904 それはヌクモリティー(1) New! 2006/05/31(水) 01:12:34.35 ID:sdLFRgsU0
(*・ω・)「これ、なんだろー?」

きょうボクは、とっても不思議なモノをひろったんだ!
ボンヤリと光ってて、それにさわるとポカポカしてて、
何かすごい元気がでてくるんだよ!フシギだよねー?

そこの道ばたにポツンと落ちてたんだけど、だれも気づかないで
通りすぎちゃうんだ。おかしいよねー?

落とし物をひろったときは、おまわりさんにとどけるんだよね!
だけど、おまわりさんにも見えなかったみたい。おかしいよねー?

それでね!ボク考えたんだ。

(*・ω・)「ショボンお兄ちゃんにきいてみよー」

だから、ショボンお兄ちゃんのお店に行ってみたんだ。

906 それはヌクモリティー(2) New! 2006/05/31(水) 01:18:58.10 ID:sdLFRgsU0
やあ(´・ω・`)

ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで――――?



(´・ω・`)「君にお酒は、まだ15年は早いようだね。すまない。
      ・・・・かわりに、ホットミルクはいかがかな?」

(*・ω・) 「わーい♪ ミルクのむー」

ショボンは、突然店に現れた小さなお客さんにミルクをあげた。
―――もちろん、料金なんてとらない。サービスさ。

(´・ω・`)「それで、今日は何をしに来たんだい?」
(*・ω・) 「あ、ショボンお兄ちゃん。コレなにかわかるー?」
(´・ω・`)「(お兄ちゃんって歳でもないけどな・・・)どれどれ・・・?」

かわいいお客さんから手渡されたソレは、奇妙だった。
手のひらサイズ程の、ホタルの光に似ているような、ボンヤリと淡い光を放っていた。
触れた感触は暖かく―――――なぜか懐かしさが、感じられた。

907 それはヌクモリティー(3) New! 2006/05/31(水) 01:20:30.66 ID:sdLFRgsU0
(;´・ω・`)「これは・・・どこで拾ったんだい?」
(*・ω・) 「んーとね、冷たいコンクリートの上だよー。
      あ、ショボンお兄ちゃん。ソレ見えるの?」
(´・ω・`)「見えるけど、よく分からないな・・・・・ん?」

よくみると、光の中に何かが浮かび上がってくる。
――――なるほど、そういうことか。・・・これは、"モノ"じゃない。
ミルクを飲んでるお客さんに、少し説明してやるか。

(´・ω・`)「いいかい、よく聞くんだよ?」
(*・ω・) 「うん」
(´・ω・`)「まずこれはね、誰かの落とし物なんだ。無くした人は困っている
      だろうから、その人に届けて欲しい」

(*・ω・) 「わかったー、でも・・・どうやってー?」

908 それはヌクモリティー(4) New! 2006/05/31(水) 01:21:33.06 ID:sdLFRgsU0
(´・ω・`)「コレはね、必要な人と、いらない人がいるんだ。
      いらない人は、今の生活に満足していたり、もう必要のない人だ。
      どこか途中で諦めてしまったり、挫折したり、妥協したり・・・
      そんな人達は、必死にコレを探している人だろうね」

(*・ω・) 「うーん・・・?もっとかんたんにー!」
(´・ω・`)「ションボリしていそうな感じの人がいたら、その人に渡してあげるといい」
(*・ω・) 「はあくー」



ミルクを飲み終わったお客が出て行った後、
ショボンは一人つぶやいた。

(´・ω・`)「もし、コレが見えなくなった時は遠慮なくココにきて欲しい・・・。
      テキーラ1本と、人生の寄り道の場所を君にサービスしよう」

910 それはヌクモリティー(5) New! 2006/05/31(水) 01:22:51.88 ID:sdLFRgsU0
〜公園〜


(*・ω・) 「ねぇねぇ、おねーさんおねーさん」

ξ////)ξ「いやぁ・・・・こんな公園なんかで・・・ブーンだめぇ・・・ビクビク」
(*^ω^)「フヒヒヒヒ!そんな事言ってる割には・・・しっかり濡れてるお?」
ξ////)ξ「いやぁ・・・・いわないでぇ・・・」

(#・ω・) 「ムシしないでよー?」

ξ////)ξ「ムシ・・・・ブーンって虫みたいにイヤラシイわ・・・ああっ」
(*^ω^)「ボクのムカデも殺すテクを体でとことん味わうお!」

(*;ω;) 「うっ・・・おねぇ・・グスン・・・ブワァ」

ξ////)ξ「バカ・・・泣いてんじゃないわよっ!―――――って?」
(*^ω^)「お?・・・泣いてるのはツンじゃないのかお?」



( ゚ω゚) ξ゚听)ξ

911 それはヌクモリティー(6) New! 2006/05/31(水) 01:23:28.81 ID:sdLFRgsU0
(;^ω^)「ちょwwww早く服着るおww子供に見られたwwうぇww」
ξ#゚听)ξ「ちょっと!そのコがトラウマになっちゃうじゃないの!もうっ!」


