744 ブーンがヴァンツァーに乗るようです New! 2006/09/05(火) 09:03:14.59 ID:W+7u/j6hO
computer check...

body clear_
arm clear_
leg clear_

auto sight clear_
check OK_

aramaki industries_
type_112 TASHIRO_
(  )「機体のチェックOK、パイロットネームとコードを入力してくれ」
( )「了解」

『pilot name:naitou horizon
code:boon』

『input...OK』

( )「OK、起動した。
ブーン、まずはヴァンツァーを動かしてくれ」
( ^ω^)「分かりましたお」

僕は指示されたポイントまでヴァンツァーを動かす。
ヴァンツァーと言うのは、「ヴァンダー・パンツァー」の略で、『二足歩行戦車』という。
いわゆるロボットだ。
ヴァンツァーは足に付いてるローラー、通称『ローラーダッシュ』で動く。
でこぼこ道だと普通に歩行させるのだが、歩行はバランスを取る技術が要る。
僕は歩行が苦手なのと、ヴァンツァーで出せるスピードが好きで、ついついローラーダッシュを使ってしまう事が多い。


748 ブーンがヴァンツァーに乗るようです New! 2006/09/05(火) 09:08:47.34 ID:W+7u/j6hO
パイロット席に伝わるローラーダッシュの衝撃。
慣れない時はこの揺れに酔ったが、今では気にもならなくなった。
( )「よし、足周りのチェックはおkだ、ブーン、次は手のチェックだ」
( ^ω^)「了解しましたお」
( )「今からヴァンツァーを一体出す、
両手に付いてる武器で撃破してくれ
あ、オートパイロットは非戦闘モードに設定してあるから心配するな」
( ^ω^)「分かりましたお」

僕がいるゲートの反対側のゲートが開き、一体のヴァンツァーが眼前に姿を現した。
( )「ブーン、君の乗っているヴァンツァーにはショットガンとナックルが装備されている、まずはショットガンで攻撃してみてくれ」
( ^ω^)「了解ですお」

僕はローラーダッシュで機体の背後に接近し、振り向きざまにショットガンを放った。

散弾がデク人形みたいに突っ立った機体に衝撃を与え、ダメージを増やしていく。
『まるでいじめだな』
そう思いながら射撃スイッチを押していく。
3回位攻撃した時だろうか、右のアームが吹っ飛び、爆発した。
( )「では次はナックルで攻撃だ」
( ^ω^)「分かりましたお」

僕はローラーダッシュで右腕の無くなった機体に詰めより、勢いを付けて左腕に拳撃を食らわせた。

750 ブーンがヴァンツァーに乗るようです New! 2006/09/05(火) 09:11:08.52 ID:W+7u/j6hO
衝撃波を喰らわぬようにそそくさと僕は後ろに退避した。

( )「よし、全てのチェックおkだ、ブーン―――」

声を掛ける前に男が話に割り込んできた
( ´∀`)「ちょっと待ってくれモナ」
( )「なんですか?モナーさん」

モナーと呼ばれた男はオペレーターの男に話かけた。
( ´∀`)「上から実戦形式でのデータも欲しいと言ってきたモナ
モララー君、頼めるモナ?」
オペレーター、いや、モララーは半ば慌てた様子でモナーに詰め寄った
(;・∀・)「正気ですか!?人が乗ってるんですよ!?」
( ^ω^)「僕なら大丈夫ですお」
(;・∀・)「正気か!?怪我するかもしれないんだぞ!?」
( ^ω^)「大丈夫ですお。
この機体、今までのより全然性能が違いますお。
反応も段違いですお」
( ´∀`)「彼もああ言ってる事だし、やらんかモナ?
それに実戦テストで良い成績が出れば
上はこの機体を正式に採用すると言ってるモナ」
( ・∀・)「なっ……
わかりました、やりましょう」
( ・∀・)「ブーン」
( ^ω^)「何ですお?」
( ・∀・)「いくら旧式の機体と言えども実弾だ、危なくなったらすぐに言ってくれ」
( ^ω^)「分かりましたお」
―――では、テストを開始する。

752 ブーンがヴァンツァーに乗るようです New! 2006/09/05(火) 09:14:44.31 ID:W+7u/j6hO
その言葉の少し後に、僕のいる反対側のゲートからマシンガンを持った機体が近づいてきた。

