- 520 ブーンが小学生のようです投下 New! 2006/09/11(月) 15:58:56.57 ID:1vGoQzTP0
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J('ー`)し「ブーン、もう学校いく時間でしょ! 早く行きなさい」
( ^ω^)「…うん」
僕は思い体を上げて、ランドセルを持って一階に降りた。
J('ー`)し「ブーンももう5年生なんだから一人でおきれるようにならないとね?」
別に起きれないわけじゃない
――起きたくないんだよ。
( ^ω^)「行ってきます…」
J('ー`)し「はい、いってらっしゃい」
ランドセルをしょって小学校へ向かった。
ズル休みしようかと昨晩、夜遅くまで悩んだが
休んだら次の日が恐いので休むことはできなかった…
- 521 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:01:58.13 ID:1vGoQzTP0
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ザワザワ…ヒソヒソ…
僕は深呼吸してから1−3の扉を開ける
瞬間、音が止み、ヒソヒソと話をしていた同級生が
すぐにこちらに視線を向ける。
( ^ω^)「おいすー…」
ざわざわ…ヒソヒソ…
再び教室はざわめきを取り戻した
僕は自分の席へと行き、ランドセルを下ろした。
- 524 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:08:02.22 ID:1vGoQzTP0
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('A`)「おっすブーン」
( ^ω^)「おいすー…」
ドクオは僕のただ一人の友人だ。
集団行動のときはいつも二人で行動を共にする。
('A`)「どうしたよ。いつにもましてブルーだな」
( ^ω^)「宿題全部できなかったんですお…」
('A`)「ま、まじかよ…やべえよそれ」
( ^ω^)「仮病で休もうと考えたお。でもそんなことしたら――」
不意に教室のドアを開ける音がした。
ざわめいた教室が再び静まる。
コツ、コツ、コツ
靴の音だけが鳴り響き、クラスにいる全員が下を向いていた。
(´・ω・`)「…」
教壇に立った1−3の担任であるショボン先生は、何も言わずに辺りを見回した
- 526 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:13:16.04 ID:1vGoQzTP0
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重い沈黙――
不意にショボン先生は口を開いた
(´・ω・`)「あー、なんだね」
(´・ω・`)「私は誤って、動物園にきてしまったのかな?」
コツ、コツ、コツ――
ショボン先生は静かに指で机を叩いた
(´・ω・`)「長岡」
( ゚∀゚)「は、はい」
ガタリ、とクラス委員の長岡が席から立った。
(´・ω・`)「私、廊下を歩いてきたんだけどね」
(´・ω・`)「どうにも醜い声が、聞こえたのだよ?」
ショボン先生は静かに長岡の目の前に来た。
(´・ω・`)「クラス委員っていうのは、名前だけかな? 長岡」
- 528 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:17:13.84 ID:1vGoQzTP0
- (;゚∀゚)「あ…その…」
長岡の肩は小刻みに震えていた。
ショボン先生は静かに「ふむ」と言うと教壇へ戻った。
(´・ω・`)「赤王」
「はい」
(´・ω・`)「飯田」
「はい」
長岡を立たせたまま、ショボン先生は出席を取り始める。
30人の中、一人たっている長岡はただ、滑稽な晒し者の人形のように
行き場の無い視線を宙に浮かせていた
- 531 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:20:47.68 ID:1vGoQzTP0
- (´・ω・`)「長岡…は欠席か」
(´・ω・`)「沼田」
「は、はい…」
先生はまるでそこが空席であるかのように長岡を抜かし、
そのまま出席を取り続けた。
(´・ω・`)「…はい、今日は長岡以外見んなきてるな」
(;゚∀゚)「あ、あの先生…」
長岡は蚊のように小さな声でつぶやいた。
ショボン先生はすっ、と視線を長岡の方へ向ける
(´・ω・`)「君は、誰だい?」
冷たい、突き放すような口調で長岡の存在は消された
- 534 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:24:47.69 ID:1vGoQzTP0
- (;゚∀゚)「長岡です…」
(´・ω・`)「長岡? 長岡なら今日は休みだよ」
そう言うとショボン先生は出席簿を静かに閉じた。
(;゚∀゚)「あ、あの! どういうことかよくわからないんですが…」
(´・ω・`)「クラスを静かに待機させておくべきクラス委員の長岡は今日は休みのようだな」
(´・ω・`)「それじゃ、1時間目始まるから用意しといてね。あ、君はもう帰っていいよ」
そういうとショボン先生は静かに教室を出て行った。
長岡の存在は今日一日消された――
クラス中の誰もが長岡に同情すると共に、自分が対象にならずにすんだことに安心していた。
- 546 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:32:00.26 ID:1vGoQzTP0
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1時間目 体育
(´・ω・`)「そろそろ本気で走ってくれないか? みんな迷惑してるんだよ」
そう、ショボン先生は息を切らしている内藤に言い放った。
(;^ω^)「フッ…フッ…フヒュウ…」
肩で息をする内藤は返事をする余裕も無く、ただ一心に脳に酸素を送り続ける。
そんな様子を29人のクラスメイトは体育座りをしながら見ていた。
(´・ω・`)「君だけだよ。50メートル10秒切れないのは。ほら、そろそろ本気で走ってきなよ」
( ^ω^)「ヒュッ…フゥ…! む、りです…ヒュッ…フゥ…」
(´・ω・`)「みんな内藤が終わるまでずっと待ってるんだよ? 途中で諦めるのは失礼じゃないか」
( ^ω^)「ヒュッ…フゥ…! 」
よたよたと内藤はスタートラインに戻っていき、50メートルを走った。
完全に疲労しきった足はすぐにもつれ、何度も転がり、ゴールするのがやっとの状態であった
- 555 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:36:08.30 ID:1vGoQzTP0
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(´・ω・`)「はい、20秒。もう一回」
(;^ω^)「ヒュッ…フゥ…ハッ…!!」
内藤はその場にぺたん、と座り込んでしまった。
クラスメイトはただ、じっと下を向いて黙っている。
キーンコーンカーンコーン…
(´・ω・`)「あ、チャイムなったね。はい終わりです。みんな教室戻って」
(;^ω^)「ヒュッ…フゥ…!」
内藤は矛盾――、いや、小学生の彼には何かがおかしいと感じていたのだ。
さっき言ってたことと何かが違う。
しかし、彼の酸欠寸前の頭ではそれ以上のことを考える余地は無かった
- 559 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:40:58.98 ID:1vGoQzTP0
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('A`)「大丈夫か、保健室行くか?」
内藤はドクオに担がれてトイレに行き、朝ご飯を全て戻した。
(;^ω^)「大丈夫…ですお。早くいかないと遅刻で怒られるお…」
('A`)「無茶すんなって。ほら、肩かしてやるから」
(;^ω^)「すまねえお…」
ドクオに肩を任せながら教室までたどり着いたが、中からはすでにショボン先生の声が聞こえた。
(;^ω^)「まだチャイムなってないのになんでいるんだお…?」
(;'A`)「わ、わからねえ。とにかく遅れた訳を話すしかないよな…」
ドクオは震えた手で教室のドアを開けた
- 561 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/11(月) 16:44:21.61 ID:1vGoQzTP0
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――人間には、誰しも心に悪という部分を持っている
要は、それに蓋がされているかいないかの差である。
その蓋に隙間が出来てしまう原因、それは主に子供時代の虐待などが思い浮かぶだろう。
だが、初めから蓋のない人間を、私達は「絶対悪」と呼んでいる。
( ^ω^)ブーンが小学生のようです 練習投下終了