ると・・・そこには
山に生えている大木を、さながら雑草を足で掻き分けるが如く歩く巨人の姿が見えた。
「悪鬼」である。

(;^ω^)「で、でっかいお・・」

/ ,' 3「いいから逃げるぞ!隣の村に避難所がもうけられておる!ひとまずはそこに行くんじゃ!」

そう言い3人は駆け出す。走って、走って、走る・・・荒巻も老体とは思えぬ身軽さでどんどん先へ行く。

(;^ω^)「ちょ、じーちゃん走るの早いお、僕も走るのは得意なのに追いつけないお」

息を切らし走る速度が落ちるブーン。それでも荒巻は構わず走る。

/ ,' 3「いいからもっと走るんじゃ!隣町はすぐそこじゃぞ!」

川 ゚ -゚)「・・・・・」

クーは顔色一つ変えず荒巻についていく。
ついにはブーンの息が完全に上がり膝に手を突き止まってしまう。・・・・そしてブーンは手につけられたブレスレットに目がいく。

(;^ω^)「はぁっ・・はぁっ・・・・・お?これは・・」

先程見た夢を思い出す、夢の中で現れた人物に渡されたブレスレットと全く同じ形をしていた。
―――全てを守る力、全てを打ち砕く力―――
脳裏に一つの言葉がよみがえり、ブーンの目が変わる。
もしかしてこれで鬼を倒せるかも・・・・と

656 その10 sage New! 2006/08/05(土) 03:13:11.55 ID:FGgdmGbL0
( ^ω^)「じーちゃん!僕大事なものを家に忘れてきちゃったお!すぐ行くから先行っててお!」

そう言いながら来た道を戻りだすブーン。荒巻が止めに入ろうとするが既にその姿は無い。

/ ,' 3「ブーン!ブーーン!!」

川 ゚ -゚)「・・・・・・・」

そしてそれを振り返り止ったクーの手にも・・・・・

――――――――――――

ブーンは自分の家を通り過ぎ、鬼の居る場へと向かう。あれだけの巨体は向かっていけばイヤでもかち合う。

先程まで息の上がっていたブーンだが嘘のように全力疾走を続ける。

( ^ω^)「どうしたお?体がとっても軽いお」

その姿はまさに疾風。風となり一直線に突き進む。
程なくして巨大な鬼の目の前へと辿りつく。

657 その11 sage New! 2006/08/05(土) 03:13:42.09 ID:FGgdmGbL0
( ^ω^)「悪鬼だかなんだか知らないけど、村を壊す奴は許さないお!」

そう叫び鬼へと向かう・・・・

( ゚д゚ )「ガア?ガー!」

ペチン!

鬼がブーンに気づき向かってくる所にデコピンを放つ。
軽々と打ったデコピンは丸太のような指でブーンをいとも簡単に吹き飛ばす。
弾丸のように撃ち出されたブーンは知らぬ民家の壁へと吸い込まれ、突き抜ける。

ドガッ!!

(#)ω^)「うぅ・・・やっぱり夢かお?・・・そうだ!」

夢で見た時はブレスレットを身につけこう叫べと教えられた。

( `ω´)「クロックアップ!」

突如ブレスレットが光を放ち、そして光はブーンを包み込む。
光が消えそこに立っていたのは・・・

赤を基調とした機械的なスーツを全身に纏った男。

658 その12 sage New! 2006/08/05(土) 03:14:12.08 ID:FGgdmGbL0
( =ω=)「これが・・・全てを守り打ち砕く力・・・!」

自分の姿を見て驚くブーン、そしてある事に気づいた。

( =ω=)「時が止まっている・・・いや、遅くなっている!」

この時ブーンのすべての運動能力と神経は常人の何百倍にも高められていた。
その為周りの全てのものが遅く動いてるように見えるのだ。

( =ω=)「これならいける・・・!」

そしてブーンが、消えた。

ズガガガガガン!!!!

