477 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/08(金) 18:04:02.88 ID:McpdgJOiO
平安の世の頃、京の都に一人の女が住んでいた。
女には一人の娘がいた。
女は娘を大層可愛がったが、娘が十を過ぎた頃重い病に苛まれた。
女は娘を助けたい一心で占い師に助けを求めた。
当時、医学が発達していない世では病は魑魅魍魎の仕業とされ、病を治すのは占い師の仕事とされていた。
占い師は女に「娘に胎児の生肝を食わせれば治る」と言った。

女は娘の病気を治すために旅に出る事を決意する。

川 ; -;)「私は必ず貴女の病気を治してみせます。この御守りを肌身離さず持っていなさい。」
ξ;;)ξ「解りました。私は母様のお帰りをお待ちしております。」

478 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/08(金) 18:06:16.77 ID:McpdgJOiO
女は娘に再会の約束にと御守りを渡し、一人旅立ったのである。

女は長い旅路の果てに陸奥は安達ヶ原(現在の福島県、福島市と郡山市の中間に位置する)へとたどり着いた。

そして幾年月が流れ、女の庵に一組の若い夫婦が訪れた。
人探しをして旅をしていると言う夫婦の妻は身籠っていた。
旅の途中ならば行方不明となっても不思議な事はない。女はこの妻の腹の子を奪う事を決心する。

夫に薪を取って来て欲しい、と外に出かけさせ、その隙に女は妻へと襲いかかった。
心を鬼と変え、妻へと執拗に包丁を突き立てる女。
妻は息も絶え絶えに女へと語りかけた。

480 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/08(金) 18:08:53.22 ID:McpdgJOiO
ξ゚听)ξ「私は一度病で死ぬ筈だった身。死ぬことは怖くはありません。
     けれど、私の病を治すため旅立った母に会えなかったのが唯一の心残りで御座います。」

妻はそう話すと懐からくたびれた御守りを取り出した。
それは間違いなく女が娘へと送った御守りであった。
女は絶叫し立ち尽くした。
娘の病はとうの昔に治っており、自分が殺した若い妻こそがその最愛の娘だったのである。

薪を取りに出ていた夫が帰って来たとき見たものは、腹を裂かれた妻と立ち竦む女の姿であった。

川 ゚д゚ )「見ーたーなー!!!」

481 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/08(金) 18:10:29.03 ID:McpdgJOiO
女は、腰が抜けて動けない夫へと飛びかかり腹を裂き、臓物を食らった。
心が壊れた女は、憐れ本物の鬼へと変わり果ててしまったのである。

それ以後も女は泊まりに来た旅人の腹を裂いては臓物を食らっていた。

ある日旅の途中の名高い僧が安達ヶ原を通りかかった。

( ^ω^)「うはwww家ハケーンwww泊まらせてもらうおwww」

( ^ω^)「サーセンwww一晩宿を貸してチョンマゲwww」
川 ゚ -゚)「ええ、よろしいですよ。けれど奥の部屋だけは絶対に覗かないで下さいませ。」
( ^ω^)「熟女に興味はないおwww」

483 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/08(金) 18:12:57.97 ID:McpdgJOiO
宿を借りた僧であったが、その夜、奥の部屋から物音が聞こえ目を覚ました。

( ^ω^)「何かうっせーお。ばーさんには覗くなって言われたけどそんなこと知らないお。」

僧はこっそりと襖の間から部屋を覗き込んだ。
そこには、角を生やし、目を血走らせ一心に包丁を研ぐ鬼婆の姿があった。

( ゚ω゚)「モルスァ!!!」

南無三。ここは鬼の住みかであったか。
焦る僧は必死に逃げようとするが、奥の鬼と目があってしまった。

川 ゚д゚ )「見ーたーなー!!!」

484 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/09/08(金) 18:14:32.48 ID:McpdgJOiO
( ^ω^)「うるせーwwwこっち見んなwww」

必死の思いで逃げ出した僧であったが、鬼婆は包丁を振りかざし追いかけてきた。

( ^ω^)「やべぇwww死ぬwww御釈迦様助けてチョンマゲwww」

僧が経を唱えると、漆黒の空から一本の光の矢が現れ、鬼婆の喉元を貫いた。

( ^ω^)「そっかー。このばーさんも可哀想な人だったんだお。」

倒れ伏した鬼婆の霊の声を聞き、僧は塚を作り女の霊を供養してやったそうな。


尚、今現在でも安達ヶ原を訪ねるとこの塚、『黒塚』を見学することができます。


有料で(実話)
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