821 夏は暑い New! 2006/08/13(日) 23:52:43.69 ID:2KA1KS1NO
('A`)「あー、暇だ」

夏は暑い。
することが無ければもっと暑い。
扇風機も冷房もなければ更に暑い。

('A`)「あー、暑暇だ」

暑さは理性を奪う。
こんな変な言葉を平気で口に出させる。

('A`)「あー、これが手持ち無沙汰ってやつか」

m9('A`)「そこのお前、いつもそうだろって思っただろ」

('A`)「ハァ、虚しい」

暑さは人を狂わせる。
何もないところに向かってツッコミを入れるようもさせる。
そして、勝手に虚しいと感じるようにもなる。


823 夏は暑い New! 2006/08/13(日) 23:55:18.81 ID:2KA1KS1NO

ピンポーン

チャイムがらいきゃくを告げる。

('A`)「こんな暑いのに誰だよ、ったく」

めんどくさそうにガチャリとドアを開ける。
熱風と共にそこに現れたのは

川 ゚ -゚)「トマト、食べないか」

変な少女だった。

十歳位の少女がトマトをこちらに差し出している。

('A`)「・・・・・・」

当然、何も言えない。
それもそうだ、いきなり少女が現れた上に「トマトを食べないか」なんて
人類初、いや、宇宙初であろう出来事に遭遇したのだから。


824 夏は暑い New! 2006/08/13(日) 23:56:55.16 ID:2KA1KS1NO
川 ゚ -゚)「ほら、トマト」

('A`)「あ、ありがとうございます」

トマトを受け取る。
水滴が付いているせいか、少し冷たい。

川 ゚ -゚)「大事に食べてくれ」

少女はそう言って、向こうへと消えていく。

そこには間抜けな顔をして、トマトを手に持つ青年だけが残った。

('A`)「一体何だったんだ」

('A`)「まぁ、一応食べてみるか」

青年はトマトをかじる。
トマトの水分と酸味、ほのかな甘味が口の中にジワッと広がる。

('A`)「案外・・・・・・美味しいじゃん・・・・・・」

夏は暑い。
でも、少しだけ涼しくなったような気がした。

そんな夏の一時。
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