629 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:11:57.22 ID:a6wIzoy3O
('A`)RainMemory


カチン、カチン
ライターを何度も弄るが火がつかねぇ

('A`)「だから雨は嫌いなんだ」
俺は窓のにつたう雨を見てソファーに寝転んだ

631 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:13:01.58 ID:a6wIzoy3O
俺の名はドクオ。特に定職にも就かずに金が無くなりゃ稼ぎに行く。
そんな毎日を過ごしている
前貰ったマッチどこ行ったかな・・
右手を伸ばしテーブルを探る。が中々見つからねぇ

('A`)「シケた日だ」

こんな日は寝るに限る
そう思った時だった

634 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:15:44.68 ID:a6wIzoy3O
ガチャ。ガチャ、ガチャ

ξ゚听)ξ「ドクオ、居るんでしょ?開けなさいよ」
ドアの外から招かれざる客が声を張り上げる

めんどくせぇな

('A`)「ちょっと持ち上げながら押してみろよ」

女は俺の言葉通りドアを持ち上げながら押した

ガチャリと開いた音がした
ξ゚听)ξ「いい加減改装でもしたら?」

そう言いながら俺が寝ているソファーに腰掛ける

やっぱ今日は厄日だな

その女を見つめながら心からそう思った

638 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:26:03.56 ID:a6wIzoy3O
ξ゚听)ξ「あんたに良い仕事持ってきてあげたわよ」

俺の頭を軽く叩きながら話し掛ける
正直今日は働く気がねーんだけど

そんな俺の気を知ってか知らずか内容を話し出す

ξ゚听)ξ「犬探しよ」

('A`)「犬ぅ??俺は動物が大嫌いなんだよ!ツン、ふざけてんのか」

思わず叫んでしまった

641 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:27:49.16 ID:a6wIzoy3O
コイツとは結構長い付き合いだ。ある依頼をきっかけに知り合ったんだが何かと寄ってくる

まぁ俺は腕は確かだが口下手、ツンは口は上手いが腕の方はからきしだ。

お互いの利害が一致したって事だな

でも俺はツンのずうずうしさが大の苦手だ

653 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:39:20.13 ID:a6wIzoy3O
ξ゚听)ξ「いいじゃない。見た所ロクにご飯も食べて無いんでしょ?」

ツンは手に持った書類を俺の前に差し出す

ξ゚听)ξ「これが犬種と特徴ね」

('A`)「報酬はなんだよ」

受けたくねーけど煙草くらいは買いたい、しょうがねぇ

ξ゚听)ξ「20万、仲介料として半分は貰うわ」

ξ゚听)ξ「20万、仲介料として半分は貰うわ」

657 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:41:06.52 ID:a6wIzoy3O
ξ゚听)ξ「20万、仲介料として半分は貰うわ」

は、半分?そりゃぼったくり過ぎだぜ

('A`)「俺が7、お前は3。じゃなきゃ受ける気はねぇ」

俺がそう言うと女は笑顔で答えた

ξ゚ー゚)ξ「交渉成立ね」

665 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 01:58:46.50 ID:a6wIzoy3O
俺はソファーから起き上がると仕事着である黒のトレンチコートに袖を通した

別にこの服って決められてる訳じゃ無い。ただこれが1番落ち着くから仕事着にしている

('A`)「俺が出てる間部屋ん中漁るなよ」

ξ゚ー゚)ξ「いってらっしゃーい」

コイツは絶対漁るな。そう確信して家を出た

667 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 02:00:01.20 ID:a6wIzoy3O
('A`)「雨の日は今度から居留守すっかな」

俺はコートの襟を立てポケットに手を突っ込み小雨の中に歩き出す



ポケットになんか入ってんな

左手でその何かを取り出した

('A`)「マッチ・・」

こんな所にあったのかよ・・・

669 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/09/02(土) 02:04:09.94 ID:a6wIzoy3O
俺は煙草を一本取り出し口にくわえる

左手で雨を防ぎ右手でマッチの先を擦り火を付けた

ゆっくりと煙草の先にその火を近づける

つかない

煙草は雨のせいでシケって火がつかなかった

('A`)「・・・だから雨は嫌いなんだ」

ドクオはそう愚痴ると犬を探しに雨の街角へと消えて行った


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