僕は先ほどと同じようにローラーダッシュで機体の後ろに回りこみ、
機体に散弾を食らわせる。
そして相手の機体がこちらを向き、マシンガンで攻撃してきた。

地を這うように放たれる銃弾。
コクピットから僅かな衝撃と銃弾が機体にぶつかる音が響き渡る。
怯まず僕は近づいてショットガンを撃ち、続け様に右腕のナックルでボディを殴る。

衝撃に耐えきれず相手の脚部が炎上した。

それに憶する事無く相手のマシンガンから銃弾が放たれる。
僕はローラーダッシュで飛び退き、体勢を直してからショットガンを放った
よろける敵機、その隙を付くようにローラーダッシュで回りこみながらショットガンを放つ。
移動しながらの攻撃で照準がブレるが、構わずボディに散弾を叩き込んだ。
その刹那、炎上する機体。

( ・∀・)「ご苦労様、テスト終了だ」
モララーがそう言った後にモナーがブーンに話掛けた。

( ´∀`)「では今からこのデータを本部に転送するモナ、お疲れ様モナ」
( ^ω^)「お疲れ様ですお」


―――西暦2112年、V.C.U.(vip共同連合)日本国、新沖縄
ヴァンダー・パンツァー(通称:ヴァンツァー、WAP)と呼ばれる二足歩行戦車が局地戦闘で戦車に変わる兵器として利用される時代。
この国でもヴァンツァーの開発が民間企業によって進められている。
ブーンはそのヴァンツァーメーカーの一つ、荒巻重工でテストパイロットのバイトを請け負っていた。
これはそんな少年の物語

757 ブーンがヴァンツァーに乗るようです New! 2006/09/05(火) 09:23:42.67 ID:W+7u/j6hO
( ^ω^)「お疲れ様ですお!」
ヴァンツァーから降りた僕は、検査室に入りモララー達に話しかけた。
( ・∀・)「お疲れー」
( ´∀`)「お疲れモナ、ジュースやるモナ」
そう言ってコーラを僕に放り投げた。
( ^ω^)「おわっと!?」
かろうじてキャッチしたコーラを開ける。

プシュ!

―――噴いたよ、チクショウ。
顔に付いたコーラをパイロットスーツで拭きながら、僕はモララーに気になる事を口にしてみた。
( ^ω^)「ところで、あのヴァンツァー見た所強襲用のヴァンツァーみたいですけど、
専守防衛のこの国に必要なんですかお?」

この国では他国への侵略などが憲法で規制されてる故に、
日防軍(今で言う自衛隊のようなもの)の装備は拠点防衛用に装甲が強化されたヴァンツァーが基本なのだ。
( ´∀`)「それは僕が説明するモナ」

( ´∀`)「三年前のカンボジアでの事件は知ってるモナ?」 ( ^ω^)「抵抗もままならないままゲリラの攻撃を喰らって、全滅したあの事件ですかお?」

そう、三年前カンボジアで起きた内戦に平和維持軍として参加した日防軍は
ゲリラの襲撃に遭うも、発砲許可すら降りず全滅。
40名の死者を出した大惨劇となった。


759 ブーンがヴァンツァーに乗るようです New! 2006/09/05(火) 09:26:06.58 ID:W+7u/j6hO
( ´∀`)「そう、あの事件での反省を生かし、日防軍では戦闘に巻き込まれたらその場での戦闘を許可するようになった、
これはその為の装備モナ。」

ちょうど話が切れた所で、タイミング良く検査室のドアが開いた。

( 'A`)「おいすー」
( ^ω^) ・∀・) ´∀`)「「「おいすー」」」
( ^ω^)「ってドクオじゃないかお!?
横浜に居たハズじゃ……
水着のねーちゃんでも見にきたお?」
ドクオは高専に入った時からの親友で、ここのバイトも一緒に受けた。
一緒に合格したドクオは横浜でテストパイロットをしていたハズだが……
('A`)「馬鹿、搬入だよ搬入。
今度の新機体、もう一台持ってこいって言われててな。
あ、モララーさん。
ここにサインお願いします」
そう言って一枚の書類をモララーに手渡した。
( ・∀・)「……おk、これで良いかい?」
('A`)「はい、ありがとうございました」
( ^ω^)「これからカーチャンにお土産買いに行くんだけど行かないかお?」
('A`)「悪いけどまだ仕事なんだよ、悪いな。
次はショッピングモールの方の工事現場に搬入なんだ。
なんだったら着いてくるか?」
ショッピングモールならカーチャンにお土産も買えるし、断る理由も無い。
( ^ω^)「うーん……
そうするお」
僕は着いて行く事に決めた。

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