454 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:08:57.13 ID:3MrP72lO0
春も終わろうとしている日の夕方。
夕陽の差し込む校舎3階の教室に、人影が二つ。
('A`)「・・・なぁ、しょぼん」
目の前の机に足を乗せながらマンガを読んでいる男・・・ドクオが、窓の外を眺めている男・・・しょぼんに話しかける。
(´・ω・`)「・・・・・・・」
しょぼんは口を開こうともせず、ただぼんやりと、落ちていく夕陽を眺めていた。
変わらない沈黙が再び流れる。ドクオが何かを言おうとするが・・・何も出てこないようだ、口をパクパクさせている。

数秒・・・いや、数分経っていたかもしれない。ドクオが再び口を開いた。
('A`)「・・・この」

('A`)「この同人誌、エロいぞ」
(´・ω・`)「・・・・・・」
反応がない。当然だろう。
('A`)「ほ、ほらあれだ・・・・・・あの、ふ、ふたなりだぞ!」
そんなドクオの必死で、あまりにも気持ち悪い言葉にもやはり、返事はない。
('A`)「・・・・・・」
押し黙るドクオ。三度、沈黙。

太陽は少し見ただけでは動いていないように見える。
しかし今のしょぼんには、それがみるみるうちに沈んでいくことがはっきりとわかっていた。
それほど彼は、長い間それを見つめ続けていたのだ。
(´・ω・`)「・・・・・・」
不意にしょぼんが身体をくるりと反転させて、廊下に続く扉へと歩き出した。
('A`)「お、おい、しょぼん!」
ドクオは慌ててマンガを放ってしょぼんを追いかける。
丁度廊下と教室の境目で、ドクオはしょぼんの肩を掴んだ。
('A`)「・・・どこ行くんだよ」
(´・ω・`)「俺・・・やっぱり、行くよ」
決意に満ちた表情、しかしどこか悲しそうな表情。

456 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:10:19.90 ID:3MrP72lO0
('A`)「やめとけ・・・」
ドクオが重く、低い言葉を出す。
(´・ω・`)「・・・・・・」
('A`)「・・・今更どうにもならねえよ、遅いんだ」
(´・ω・`)「それでも・・・」

5月26日 金曜日
ドクオとしょぼんがブーンと関わらなくなって半月が経った。

ブーンはいじめに遭っていた。多分、大した理由はない。
だがそれは日に日にエスカレートし・・・ついに
彼はクラスの大半の生徒に無視され、女子にはゴミ扱いされ、そして、不良の恰好の餌となってしまっていた。
そんな時でも、ドクオとしょぼんだけは、いつもブーンの味方だった。友達、だったから。
しかし、そんなある時、二人は不良のリーダーに呼び出された
・・・
・・


ーーー半月前ーーー
<ヽ`∀´> 「お前ら」
いかにも頭の悪そうな男が偉そうに、口を開く。
しょぼんとドクオはその男とその他数人の不良に囲まれていた。
呼び出されるとはすなわち、そういうことである。
果てに待つのはリンチか脅しか・・・

<ヽ`∀´> 「ブーンの奴とは仲がいいのかニダ?」
('A`)「・・・はぁ、まぁ一応」
<ヽ`∀´> 「ほぅ・・・」
気味の悪い笑みを浮かべ、その男、ニダーは頷いた。