( ゚д゚ )「グガアアアアアアア!」

鬼が突如足に衝撃を受けその場に尻餅をつく形で転ぶ

( ゚д゚ )。oO(い、いま起こった事をありのままに言うぜ!『デコピンをしたら俺が転んだ』
       な… 何を言ってるのか わからねーと思うが、おれも 何をされたのか わからなかった…
       頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか、そんなチャチなものじゃねえ
       もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ)

659 その13 sage New! 2006/08/05(土) 03:14:34.73 ID:FGgdmGbL0
( ゚д゚ )「ウガオォォォォ!!!」

そして鬼は足元に立っている赤いスーツの男にを見つけ拳を放つ。

( =ω=)「遅い!」

一瞬、今度は鬼の顔が跳ね上がる。

( ゚д゚ )「グワ!!」

鬼がのけぞり完全に仰向けに倒れる。

( =ω=)「貴様を・・・倒す!」

倒れた鬼の上に乗った赤いスーツの男が鬼を睨む。・・・・が

( ^ω^)「・・・お?」

光が再びブレスレットから放たれスーツが消えたブーン。

( ゚д゚ )「・・・・・」

660 その14 sage New! 2006/08/05(土) 03:14:57.33 ID:FGgdmGbL0
こんなときの選択肢は?

1:逃げる
2:逃げる
3:逃げる

(;^ω^)「ちょ、こんなときにそれは無いおおおお!」

踵を返し一目散に逃げ出そうとする・・・が。

バシンッ!

後ろを向いた所で鬼の両手に挟まれ身動きがとれなくなるブーン。
鬼はゆっくりと上半身を起こしその場で両手に力を込めギリギリと締め上げる。

ミシミシッ・・・!

ブーンの全身から軋む音が上がり、今にも骨が砕け散らんという勢いだ

(;゚ω゚)「うああああぁぁぁぁぁ!!!!」

その時。

ズガガガガガガガガ!!!!

少し離れた所から無数の光弾が放たれ、ブーンの周りを爆撃する。
その弾丸によりブーンを締め上げていた腕の力が弱まりブーンを放す。

鬼から逃れたブーンが光の弾丸の放たれたであろう場所を見ると・・・・

661 その15 sage New! 2006/08/05(土) 03:15:18.40 ID:FGgdmGbL0
川 = -=)「・・・・・」

青いスーツに身を包んだ人間が立っていた。
そのスーツの両の肩と手に砲身のようなものが見える。
そして青いスーツが再び構え。

ドンッ!ドンッ!ズドンッ!!

1発2発、3発と光の弾丸を再び放つ。
その弾丸を受けさらに怯む鬼。

( ゚д゚ )「グォォァアァァァ!!!!」

鬼の両腕から血が噴出し、狂ったように暴れだす。
その姿を見て青いスーツが・・・

ガバッ

メットの部分を脱ぎ素顔が見える。
クーであった

(;^ω^)「く、クー!?」

川 ゚ -゚)「夢を見た、私も戦う・・・」

クーが淡々と喋り、更に構え・・・・

662 その16 sage New! 2006/08/05(土) 03:15:40.75 ID:FGgdmGbL0
川 ゚ -゚)「ヒィィィイイィィィィイイイヤッッッハァァァァァ!!!!!!!!!!!!!! ヌルポォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」

ズガガガガガッ!ドンッ!ズドンッ!ガンガンガンッガッ!!!!!

クーが声を張り上げ全ての砲身から雨霰のように弾丸を打ち出す。
照準をつけずに乱射し、その巨体に何百発もの弾丸が命中する。

( ω)       ゚ ゚
 「エーーーッ!!?」

普段の淡々とした口調からは想像もできないクーの叫び声とその姿に思わず目をひんむくブーン。

( ゚д゚ )「オギャーーーーン!!!!!」

ズドドドォォーーン!!

まさに蜂の巣となった巨大な鬼はついに絶命しその場に倒れる。

―――――こうして村を鬼から守り、打ち倒した二人。

663 END sage New! 2006/08/05(土) 03:16:01.54 ID:FGgdmGbL0
( ^ω^)「クーもまさか夢でブレスレットを貰っていたとはびっくりだお」

川 ゚ -゚) 「ブーンと一緒」

二人がお互いのブレスレットを見せ合う。2つのブレスレットは全く同じ形をしており、傍からみればペアリング。

(*^ω^)「クーと同じブレスレットをつけれるなんてちょっと嬉しいお」

川*゚ -゚)「一緒」

そしてこれから二人の戦いが始まるのであった・・・・――――

川 ゚ -゚)「因みに、借金取りの事務所も撃っておいた」

(;^ω^)「ちょwwwww」
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