20 弁当売りの貞子 New! 2006/05/26(金) 23:01:14.75 ID:cNpUHHJ7O
『弁当売りの貞子』

川д川「お弁当いりませんかー?
おいしいですよー?」

聖夜の夜、貞子は街でお弁当を売っていました。
でも、誰も買ってくれません。
みんな隣のケーキ屋さんでクリスマスケーキを買っていきます。

川д川「ケーキ……おいしそうだな……」

バッシャアアン!

ξ#゚听)ξ「てめーみたいな暗い奴がいたら売り上げ落ちちまうよ!
さっさと失せな!」

真冬の夜に冷水をかけられてしまった貞子。
仕方なく、震えながらお家に帰ることにしました。



24 弁当売りの貞子 New! 2006/05/26(金) 23:02:57.61 ID:cNpUHHJ7O
川д川「う……うぇっ……ひっ……うぅぅ」

泣きながら歩く貞子に、誰も声を掛けてくれません。
ただチラ、とだけ見るだけです。
かじかむ手足をかばいながら、なんとか貞子は家に着きました。
でも、家の鍵は閉まり、ドアに貼り紙が。

『弁当を全部売るまで帰ってくるな』

今から街へ戻り、お弁当を売れと言うのでしょうか。
しかも、びしょ濡れのお弁当など、誰が食べてくれるでしょう。



27 弁当売りの貞子 New! 2006/05/26(金) 23:04:34.75 ID:cNpUHHJ7O
川д川「お母さん!
お母さぁん!
開けてよぉ!
貞子寒いよぉ!!」

ドアを力いっぱい叩いても、お母さんは出てきません。
すでに寝てしまったのでしょうか。

貞子はとぼとぼ街へ戻り、再びお弁当を売ろうとしましたが、もはや真夜中。
誰も歩いていません。

ついに貞子は力尽き、道路に倒れました。
無常に雪が貞子に積もってゆきます。

川д川「………い…………くい……憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い……」

こうして貞子は世界中の人全てを憎みながら死にましたとさ。

おしまい
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