458 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:11:22.11 ID:3MrP72lO0
(´・ω・`)「・・・・・・」
<ヽ`∀´> 「お前らは鬱陶しいニダ」
('A`)「・・・・・・」
<ヽ`∀´> 「黙って見ていればいいものをいっつもいっつもシャリシャリ出てきて・・・さすがに温厚なこの俺も怒るニダ」
(´・ω・`)「でもブーンは俺の友だ」
<ヽ`∀´> 「黙れニダ!」
(´・ω・`)「!」
<ヽ`∀´> 「ト・モ・ダ・チ?なーにふざけたことほざいてるニダ?これだからお前らみたいな糞ガキはウザいニダ」
その言葉と共に周囲から起こる嘲笑・・・
('A`)「・・・・・・」
<ヽ`∀´> 「とにかく、これからはブーンとは関わるなニダ」
(´・ω・`)「そんな」
<ヽ`∀´> 「もし関わったら」
周囲の不良が二人ににじりよる。
<ヽ`∀´> 「お前らもまとめてリンチしてやるニダ」
('A`)「・・・・・・」
(´・ω・`)「でも・・・」
('A`)「・・・わかりましたよ」
(´・ω・`)「!ドクオ・・・」
<ヽ`∀´> 「ほう・・・糞ガキの割には物分りがいいニダ。そこだけは褒めてやるニダ」
('A`)「・・・・・・」
<ヽ`∀´> 「じゃあ今日はこれで帰っていいニダ・・・あぁ」

<ヽ`∀´> 「持ってる金は全部、置いていくニダ」
('A`)「・・・・・・」
・・・・・・
・・・

そんな、半月前の出来事。
しょぼんも、ドクオも・・・当然のごとく、悔やんでいた。

459 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:12:23.93 ID:3MrP72lO0
(´・ω・`)「あの時・・・俺達はずっとブーンの味方だって言ってたら、どうなってたかな」
薄暗い教室で、しょぼんは吐き捨てる。
('A`)「・・・・・・でも、あの時ああ言わなかったら今度は俺らも」
(´・ω・`)「わかってるよ・・・わかって・・・るんだ・・・でも・・・」
あの時の決断の元に、今までの時間が流れたのは事実。あの言葉通り、あれ以降ブーンに関わらなくなったのも、事実。
ブーンは何も言わなかった。ただ、哀しそうだった。

('A`)「・・・ッ!」
舌打ちと共に、ドクオはそばにあった机を蹴り飛ばした。
大きな音を立て、机が他の机や椅子を巻き込みながら鈍く転がる。
(´・ω・`)「・・・行くよ、俺は」
もう一度、しょぼんは言った。強く、はっきりと。
('A`)「だから今更助けるのは無理d」
(´・ω・`)「いや・・・」
('A`)「?」
(´・ω・`)「少しだけ、いい方法があるんだ」
・・・それは、少し狂ってて、少し優しい方法。

ーーー某所 路地裏ーーー
<ヽ`∀´> 「おい、今日はこれだけニダ?」
ニダーが壁を背に、傷だらけでへたりこんでいるブーンの前に、数枚の札束をちらつかせる。
( ;ω;)「そ、も、もう、それ・・・」
<ヽ`∀´> 「あぁ!?ちゃんと喋れニダ!」
どもるブーンの腹に蹴りを入れるニダー・・・
( ゜ω゜)「んぐっ・・・えほっ・・・げほっ・・・」
もはや体勢を立て直すことすらできず、ブーンは幾度も咳をする。
<ヽ`∀´> 「最近減る一方ニダ・・・でもまぁ今日のところは許してやるニダ。でも」
さらに蹴りつけるニダー。ブーンはその場に倒れこむ。そのブーンを今度は背中から踏みつけるニダー。
( ゜ω゜)「も・・・えほっ・・・や、め・・・」
<ヽ`∀´> 「これ以上減らしたら承知しないニダ!」

460 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:13:27.62 ID:3MrP72lO0
ξ゚听)ξ「ニダーくん、もーいーじゃん、さっさと遊びにいこーよー」
ニダーの隣に立っているいかにも遊んでいそうな女がけだるい声で言った。
<ヽ`∀´> 「・・・ん、そうするニダ」
そう答えてニダーは、捨て台詞代わりにブーンに唾を吐きかけ、他の不良とともに意気揚々と去っていった。
後に残されたのは、見るも無残なブーンの姿だけ・・・
他には、誰もいない。
・・・
・・

ーーー路上ーーー
しょぼんとドクオはブーンを探して歩いていた。
・・・大体の見当は、ついていた。
('A`)「なぁ、どうするつもりなんだ?しょぼん。どうやってブーンを・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・」

