702 ガムとタクシーと New! 2006/08/08(火) 00:58:36.96 ID:9I5bBi6pO
くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ。

ああ、イライラする。

『るっせーんだお!!口閉じて噛め!!』

などと言える筈もない。


僕は冷房の効いた車内で、後ろの席に座るDQNカップルに心からの呪咀を送る。

全く、タクシー運転手になんかなるもんじゃない。

「ねぇ〜、私にもガムちょうだぁ〜い?」

「もうねーんだよ。
……口移しで。んー」

「ん〜」

(#^ω^)ビキビキ

こいつらタクシーをなんだと思ってやがる。
ラブホじゃねーんだぞ。
キモいっつーの。
不細工とブスが。

704 ガムとタクシーと New! 2006/08/08(火) 00:59:27.30 ID:9I5bBi6pO
「ねぇ、運ちゃん見てるよ〜」

「てめ、何見てんだコラ」

(##^ω^)「……見てませんお」

――ああぁぁぁぁ。
やばい、キレちまう。
でも、我慢、我慢……。
大丈夫、まだ耐えられる。
こういう時は素数を数えて……。

「ねぇ、たっく〜ん。
この運ちゃん、まじキモくな〜い?」

(###^ω^)「……」

「オラオラ、ユッコが気持ち悪いってよ」

あぁ、よせ……。
シートを蹴るな……。
揺れる、揺れる……。
もう……もう……。

705 ガムとタクシーと New! 2006/08/08(火) 01:00:56.97 ID:9I5bBi6pO
「あはっ♪おもしろ〜い。
シートにガムつけちゃえ!うりゃ!」

(  ω )プツン

(  ω )「……お客さん。いや、社会のクズ」

アクセル全開。
いざ、我が家へ。

「おい、どこ行くんだ!?
こっちじゃねーぞ!!」

「この運転手マジ頭おかしくない?」

さ、降りてもらおう。
ん?嫌なのか?
だったら無理矢理降ろしてやろう。

「てめ、何しやがる!
げぇっ!がっ!!」

「たっくん!?ちょ!?
ぎゃっ!!」

706 ガムとタクシーと New! 2006/08/08(火) 01:01:47.78 ID:9I5bBi6pO
(  ω )「……ふ、ふふふ」

大丈夫。まだ殺しはしないから。
でも、ゆっくり苦しんで死んでもらうよ?
ガムが好きなんだっけ?
ガムだけで人間がどこまで飢えに耐えられるか試してみようか。

君達は馬鹿だよ。
猟奇殺人者を怒らせるなんて。
来世では無闇に人を怒らせないように。

さぁ、僕の自慢の地下室へようこそ。

終わり

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