361 ξ;凵G)ξの憂鬱 New! 2006/06/01(木) 07:50:15.53 ID:AT7r5SiA0
 本当に些細な切っ掛けで、突然公園の隅に咲く綺麗な花に惹かれた。昔に別れた彼の事を忘れ
られずにツンは、度々ここを訪れていた。けれども果たしてこんな木があっただろうか。こんなに綺麗
な花を咲かせていたのなら、きっと目に付いたはずだろうと思うのに。

ξ゚听)ξ「ブーン……」

 こんなに綺麗な花を見ていると、あの頃を嫌でも思い出してしまう。開ききったその花弁はまるで
彼の崩れそうな笑顔のように私を見つめてくる。そしてきっと、この花弁はいつか散ってしまうのだ。
そんなこと、分かりきっていたはずなのに。

ξ゚听)ξ「あ……」

 突然吹いてきた春風がその枝をゆらゆらと揺らし、辺りを一瞬にして花吹雪で春色に染め上げた。
沢山の花弁がひらひらとツンの体を撫ぜ、そして力なく地面へと落ちていった。神様はそんなに意地
悪が好きなのだろうか、何もそんなことをする必要も――そこまで考えて、ツンの脳裏にブーンの言
葉が思い浮かんだ。

363 ξ;凵G)ξの憂鬱 New! 2006/06/01(木) 07:51:15.02 ID:AT7r5SiA0
( ^ω^)『ツン……すごくありきたりなセリフだけど、僕の命は真面目にあの花が散る頃までだお』
ξ゚听)ξ『馬鹿、何言ってるのよ。アンタはあの木が枯れても生きてるわよ』
(;^ω^)『そいつは無茶だお』
ξ゚听)ξ『それくらいの無茶、私の為だと思ってしなさいよ』
( ^ω^)『……ツン。あの花が散って僕が居なくなって……またあの花が咲いたら、その時には僕の
事を……忘れて欲しいんだ』

ξ#゚听)ξ「出来ないわよ!」

 気が付けば人目も気にせずに叫んでいた。

ξ;凵G)ξ「出来るわけ……無いじゃない……」

 そんな私の声に呼応するかのように、木の葉ががざわざわと擦れる音を立てた。そうだ、この木は
いつだってここにあったんだ。ただ、私がそれを見たくなかった、それだけの話だったんだ。それに気付
いた今日、私は彼の事をまた一歩過去のものへと近づけてしまったのだろうか。けれども、例えいつか
彼の思い出と決着をつけられたとしても、憂鬱の花はこれからもずっと、咲き続けていくのだろう。



−終−


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