184 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:41:01.05 ID:FbiYSoUv0
地球温暖化とは地球表面の大気や海洋の平均温度が上昇する現象である。
地表・水系内の生態系の変化や海水面上昇による海岸線の侵食といった、気温上昇に伴う
二次的な諸問題まで含めて言われることもある。
近年、地球の平均気温は急激な上昇を示している。海水準の上昇や、関連の疑われる気候変動が
観測され、生態系や人類の活動への悪影響が懸念されている。
この地球温暖化は、人為起源の温室効果ガス(主に水蒸気、二酸化炭素、メタン)によって
引き起こされたとする説が最も有力である。
地球温暖化の予測は膨大な計算量を必要とし、ある程度の不確実性を持つ。
予測される影響の規模から不確実性を差し引いても将来的なリスクが大きく、
国際的に対策が急務とされている。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

185 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:41:31.90 ID:FbiYSoUv0
身支度は完璧、戸締りも確認済み、電気は最低限必要な箇所を除いて切った、準備万端だ。

何故こんなにも張り切っているのかって言うと、今日は高校の頃の同窓会があるのだ。
二十歳を過ぎた頃からただでさえ少ない友達と連絡が取れないことが多い、だから今日は皆と久々に楽しい時間を共有できるめったに無い機会。
これを張り切らずにいられる訳がない。
僕はアパートの駐車場に止めてあるお気に入りのプチ改造バイクへと乗り、会場へ急いだ。

186 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:42:02.51 ID:FbiYSoUv0
「よう」

賑やかな会場の雰囲気に馴染めずに浮いてしまっていた僕に、懐かしい声が呼びかけてきた。
振り返ると、記憶の中の彼と何ら変わらない顔が目の前にあった。
久々に聞くこの覇気の無い声、紛れも無く彼は、親友のドクオだった。
ドクオとは高校を出てからは一月に一回位の頻度で連絡を取っていたのだが、最近はぷっつり連絡が途絶えてしまっていた。

「久しぶりだな、元気にしてたか」
「もちろん、元気だお」
「ドクオ、最近全然連絡が取れなかったけれど、どうしてたんだお」
「ああ……就職活動をしていたんだ、今は一応公務員だ」

ドクオは高校卒業後、大学には進学せず、近所のコンビニやら喫茶店やらでバイトをしていた、いわゆるフリーターだった。
なので、僕は彼が職に就いていたことを心から喜び、ドクオを祝福した。
ドクオは照れながら頭をかいていた。

187 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:42:32.97 ID:FbiYSoUv0
僕とドクオは、部屋の隅の方のテーブルで世間話に花を咲かせてた。
時々辺りを見回しては見るものの、中々声をかけられそうな人はいない。
ふと見ると、ドクオも同じことを考えていたようで、落ち着かない様子だった。

「……ツン達なかなか来ないお」
「そう言えば、中々来ねえな」
「ここ借りてられるのもあと一時間位だし、来ねえのかもな」

ツンとは、僕が何時も一緒に遊んでいたグループの紅一点であるツンデレのことだ。
何時も僕らは、ドクオ、ツン、それにショボンを加えた四人で遊んでいた。
僕の今日の楽しみの一つは、ツンに会える、ということだっただけに中々諦められないでいた。

189 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:43:03.42 ID:FbiYSoUv0
「いや、ツン達は絶対に来るお」
「……そうだな、ギリギリまで待つとするか」

ドクオがそう言ったその時、ドクオの背後に人影立っていた、ショボンだ。

「やあ、久しぶりだね」

そのしょぼくれた顔からは、少し想像できないようなしっかりとした声、ショボンも変わっていなかった。

「久しぶりだお、元気にしてたかお」
「ああ、何時もの通りさ」
「ドクオ、就職どうなったんだい」
「お前もブーンと同じことを聞くな……公務員になった」
「そうか、おめでとう」
「ショボン、ツンを知らないかお」
「ツンかい、君らを探している途中にあっちのテーブルで見たけど、まだあっていた無かったのか」
「なんだ、もうこの会場に来てたのかよ、おいブーン、呼びに言ってきてやれ」
「わかったお」


190 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:43:34.17 ID:FbiYSoUv0
僕は人ごみをかき分け、会場のほぼ中心の、大きなテーブルで一人立っているツンを見つけた。
てっきり誰かと話し込んでいるのかと思った僕は、不思議に思いながらも声を掛けた。
ツンは不意に声を掛けられたからか、少し屈んだような体制で肩を震わせている。

「ツン、ごめんだお」

僕が謝ろうとした時には、既にツンが顔を強張らせて此方に振り向いていた。

「な、何よ、いきなり声を掛けないでよ、驚いたじゃない」
「久々に会ったっていうのに、何であんたはそうなのかしらね」
「何回私の寿命を縮めたら気が済むのよ」

言葉は厳しい口調だったけれど、顔は微笑んでいるようにすら見えた、何時ものツンだ。
僕はひたすらに謝りながら、ドクオ達が待つテーブルへと向かった。
これでやっと、何時もの四人が揃った訳だ。

191 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:44:04.98 ID:FbiYSoUv0
僕らは、全体の二次会には出席せず、僕らだけで行き着けの居酒屋で二次会をすることにした。
居酒屋は歩いて大体三十分位の距離だったので、僕はバイクを押しながら会話を楽しんだ。
道中は会話が尽きることは無く、互いの生活状態を知るには十分だった。

ツンは大学院に進学し、研究に勤しんでいるようだ。
昔から頭の良かったツンのことだから、分からなくも無い。
ショボンは大卒後暫く資格を取ることに専念していたらしい。
今現在はというと、何と環境省に勤めているらしい。
中々やり応えのある仕事だそうで、目を輝かせながら話をしてくれた。

そんなこんなで、あっという間に居酒屋到着。
僕のアパートももう直ぐそこなので、僕は安心して酒を交わすことができた。
とても楽しかったと思うんだけど、グラス一杯飲んでからは記憶に残っていない。

192 地球温暖化 sage New! 2006/08/21(月) 03:44:35.55 ID:FbiYSoUv0
物凄く喧しい風と雨の音で、僕は目覚めた。
どうしようもないダルさと頭の奥から鈍い感じの頭痛を感じながら、やっとのことで枕元の携帯に手を伸ばした。
携帯には[十一時二十八分五十秒]と表示されていた。
僕は全身から血の気が引けて行くのを感じた。

「これわもうだめかもわからんね」

独り言を呟き、上司への言い訳を考えながら起き上がり、テレビの電源を入れた。
映し出された画面を見て、再び全身から血の気が引けた。
テレビには慌てた感じのリポーターと、日本列島を大きな丸で囲んだ絵が大きく表示されていた。

"もう一度繰り返します、只今日本列島全域は超巨大台風に飲み込まれています"
"暴風域は関東全域、東北、中部地方の一部にかかっています"
"とても危険な状態です、決して外出はしないようにして下さい"

リポーターの声を聞き流しながら、僕は上司への言い訳を考えるのを止めた。
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