112 虫眼鏡1/4 New! 2006/06/09(金) 21:50:05.17 ID:8p0CwK5xO
ここはVIP小学校。これから午後の授業が始まるところだ。
ξ゚听)ξ「はーい、皆さん。次は理科の時間でーす。外に出て生き物を観察して、スケッチしましょー。」
一同「はーい!」

ツンが子供達を連れ添って校庭に出る。子供たちはツンから「おk」の合図をもらうと、思い思いの場所に行き、観察を始めた。

ξ*゚ー゚)ξ「んーっ、天気が良くていい気持ち〜。」(;´ω`)「ツンせんせー。」
ξ゚听)ξ「あら?どしたの内藤くん?」
(;´ω`)「僕アリさんをスケッチしたいんですお。でもアリさんは小さすぎてなかなか観察しづらいんですお。」
ξ゚听)ξ「そっかー。………あ!ちょっと待ってて!」

何かを思い出したようにツンは校舎に戻っていった。数分後……ツンが戻ってきた。

ξ*゚听)ξ「おまたせー!はいっ!これでアリさんも大きく見えるよ!」

と言ってツンは内藤に虫眼鏡を手渡した。

( *^ω^)「ありがとうですお!ツン先生は優しいお!」
ξ////)ξ「べっ、別に教師として当然の事をしたまでなんだからね!勘違いしないでよ!」
( *^ω^)「フヒヒ!ツン先生照れてるお!」
ξ////)ξ「いいからさっさと観察してこーい!」
(;^ω^)「はいですお!」

危険を察知した内藤は両手を広げ、凄い速さで逃げていった。

ξ////)ξ「全く!近頃のガキといったら!」

でもツンはまんざらでもなさそうだった。

113 虫眼鏡2/4 New! 2006/06/09(金) 21:51:25.80 ID:8p0CwK5xO
⊂ニニニニ( ^ω^)ニニ⊃「アーリさん♪アーリさん♪」
そう歌いながら走っていると、内藤はアリの巣がたくさんある場所に着いた。

( ^ω^)「ついたお!早速アリさんを観察するお!」

内藤は一匹のアリを観察し始めた。

( *^ω^)「おっおっ、虫眼鏡を通すとよく見えるお!」

その時だった。内藤が観察していたアリが煙を上げて縮こまってしまった。

(;^ω^)「……お?アリさんエンストかお?別のアリさんにするお!」

ちょうど足元の所で蝶の死骸を運んでいるアリがいるのを内藤は見つけた。

( *^ω^)「おっおっ、このアリさんはエサを運んでいるのかお?観察するお!」

内藤はそのアリを観察し始めた。

( *^ω^)「アリさんは凄いお!自分より大きいチョウチョを一生懸命運んでるお!」
(;^ω^)「……お?」

また、アリが煙を上げて縮こまる。と同時に蝶の羽根に火が着いた。

( ;ω;)「アリさんが急に燃えちゃったおー!怖いおー!」

内藤は泣きながらツンの元へ走っていった。

116 虫眼鏡3/4 New! 2006/06/09(金) 21:54:16.17 ID:8p0CwK5xO
⊂ニニニニ( ;ω;)ニニ⊃「ツンせんせー!!」
ξ;゚听)ξ「ど、どうしたの内藤くん!?怪我でもしたの!?」

内藤はツンに駆け寄ると泣きじゃくりながら事情を説明した。
( ;ω;)「アリさんを、観察、してたら、いきなり、燃えちゃっ、たん、だお。」
ξ;゚听)ξ「いきなり燃えた?」
( ;ω;)「そう、だお。虫眼鏡、で、見てたら、いきなり、燃えちゃ、ったんだ、おー!」

ツンは合点がいった。
ξ゚ー゚)ξ「…あのね、内藤くん。虫眼鏡って物を大きく見せる働きと、光を集める働きがあるの。」
( ;ω;)「光を…集める?」
ξ゚ー゚)ξ「そう。今日は天気がいいでしょ?だから光がいっぱい集まって、熱くなって、それでアリさんは燃えちゃったの。」
( ;ω;)「それじゃ、僕がアリさんを殺しちゃったのかお?」
ξ;゚ー゚)ξ「残念だけど…」
その言葉を言ってツンは後悔した。

( ;ω;)「おぉぉぉぉぉぉ!」
ξ;゚听)ξ「あっ、でも内藤くんは知らなかったんだから…」
( ;ω;)「でも僕は殺しちゃったお!あのアリさんはきっとチョウをお家に持って帰って家族みんなで食べるつもりだったんだお!それを僕は…。」

ツンはただ黙って泣きじゃくる内藤の頭を撫でてやっていた。内藤が落ち着いた頃、ツンは言った。

ξ゚-゚)ξ「…内藤くんは優しいのね。先生感心しちゃった。」
( ;ω;)「そんなことないですお。」
ξ゚ー゚)ξ「そうだ!アリさんのお墓をつくってあげれば?」
( ;ω;)「お墓?」
ξ゚ー゚)ξ「そう。そして、アリさんごめんなさいって言えばきっと許してくれるよ!」
内藤は黙って頷いた。

117 虫眼鏡4/4 New! 2006/06/09(金) 21:55:29.36 ID:8p0CwK5xO
内藤とツンはアリの巣のそばに土を盛り、お墓をつくった。

( ´ω`)(アリさん…、ごめんなさいだお…。)

内藤はお墓の前で手を合わせ、黙祷した。

その姿を見てツンは思う。
近頃の子供も捨てたもんじゃない…と。



終わり

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