356 ハードボイルド New! 2006/06/01(木) 07:44:49.04 ID:AT7r5SiA0
(;^ω^)「はぁっ! ……はぁっ……はぁっ……」

 どーもこんにちは、ブーンですお。のっけから荒い息遣いでスミマセン、フヒヒ。いや、これは
決して右手の摩擦エネルギーによるタンパク質合成をしている訳でも、来るべきプール開きに
向けてお風呂で息止めの訓練をしていた訳でもなく、どういう訳か追われてい――
                        バチュン!!
バチュン!!        バチュン!!
(;^ω^)「ちょ、撃たないで! 助けてくれぉぉ!」  バチュン!!
      バチュン!!                バチュン!!

 時は遡ること数時間前。偶然図書室でツンを見かけたので、物影からこっそりと情熱のアイビー
ムを送っていた時だった。

ξ;゚听)ξ「なんか図書室いつもより寒くない?」
川 ゚ -゚)「そうか? 私はちょうどいいが」
ξ;゚听)ξ「あー……なんかヤバイわ。風邪ひいたのかも。ごめん、この本戻しといて」
川 ゚ -゚)「あぁ、わかった」

 よろよろと図書室を後にするツンをいつものブーンなら追いかけるところだが、今日はツンが
どんな本を読んでいたのかが気になったので、クーが本棚に戻したのを確認するなりさりげなく
かつ紳士的にゆっくりと本を取り出すと、まるでエロ本を拾った小学生のようにこそこそと隅の席
に座って読み始めた。

357 ハードボイルド New! 2006/06/01(木) 07:46:16.44 ID:AT7r5SiA0
( ^ω^)「は、ハードボイルドな男達……。ツンはこういうのが好きだったのかお……」

 本の中で渋い笑いを浮かべる男達に自分を重ね、ブーンは思わずニヤリとした。

(*^ω^)「悪くない……お」

 それにハードボイルドと言えば、ゴルゴ13。ゴルゴ13と言えばヤリたい放題。という偏った知識
がさらにブーンの熱を高めていった。

( ^ω^)「おっと、こんなところでテント設営してる場合じゃないお。今すぐサングラスと拳銃仕入れ
      て、ツンと愛を確かめ合うお」

 そして、ブーンはその後学校をサボり地元で有名な恐い人たちが集まる事務所に単身乗り込ん
だのだった。ツンのことで浮き足立っていたのか、そもそも頭のネジが緩かったのか、ともかくなに
やら怪しい粉末を盗みに来た奴と勘違いされて追い出されたのが頭に来て、扉に聖水をかけてい
たら偶然扉を開けた恰幅のいい人のズボンにそのままかかってしまったのがいけなかった。「大丈
夫ですお。僕はベジタリアンですから」と言ってもどうやら効果はなかったらしく、赤を通り越して紫
色になった顔で追いかけられ、今に至るという訳だ。事務所がやたら辺鄙なところにある所為であ
ちらさんにも手加減が全く見られないあたり、もう死亡フラグビンビン。

(;^ω^)「こんなことなら警察に行って借りた方が良かったお! って、行き止ま――バチュン!!

ξ゚听)ξ「あー……なんか今体が急に軽くなったわ」
川 ゚ -゚)「へぇ……。そうだ、この本中々面白いな」
ξ゚听)ξ「でしょ!? あんたもあんなおっさん臭い男の趣味止めてこういう話に出てくるような男を
       追いかけなさいよ」
川 ゚ -゚)「まだツンにはハードボイルドな男の良さは分からないのか……」
ξ゚听)ξ「わ か り ま せ ん」

−終−

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