254 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/27(土) 02:17:00.48 ID:OJTVOa5d0
んじゃ投下。
あんまり期待しないでお

お題:無断で真っ白にボディペイントされたツンξ;゚听)ξ

    ぬこと人のハーフなツン


ある日。

僕は雨の中、散歩をしていた。
別段雨が好きというわけではない。
ただ、気が向いた。

普段、晴れの日も雨の日も関係ない
閉め切った生活を送っている僕が外に出るのは、
自分のことながら驚いた。
何で外に出たんだろう。

そんなことを考えながら道を歩いていた。

( ^ω^)「・・・ん?」

ふと、一人の少女の姿が目に入った。

その少女は何故かダンボールの中に入っている。。
その少女は全身に白いペンキをかけられている。
その少女は悲しげな瞳。

その少女は猫耳。

255 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/27(土) 02:17:52.62 ID:OJTVOa5d0
. ∧ ∧
ξ#゚听)ξ「・・・・・・・・・・・何よ」

喋った。

涙声。
しゃがれた声。
風邪でもひいているのだろうか。

僕は少女が哀れに思えてきた。
何を思ったか、家に連れ帰って保護することにした。

濡れた体にそっと触る―――いちおう変なところには触れないように。

. ∧ ∧
ξ#゚听)ξ「触るな!!」

ガリッ!

引っ掻かれた。
僕の手の甲に赤い筋が浮かぶ。

256 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/27(土) 02:18:23.90 ID:OJTVOa5d0
僕は微笑む。

( ^ω^)「辛かっただろうお。寂しかっただろうお」

少女は一瞬はっと動きを止めた。
が、すぐさま警戒の姿勢に移った。

僕は微笑を止めない。

( ^ω^)「行くところがないのかお?」

. ∧ ∧
ξ゚听)ξ「・・・・・・」

少女は警戒を止めた。
どうやらさほど人間不信に陥ってるわけではないようだった。

. ∧ ∧
ξ゚听)ξ「・・・・・・・うん」

257 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/27(土) 02:18:44.26 ID:OJTVOa5d0
少女は頷いた。
僕は少女の頭を優しく撫でる。

. ∧ ∧
ξ;凵G)ξ「あっ・・・・・・あっ・・・・・・・」

僕は少女を優しく抱きしめる。
少女は肩を震わせてる。
雨粒に混じって、瞳から大粒の涙を流した。

( ^ω^)「何にもないけどブーンの家に来るといいお。実はブーンも一人で寂しかったお」

不思議と、この少女の前だと心の奥底に隠していたものが出てきてしまう。
感情や優しさなど、とうの昔に捨て去った―――そう思っていた。

( っω;)「お・・・・、ブーン、何言ってるんだお。ちょっと恥ずかしいお」

僕の目から、もう流すことはないだろうと思っていた涙が頬を伝った

258 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/27(土) 02:19:07.26 ID:OJTVOa5d0
( ^ω^)「あはは・・・ごめんだお。君、名前はあるかお?」

. ∧ ∧
ξ゚听)ξ「・・・・・ツン」

少女―――ツンは答えた。
ツンの顔が明るく輝いてるように見えた。

( ^ω^)「お・・・晴れたお」

太陽が雲の端から再び顔を覗かせる。
暖かい光がツンを包む。
僕は久しく太陽というものを見ていなかった。
ああ、こんなに眩しいものだっけ・・・。

( ^ω^)「それじゃツン、行こうかお」

. ∧ ∧
ξ゚听)ξ「うん」

259 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/27(土) 02:19:24.26 ID:OJTVOa5d0
僕はツンの手をとり、歩調を合わせて家路をたどる。
ツンは時折、猫耳をぴこぴこ動かす。
とても愛らしい。

ツンは尻尾を揺らしながら、少し早歩きで僕について行く。
僕は時折、ツンの顔を覗く。
やはり愛らしい。


僕はツンと一緒の生活を送る。
たまにケンカしたり、でもすぐに仲直りしたり。
そのために、閉じこもった生活に終止符を打つ。

外に出よう。
ツンのために。
僕のために。


僕とツンの、新しい門出のために。



Fin
inserted by FC2 system