* * *


ξ゚听)ξ「―――で、お姉さん達に何かご用かしら?」
(*・ω・) 「あのねー、コレみてほしいのー」

ソレをみると、ブーンとツンはお互いに顔を見合わせた。
私達には必要ないわね、ツンが笑顔で言った。

ξ゚听)ξ「ごめんね。お姉さん達には、関係ないみたい」

(*^ω^)「僕は笑顔のツンがいるだけで・・・他は何もいらないお」
ξ////)ξ「なっ、何いってんのよ!べ・・・別に嬉しくなんかないんだからっ!」

(*・ω・) 「そっかー・・・」

少し残念そうな表情を浮かべる少年を横目に、
ブーンは、ソレが必要そうな人を必死に思い浮かべていた。

( ^ω^)「そうだお・・・たぶん、アイツに必要な気がするお・・・。
      住んでる場所を教えるお―――」

912 それはヌクモリティー(7) New! 2006/05/31(水) 01:24:00.56 ID:sdLFRgsU0
ピンポーン


・・・ショボンがやってくる時間には、まだ早いはずだ。
訪問販売か何かだろうか?追い返すのもメンドクサイ。
ニートのオレの家に来る奴は、そんな奴らしか来ないからな・・・。

('A`) 「・・・・ハァ」

ショボンは、『いつか自分の店を持ちたい』なんていってて・・・今では大繁盛。
内藤は、高校時代から付き合っていたツンと、未だに突き合ってるし・・・。

俺の周りの奴は皆成功してんのに―――俺だけなんだよなぁ。
そうだ、俺だけなんだ。俺だって、努力はした。俺なりに。
3人で『壁』によじ登って、でも俺は――――

ピンポーン ピンポーンピンポーンピンポンピンポンp

―――しぶしぶ玄関のドアを開けると、そこには誰もいなかった。
糞ガキのイタズラか・・・自分でそう結論付けて、ドアを閉めようとした。
その時だ、下から声がした。

(*・ω・) 「いるー?」

誰だ、貴様は。

913 それはヌクモリティー(8) New! 2006/05/31(水) 01:25:09.32 ID:sdLFRgsU0
('A`) 「・・・新手の訪問販売ならお断りだ。帰れ」

俺は先制攻撃といわんばかりに、キッパリと言い放った。
これでセールスマンは、すんなり帰ってくれる筈だ。・・・本に書いてあったからな。
だが、何か様子が違うようだった。

(*;ω;) 「うっ・・・ひどいよ・・・・ブワァ」
(;'A`)  「ちょwwww泣くなよww話は聞いてやるから」

そう言うと、そいつは手に持ってるモノを俺に渡してきた。
・・・何だコレは?やっぱり怪しい宗教グッズか?
俺はコレを手にとり、じっと見つめて―――



―――なぜだろうか、俺は泣いていた。

914 それはヌクモリティー(9) New! 2006/05/31(水) 01:26:24.91 ID:sdLFRgsU0
俺はきっと、忘れていたんだろうな。
俺がもっと若く、毎日が希望に溢れていたあの頃・・・
確かに、俺はコレを持っていた。
でも、コレを追う忙しさに負けて、時間に追われて
そして、現実の厳しさをみて――――
――――いつの間にか俺の中で諦めて、無理矢理忘れてたんだろうな。

(*・ω・) 「いるー?」
('A`) 「いや・・・俺はもう十分だ。コレは、俺以上に必要としてる奴がいるだろう。
     そいつに渡して欲しい」
(*・ω・) 「そっかー、バイバーイ」


・・・この殺伐とした世の中で、未だにヌクモリが廃れていない事を、
俺は決して忘れないだろう。

('∀`)  「・・・・やっぱり、もうちょいガンバってみるかな」

915 それはヌクモリティー(10) New! 2006/05/31(水) 01:26:55.42 ID:sdLFRgsU0
(*・ω・)「だれかいませんかー?」

そんで気がついたら、ボクは変な場所に迷い込んじゃったんだ。
ここドコだろう?まっ白で、人も車もいないんだ。フシギだよねー?

―――もう・・・は・・ムリ・・・・畜・・・生

あっ、誰かがションボリしてる!・・・コレをとどけないと!
やっぱり楽しく、わらってる時がイチバンだよねー?

―――うぅ・・・・も・・メだ・・・死の・・

向こうの方から聞こえるのかなぁー?
うーん、とにかくいそげーーっ!!

916 それはヌクモリティー(11/11) New! 2006/05/31(水) 01:27:25.95 ID:sdLFRgsU0
 (((;;;:: ;: ;;          ;; ;:;::)) ::)
   ( ::: (;;   ∧_,∧   );:;;;)) )::: :; :))
    ((:: :;;  (*・ω・)っ夢;;;; ; :))
     ((;;;  (っ ,r どどどどど・・・・・
          i_ノ┘

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  ((;;;:;;;:,,,." ヽ夢⊂ ) ;:;;))):...,),)):;:::::))))
   ("((;:;;;  (⌒) |どどどどど・・・・・
         三 `J

         .∧__,,∧   ;。・
       ⊂(*・ω・*)⊃夢
    ☆   ノ   丿 キキーッ
      ヽ .ノ  (⌒) 彡
       と_丿=.⌒

         .∧__,,∧ゼェゼェ
        (´・ω・;)    あの、落としモノですよー?
         ( o夢o )))
         `u―u´

    いつかあなたの所へ来るかもしれない
            それがVIPヌクモリティ  〜おわり〜

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