412 ( ^ω^)とぬこ New! 2006/08/07(月) 04:54:15.99 ID:0o9MpaQ/O
僕の腕を枕にし、気持ち良さそうに眠るぬこ。
喉を鳴らしながら、腕をぴんと伸ばし、爪を出し入れする。

(ー、ー*=川「クルル……クルル……」

その可愛らしさに僕は、思わず頭を撫でる。
普段なら耳をプルプルさせるのだが、これだけ熟睡していると何の抵抗も無い。
僕はぬこの細く柔らかい耳を存分に味わう。
不意に、僕の胸に後悔が走った。

――僕は、何故……。

( ^ω^)とぬこ

413 ( ^ω^)とぬこ New! 2006/08/07(月) 04:55:09.89 ID:0o9MpaQ/O
僕がそのぬこに出会ったのは、中学校の二年の冬。
部活が終わって、帰り道を急ぐ僕の耳に届いたか細い声。

『みゃー……みゃー……』

冬の夜は暗い。
僕は、放置されていた畑に降り立ち、声の主を探す。
畑の隅に、ぬこはいた。
雪降る夜に震える小さな躰。
今にも消えてしまいそうなそのぬこを僕はどうしても放って置け無かったんだ。

414 ( ^ω^)とぬこ New! 2006/08/07(月) 04:55:57.56 ID:0o9MpaQ/O
制服を脱ぎぬこを包み、急いで家に帰る。父がどう言うか心配だったが、父は快くぬこを迎え入れてくれた。
もともと動物好きなんだ。
断る理由もなかったらしい。
こうして、我が家に新しい仲間が増えた。
しょんぼりした顔をしているからショボン。
ストーブの前で躰をこすってやると、ショボンは嬉しそうにニャ、と鳴いた。

ショボンはとても甘えん坊だ。
冬の寒い日はもとより、夏の暑い日だって僕と一緒に寝ている。
まるで、親子みたいだな。
父はそういって僕をからかうが、悪い気はしない。
そう。僕とショボンは親子だったんだ。それなのに。

415 ( ^ω^)とぬこ New! 2006/08/07(月) 04:56:57.51 ID:0o9MpaQ/O
一年後、僕は受験生になり、忙しい日々を送っていた。
試験勉強、進路、復習など、時間がいくらあっても足りない。
しかし、受験生なら、誰にだって経験はあるはずだ。
突発的な性欲の昂ぶり。
それにはどうあらがっても耐えられるものじゃない。
僕は膝で丸くなっていたショボンをどかし、ベッドに向かう。
ティッシュとお気に入りのエロ漫画を持ち、抜きどころを探す。

「……!!」

この時僕は昂ぶりすぎてどうかしてたんだ。
ページをおもむろに開く僕の手が、止まる。
漫画の中ではバターを陰部に塗りたくり、犬に舐めさせて自分を慰める女が描かれていた。

バター犬。

……バターぬこ。

416 ( ^ω^)とぬこ New! 2006/08/07(月) 04:57:46.95 ID:0o9MpaQ/O
まさか。ショボンは雄だ。
いやいや、そういう問題じゃない。
――馬鹿馬鹿しい。
再び僕はページを捲るが、さっきまでの昂ぶりと股間の猛りは消えてしまっていた。
ふぅ、勉強に戻った方が良さそう……だ!?

ショボンが目を真ん丸にし、じっと僕のうなだれた局部を見つめていた。
先程までは僕の椅子で寝ていたはずだ。
僕の背筋に悪寒が走る。

いや、何をとまどう?
獣風情に見られて何を恥ずかしがる?
――獣?ショボンが?
僕は何を考えている?
ショボンは、僕の、大切な――。

417 ( ^ω^)とぬこ New! 2006/08/07(月) 04:58:30.35 ID:0o9MpaQ/O
どくん、どくん、どくん。

僕の意志とは裏腹に、下半身に血が送り込まれてゆく。
ヒクヒクと跳ねるペニスを興味ぶかげに瞳で追うショボン。その目は純粋そのもの。
僕はペニスをゆっくりとショボンに近付ける。
ショボンはふんふんと匂いを嗅ぎ……。

(  ω )  ゚ ゚

僕は声にならない悲鳴を上げた。
頭の中は一つの事しか考えられない。

痛い痛い痛い痛い。

まさか猫の舌がこんなにもザラついているとは。
剥けたばかりの亀頭を舐められた時の

『ザリッ』

は一生忘れないだろう。

418 ( ^ω^)とぬこ New! 2006/08/07(月) 04:59:18.89 ID:0o9MpaQ/O
今、僕は上京し、新しいぬこと暮らしている。
ショボンが雄だったから、という訳ではないが、今度は雌だ。

ショボンは今、どうしているだろうか。
相変わらずしょぼくれた顔をしながら、僕の布団で寝ているのだろうか。
家を飛び出した事に後悔はしていないが、それだけが僕の心配事だ。

あれから何年も月日が経った。
もちろんぬこにはあの日以来、変な考えを抱いていない。あの痛みは消えていない。

だが、どうだろう。今の僕のペニスはあの日と違う。
もしかしたら快感を感じられるかも……。

いやいや、イトウは僕の大切な娘だ。
同じ事の繰り返しをする程、人間は愚かじゃない。
こういう時はオナヌーでもして、ごまかそう。
お気に入りのエロ漫画は、と……。

そして人類は愚かな歴史を繰り返す。

(  ω )  ゚ ゚

終わり

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