562 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/10/04(水) 20:29:23.58 ID:7pQBSzTKO
('A`)「・・・・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・・」

('A`)「・・・・なぁショボン」

(´・ω・`)「・・・・なんだい?」

('A`)「なんでだよ・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・」

(;A;)「なんであいつらがこんな目に会うんだよ・・・・」

暗い廊下に置いてある長椅子にドクオとショボンは座っていた。

時刻は夜の8時。

夜の病院内にドクオの小さな、しかし強くて悲しい声が響きわたる。

(;A;)「ブーン・・・・・ツン・・・・死ぬんじゃねぇぞ・・・・」


564 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/10/04(水) 20:30:54.94 ID:7pQBSzTKO
ブーンとツン。
2人は交通事故に巻き込まれてしまった。

しかも婚約をしたその日に。

ブーンはツンと高校の時から2年以上もの間付き合っており20歳になった今年に2人は婚約を交わした。

しかしそんな大切な日に2人は悲惨な事故にあってしまったのだ。

('A`)「くそっ・・・・俺たちは・・・・ただ待ってるだけしか出来ないのかよ・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・・」

(´・ω・`)「大丈夫だよ・・・」

('A`)「・・・・・・・・」

(´・ω・`)「あの2人なら大丈夫さ。絶対に」


566 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/10/04(水) 20:32:10.80 ID:7pQBSzTKO
('A`)「あぁ・・・・そうだな・・・あいつらなら・・・大丈夫だ・・・」

(´・ω・`)「大丈夫さ・・・」

手術が始まり既に4時間が経過していた。

遅いな、と2人が思った時に手術室の扉が開き2人の手術を担当したと思われる人物が出てきた。

/ ,’3「あなた方は・・・2人の付き添い人かね?」

('A`)「は・・・はい・・・・あの・・・・2人は・・・?」

/ ,’3「うむ・・・・落ち着いて・・・・聞いてくれるかな・・・?」

('A`)「はい・・・」

(´・ω・`)「わかりました」


568 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/10/04(水) 20:33:41.17 ID:7pQBSzTKO
/ ,’3「女性の方は一命を取り留めることが出来た。今は薬で眠っている」

('A`)「女性の方・・は・・?」

/ ,’3「・・・実に言いにくいんだが・・・・男性の方は・・・息を引き取った・・・」

('A`)「!?」

(´・ω・`)「ブーン・・・・」

荒巻という名札をつけた医師は冷静に、だが悲しそうに話を続ける。

/ ,’3「病院に運ばれた時に男性の方は微かにだが意識はあった」

/ ,’3「私と目があった時、彼は私にこう告げたんだよ」

−−僕の体はどうなってもいいお。でもツンだけは・・・ツンだけは助けて欲しいお。
血も臓器も・・・・全てツンに使ってもかまわないお・・

569 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/10/04(水) 20:35:21.57 ID:7pQBSzTKO
これがブーンの最後の言葉だったと荒巻は言う。

/ ,’3「彼は・・・・笑っていたよ・・・血まみれになり・・・体中痛々しいながらも・・・・ね」

(´・ω・`)「ブーン・・・・らしいね」

('A`)「あぁ・・・あいつは・・・昔から自分よりも人の為に尽くすやつだったもんな・・・・」
荒巻は2人の様子を見ながら話を続ける。

/ ,’3「彼女の方は心臓に少し異常が出てしまってね・・・」

/ ,’3「ドナーの方も見つからなかった・・・だから・・・・」

('A`)「ブーンの心臓を・・・使ったんですか・・・?」

570 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/10/04(水) 20:37:27.29 ID:7pQBSzTKO
荒巻が言う前にドクオが先に言った。
その通りと言わんばかりと涙目の荒巻は頷く。

/ ,’3「彼の・・・遺志通り・・・彼女の体へ使わせてもらったよ・・・・」

('A`)「あいつが・・・望んだことですからね・・・」

(´・ω・`)「ツンは・・・助かるんですか・・・?」

/ ,’3「先程も言った通り今は眠っている」

/ ,’3「彼のおかげで彼女は生きることが出来たんだ」

それから1週間後。
ツンは長い眠りから目を覚ました。

荒巻の好意によりツンと親しき仲であるドクオとショボンに全てを託した。


571 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/10/04(水) 20:39:06.22 ID:7pQBSzTKO
ツンは2人から話を聞いて泣き叫んだ。
涙が枯れるくらいツンは泣いた。

('A`)「なぁツン・・・お前は・・・ブーンのおかげで今を生きられてるんだ・・・」

('A`)「ブーンから貰ったその命・・・大切にしろよ」

ツンはドクオの言葉を聞き涙目ながらも笑みをこぼした。

「ブーンが私の中に居る・・・・死ぬまで一緒だね」と小さく囁きながら。

カーテンの隙間から注ぎ込む光に照らされたツンの姿は痛々しいながらも以前より綺麗に見えた・・・・
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