79 ◆eUdBwL0zGs New! 2006/05/20(土) 22:37:03.71 ID:uTywsrn+0
( ^ω^) 「やあ、今日も元気かお?wwww」

僕は彼女の部屋を訪ねていた。
部屋と言っても病院の個室だけど。

ξ゚听)ξ 「いらっしゃい。……ねぇ、内藤、あたし死ぬのかな?」
(;^ω^) 「なっ、何をいきなり!? 馬鹿な事言っちゃ駄目だお! 君の病気は絶対治るお!」
ξ゚听)ξ 「ありがと。……じゃあさ、来週のクリスマスにあたしを遊園地に連れて行ってよ」
( ^ω^) 「お医者さんの許可でないと無理だお……」
ξ゚听)ξ 「ケチ」

僕は窓際まで行くと、備え付けの椅子に腰を下ろした。

ξ゚听)ξ 「ねえ、窓開けてよ」
(;^ω^) 「ちょwwwwwそれは駄目だおwwwwww」
ξ゚听)ξ 「遊園地行かなくてもいいからさぁ。ねっ」

か細い手を合わせ懇願する彼女を見ていると希望に応えたくなった。

( ^ω^) 「ちょっとだけだお」

そっと窓を開けると、思わず体を縮めてしまう程の冷たい風が南国の病室に冬の到来を告げる。

ξ゚听)ξ 「……気持ちいい」
( ^ω^) 「糞寒いおwwwww」
ξ゚听)ξ 「あっ!」

80 ◆eUdBwL0zGs New! 2006/05/20(土) 22:37:31.89 ID:uTywsrn+0
ξ゚听)ξ 「雪よ、雪」
( ^ω^) 「本当だお。……もう閉めるお」
ξ゚听)ξ 「ああ〜ん、もうちょっとだけ外の空気を味わいたかったなぁ」

ξ゚听)ξ 「ねぇねぇ、雪積もるかな?」
( ^ω^) 「さあ? 積もっても寒いだけだおwwww」
ξ゚听)ξ 「雪だるま作りたいなぁ。雪合戦もしたい」

彼女は僕の存在を無視して、楽しそうに雪を握る動作を熱心に繰り返していた。
痩せ細った顔も、腕も、足も、胸も、すべてが、彼女のすべてが、好きだった。

( ^ω^)「ほらほら、もう寝ないと駄目だお」
ξ゚听)ξ 「ええ〜、まだ昼過ぎじゃない。……そうだ、内藤はクリスマス何が欲しい?」
( ^ω^) 「……何も要らないおwwww」
ξ゚听)ξ 「む〜、つまんない〜。もうちょっとボキャブラリー磨いた方がいいんじゃない?」

大好きな彼女が生きる事。僕にとってはそれが一番のプレゼントだ。

雪はその日の内に雨に変わった。

81 ◆eUdBwL0zGs New! 2006/05/20(土) 22:37:55.19 ID:uTywsrn+0
僕は今、彼女が僕に宛てた手紙を読んでいた。

「親愛なる内藤君へ。あなたがこれを読んでる頃にはあたしはこの世には居ないんでしょうね。
皆はあたしの本当の病名を隠してたけど、いくらなんでも分かるわよね。なんだって自分の体なんだから。
内藤君、ありがと。いきなりなんだって感じかな? あたし、内藤君が居なかったらここまで生きて無かったと思うんだ。
本当は夏頃に死んでたと思う。あなたが居たから生きれたんだよ。
本当にありがとう。あたしより良い彼女見つけて幸せになりなさいよ! 絶対よ!

PS.雪積もらなくて残念だったけど、雨も好きだからいいや」

彼女が逝ってから丁度二年が経って、やっと封を切る事が出来た手紙には彼女の本音が綴られていた。


今日は寒冷前線に感謝しよう。
彼女の大好きな雪をクリスマスに降らせてくれたのだから。
僕は外に出ると小さな雪玉を作って天へと放り投げた。

( ^ω^) 「メリークリスマス」

〜END〜

82 \____________________/ New! 2006/05/20(土) 22:38:15.81 ID:uTywsrn+0
                  ○
                  ο
                  o

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     /                ヽ、   と妄想するブーンであった
    /     /\     /\     ヽ
     l   , , ,                     l
    .|        (_人__丿  """     |
     l                      l
    ` 、  /⌒⌒i   /⌒ヽ        /
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