(´・ω・`)「俺達はずっと友達だ・・・なんて、今更俺が言ったらダメかな」
('A`)「・・・?」
(´・ω・`)「友達が困ってるのを俺達は今まで見過ごしてきた・・・見てる、だけだった」

(´・ω・`)「でも俺達には・・・あいつを助ける手段は、ないんだ」
('A`)「・・・!・・・お前・・・」
(´・ω・`)「たった一つを、のぞいてね」
('A`)「アホぬかせ!」
(´・ω・`)「・・・俺達はずっと、友達、なんだよ」
しょぼんはドクオに見えないように、制服のポケットの中の、ナイフを握り締めた。
(´・ω・`)(ずっと・・・)

461 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:14:10.36 ID:3MrP72lO0
ーーー路地裏ーーー
( ;ω;)「う・・・ぅ・・・」
うめき声を上げ、苦しみ、地面を転がるブーン。傍には誰もいない。
( ;ω;)(僕は・・・僕はもう・・・)
その時。
ふと、地面からのびる雑草が彼の目に入った。
何気なく、それに弱々しく手を伸ばし、ゆっくりと掴む。
( ;ω;)(・・・あぁ・・・)
その直後、ブーンの目からそれまで以上の涙が溢れた。
( ;ω;)(僕はこんな草なんかよりも弱いんだお・・・)

( ;ω;)(今まで頑張ってきたけどやっぱり・・・)

( ;ω;)(やっぱり僕なんかに、生きる価値はないんだお・・・)

(´・ω・`)「ブーン!」
突如、救いの声。

( ;ω;)「・・・?しょ・・・」
(´・ω・`)「ブーン・・・」
倒れたままのブーンの目の前に、しょぼんが現れたのだ。
彼は中腰になって、ブーンを見下ろす。
その後ろには、拳を握り締めている、ドクオ。

( ;ω;)「しょ・・・ぼん・・・」
(´・ω・`)「ごめん・・・ブーン・・・俺、逃げてた・・・」
( ;ω;)「・・・・・・」
(´・ω・`)「大切な友達を見捨てて・・・逃げてたよ」
( ;ω;)「・・・ううん・・・気に、しないでくれだお・・・」
('A`)「・・・・・・・」

462 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:15:35.01 ID:3MrP72lO0
(´・ω・`)「ねぇ、ブーン・・・俺は君に、何ができるかな・・・今更、だけど」
それは
生きる価値がないと悟った者への、残酷な問いかけ。

( ;ω;)「・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・」
しかし彼は、涙目のまま、笑った。

( ^ω^)「・・・こ・・・」
('A`)「!」
(´・ω・`)「・・・・・・」
( ^ω^)「ころして・・・くれだ・・・お・・・」
('A`)「おいブーン!」
(´・ω・`)「わかったよ」
しょぼんは頷く。そういわれると、わかっていたかのように。
('A`)(しょぼん・・・推測・・・してたのか・・・?)
その哀しい偶然は、本当の偶然なのか、作為的な偶然なのか・・・多分、誰にもわからない。
しょぼんはポケットからナイフを取り出し、ブーンの背中の上でかまえる。

( ^ω^)「・・・ありが・・・とう・・・だお・・・」

(´・ω・`)「・・・!」
彼は一気に、ナイフを振り下ろした。

血が飛び散る・・・

ブーンは一瞬にして、息絶えた。

463 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/25(木) 02:16:08.16 ID:3MrP72lO0
(´・ω・`)「・・・・・・・」
('A`)「・・・ちきしょぉ!」
ドクオはそばの壁を殴りつける。
(´・ω・`)「これで・・・・・・・・・」

しょぼんの目に、涙がたまる

(´・ω・`)「ねぇ、ドクオ」
('A`)「・・・・・・」
(´・ω・`)「僕も、死んだほうがいいかなあ・・・?」

彼の寂しい問いかけに答える者は、いなかった。


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