35 でぃが過疎区にいるようです New! 2006/08/08(火) 21:51:08.57 ID:mPwLkX310
そこは誰もいない更地だ

明け方の今、次第にその荒野が姿を露にしてくる


「どうしたの?」


(#゚;;-゚)「うん、誰もいなくなっちゃって……」


「そうなんだ、一緒に探してあげるよ」


(#゚;;-゚)「うん、ありがとう」

36 でぃが過疎区にいるようです New! 2006/08/08(火) 21:51:52.84 ID:mPwLkX310
(#゚;;-゚)「昨日まではね、お父さんがいたの」


「そうなんだ、お父さんはどうしていなくなったの?」


(#゚;;-゚)「分からない、目が覚めたらこんな所にいた」


「そうなんだ」


(#゚;;-゚)「ねえ、アナタにはどうして羽があるの?」


「うん、空からアナタのような子を探すためだよ」


(#゚;;-゚)「私みたいな子?」


「そう、アナタみたいな子」

37 でぃが過疎区にいるようです New! 2006/08/08(火) 21:52:25.53 ID:mPwLkX310
(#゚;;-゚)「私みたいな……寂しい子?」


「うん、そうかもしれない」


(#゚;;-゚)「よくわかんないや」


「それでいいと思うよ、お母さんは?」


(#゚;;-゚)「小さい頃に、私を産んでいなくなったんだ」


「そっか、ゴメンね」


(#゚;;-゚)「ううん大丈夫、お姉ちゃんもいるし」


「お姉ちゃんは?」


(#゚;;-゚)「昨日までいたのに、いなくなっちゃった」


「そっか……」

38 でぃが過疎区にいるようです New! 2006/08/08(火) 21:53:31.90 ID:mPwLkX310
(#゚;;-゚)「私がね、すごく体弱いから……きっと嫌いになっちゃったんだと思う」


「そんな事ないよ」


(#゚;;-゚)「でもね、昨日すごく体が痛くて……もう捨てられたんだと思う」


「絶対そんな事ないから」


(#゚;;-゚)「……ありがとう」


「名前は?」


(#゚;;-゚)「……でぃ」


「おいで、抱いてあげるから」

39 でぃが過疎区にいるようです New! 2006/08/08(火) 21:54:17.74 ID:mPwLkX310
(#゚;;-゚)「……とっても良い匂いがする」


「ありがとう」


(#゚;;-゚)「私と同じで赤い瞳に黒くて長い髪の毛」


「そうだね、いっしょだね」


(#゚;;-゚)「うん嬉しい」


「私も嬉しい」


(#゚;;-゚)「ねえ、最後に聞いていいかな?」


「どうしたの?」

40 でぃが過疎区にいるようです New! 2006/08/08(火) 21:54:38.49 ID:mPwLkX310
(#゚;;-゚)「お母さん……だよね?」






   でぃが過疎区にいるようです・END

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