892 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/27(水) 16:18:44.19 ID:0tv9U6YN0
川 ゚ -゚)=3「はぁ……」

私の名前はクー。恐竜博物館の従業員だ
つい二週間ほど前に、私は階段から転げ落ち、靭帯を損傷してしまった

なんだかついていない。これが最近の私の気持ちだ
大学を卒業し、博物館の仕事に就けたところまでは順調だった

しかし、そこからがおかしい。やることなすこと全てがうまくいかない
そんなことを考えながら、今私は病室で横になっている

足にはギブスをつけられ、固定されている
あまりに不自由で、なんだか笑いたいくらいだ

病室の窓から見える夕焼け空がやけに美しい
そんな時、一人の男が部屋に入ってきた

893 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/27(水) 16:20:29.60 ID:0tv9U6YN0
(ガチャ)

('A`)「うぃ〜す」

痩せこけた体に、ブカブカの服……そう、こいつはドクオ
大学時代の友人だ

川 ゚ -゚)「何の用だ?」
('A`)「いやいや、お前がケガしたって聞いたからさ。
    はい、これお前の好きな洋ナシ」

ドクオは手提げの紙袋を見せ、中のナシを見せてくれた
うう…うまそうだ……ジュルリ

川;゚ -゚)「うう……離れろ……」
('A`)「どうした?」

川;゚ -゚)「邪気眼が暴走するぞ……」
('∀`)「へっ、そうしたら俺はハイパークロックアップしてやるぜ」

こいつはつくづく冗談てやつをわかってない。ボッシュートだぞ、お前

894 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/27(水) 16:21:37.12 ID:0tv9U6YN0
川 ゚ -゚)「……まぁいい。早くその洋ナシを剥いてくれ」
('∀`)「へいへい」

ドクオが剥いている間、私はTVを点ける。ドクオの皮むきなんて見る気もないからな
しかし、TVはつまらない再放送ばかりだ

諦めて私は皮むきを見る事にした

('A`)「うぇえ……怖いよぅ……」

やっぱりこいつはスッとろいな。昔からだ
お前はナシ一つ剥けないのか、ったく……

川;゚ -゚)「おいおい、実まで削いでるぞ」
(;'A`)「スンマセン、俺ヘタクソでして」

私は助けるのも面倒なので、そのまま見ることにした
相当長い時間が経って、ようやく剥けたようだ

896 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/27(水) 16:22:40.93 ID:0tv9U6YN0
('∀`)「イエー!できたぜ」

差し出してきたナシは、汁が漏れて滴っていた
汚い……ベッドに垂れてるじゃあないか

川 ゚ -゚)「……これを…私が食べろと?」
('∀`)「うん」

なんだか殴りたくなってきた。もっとスキル身につけてこいよ
でも、なんだかほんわかした感情もあった

そう、嬉しいんだ

川 ゚ -゚)「……正直汚いが、まぁいいだろう」

パクッ、と一口。シャクシャクした舌触りが心地よい
それでいて、クセのない味。これはただの洋ナシじゃあないな?

川 ゚ -゚)「うむ、うまい。見た目はともかくだが」
('∀`)「だろ〜。必死においしそうなの選んできたんだぜ?」

正直( ´_ゝ`)フーンな気持ちだが、不思議と悪くないな

898 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/27(水) 16:23:47.17 ID:0tv9U6YN0
川 ゚ ー゚)「……ありがとな」
('∀`)「いえいえ」

外はもう夜になっていた
秋の空気は気持ちいい。食欲も進むしな
私達はナシを食べながら空を見ていた
晴れた日の夜はキレイだな。星もキラキラ輝いている

('A`)「まぁなんだ……ケガ治せよな」
川 ゚ -゚)「ああ、そうするよ」

これもいい機会だ。のんびり休んで気分を変えよう

川 ゚ -゚)「ドクオ……」
('A`)「なんだ?」


川 ゚ ー゚)「次は青みかんを頼む」

(;'A`)「お前食いしん坊だな……」

秋の夜の一時。皆さんはどう過ごしているのかな?

おしまい
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