435 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/26(水) 20:05:05.03 ID:hKhnIjWK0
あるアパートの一室。



テレビの音で、ふと目が覚めた。どうやら点けっぱなしで眠ってしまっていたようだ。
テレビからは笑点が流れている。そうか、もう夕方か。
起き上がろうにも、足が弱ったのか起き上がる気力がないのか、起き上がれない。
案外、元々私の体は起き上がるようにできてはいないのかもしれない、と
自虐的なことを考えながら、私はベットの上で寝転がったまま
ぼんやりと笑点を眺めていた。

笑点では、山田くんが司会の大喜利を放送していた。
歌丸師匠から山田くんに司会が変わってもうどれくらいたつだろうか。
月日が経つのは早いものだとつくづく感じずにはいられない。
けれど、司会になっても『山田さん』じゃなくて『山田くん』なんだなぁ。
ちびっこ大喜利の頃から変わらない、変わらないもの。

私は子供の頃と随分変わってしまった。

436 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/26(水) 20:06:02.38 ID:hKhnIjWK0
ξ゚听)ξ「ちょっと、早くバケツ持ってきなさいよ!」
子供の頃、世の中を知らず、知ること聞くこと見ることが全て新鮮だった頃。

ξ゚听)ξ「バーベキューの鉄板にのらねぇwww」
子供の頃、世の中を知らず、僕等が冒険家で発明家で思想家だった頃。

ξ゚听)ξ「げ、蛙入ったままで煮詰まりやがった、テラグロスwww」
子供の頃、僕と一緒に、笑い合ってくれる友達がいた頃。

あの頃は『私』じゃなくて『僕』って自分を呼んでいたんだった。

私は子供の頃と随分変わってしまった。


437 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/26(水) 20:07:34.99 ID:hKhnIjWK0
懐かしかったあの頃、戻りたくてももどれはしない。そんなことは分かってる。
ただ、ツンは、あの日々を覚えているかな?
時々、いやたまに、懐かしんでいたりするのかな?

ツンは、どこかで元気に幸せに暮らしているのかな?だといいな…


笑点が終わりテレビの電源を切った。
さっき寝ていたのに不思議にもまた眠れそうだ。
ふと寒天の味を思い出した。


438 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/26(水) 20:08:55.78 ID:hKhnIjWK0
あるアパートの一室。

郵便受けに大量の新聞が挟まっていることに管理人が不信に思い、その一室に入った。
管理人は、ベットの上を調べた。

返事がない。







なんだ、ただの荒巻のようだ。

  おしまい

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