180 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/21(日) 04:43:56.14 ID:OyoIqPxgO
>>173から


―('A`)の夏の日―


季節は夏
海沿いの街
そよ吹く風は、潮の香り

俺は砂浜に立ち、口ずさむ。

――海は広いな大きいな

('A`)「月は昇るし日は沈む、か」


日が沈んで、月が昇って。
そんな当たり前の毎日が続くと思ってた。

('A`)「失って初めて分かる、ってか」

さよならも言わずに、あいつは――

181 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/21(日) 04:45:22.16 ID:OyoIqPxgO
( ^ω^)「…まだ、忘れてないのかお?」

('A`)「ああ、残念ながら」

いつの間にか隣に来ていた友人に、俺は答えた。

( ^ω^)「アイツが行って…もう一年になるかお」

('A`)「そうだな…」

あの日も、こんな夏の風が吹いていたっけ。

182 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/21(日) 04:46:56.64 ID:OyoIqPxgO
――海にお船を浮かばせて

( ^ω^)「行ってみたいな他所の国、かお…」

('A`)「…一言くらい、なぁ?」

何も言わずに、あいつは行っちまった。
俺達が行けない、他所の国。




プルルルル、プルルルル!

ったく、相変わらず無粋だな、アイツは。

183 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/21(日) 04:48:05.20 ID:OyoIqPxgO
('、`*川「ハローエブリワン、ナイストゥミーチュー♪」

('A`)「うざっ」

('、`*川「ひどいわぁ、久々に彼女が電話したってのに」

('A`)「はいはいワロスワロス」

('、`*川「そろそろ帰るからねー。
     留学も楽じゃないわ」

('A`)「わーったよ。駅前で良いんだよな?」

('、`*川「出迎えご苦

ピッ

( ^ω^)「切っちゃって良かったのかお?」

('A`)「良いんだよ。
    あいつの命日くらいは静かに送らせてくれってんだ」

( ^ω^)「ドクオは母親思いだお」

184 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/21(日) 04:51:03.80 ID:OyoIqPxgO
あいつ――俺のカーチャンは、海で死んだ。
それ以来、親父と一緒に二人三脚で生きて来た。

幸い、可愛い?彼女も出来て、それなりに楽しくやらせてもらってる。


('A`)「さってと、そろそろアイツを迎えに行くとするかね」

( ^ω^)「僕も一緒に行くお!
      実はツンも通い始めたんだお」

('A`)「ほー。しかし本当に役に立つもんなのかね、ノ○oってやつぁ」

( ^ω^)「一年であれじゃあ無駄かもしれないお」

('A`)「だよなぁ…」

185 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/05/21(日) 04:54:53.49 ID:OyoIqPxgO
カーチャンも、天国に留学したみたいなもんかな?
俺が死んだら、きっと会えるだろう。

それまで、少しずつ変わっていく日々を変わらない俺で生きていこう…

('A`)「なんてな」

( ^ω^)「ドクオー!さっさと駅前!しばくぞっ!」

('A`)「はいはい」


―終―
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