310 「雨と君と夜と」(題:台風一過+心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)1 New! 2006/07/26(水) 07:35:39.49 ID:RrWF6xJ8O
―あるバーボンハウスのマスターが物語る
(´・ω・`)「…これは本当にあった心暖まる残虐な物語」

昔々の物語―

---------
30年前はこのあたりも草木が茂っている田舎の村だったんだ。
皆優しい人ばっかりでね、今みたいに貧富で差別する人なんていなかったんだって。
子供は特に大切にしてて村の真ん中に孤児院があるぐらいだったんだ。
そこにクーとジョルジュという本当の姉弟みたいに仲がいい子がいたんだって
------
クー12才ジョルジュ7才
( ゚∀゚)「おーにさんこちら♪手のなるほーへ♪」
川゚ー゚)「フフ、捕まえるぞ〜」
( ゚∀゚)「へへーんだ。捕まらないもーん♪」

('、`*川「ホントに二人は仲がいいですね」
(*゚ー゚)「本当の姉弟みたいね」

311 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)2 New! 2006/07/26(水) 07:37:10.96 ID:RrWF6xJ8O
-------
でも、時がたつにつれて、クーも友達と遊びたいと思うようになり、いつまでたっても自分にすりよってくるジョルジュがうっとおしくなったんだ。
------
クー14才ジョルジュ9才
( ゚∀゚)「クー姉遊ぼ!」
川゚ -゚)「すまないが今日は友達と遊ぶんだ」
( ゚∀゚)「えー…じゃあ俺も連れてってよ」
といい、立ち去ろうとするクーの足にしがみついた。
―クーはもう、我慢の限界だった―
川#゚ -゚)「いいかげんにしろ!」
と怒鳴りクーはジョルジュを突き飛ばした

( >‐<)「…ッ!」 

川゚ -゚)「…」
( ;‐;)「…」

ジョルジュは泣き出し孤児院の中に走っていってしまった

川゚ -゚)「…」
クーは今まで弟の様に可愛がっていたジョルジュを突き飛ばしてしまった事。そしてその事について何も思わない自分に呆然とした。
―でも…あいつが悪いんだ―


312 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)2 New! 2006/07/26(水) 07:38:12.37 ID:RrWF6xJ8O
(*゚ー゚)「クーちゃんちょっと来て」
川゚ -゚)「…!はい」
-------
誰もいない部屋に入り、しぃ姉さんはこう言った
《どうしたの?今までいい子だったのに》
しぃ姉さんが言ったその言葉は私の胸に深々と突き刺さった
―私が悪いんじゃないのに。あいつのせいだ、きっと告げ口したのもあいつ―
これが全ての始まり
クーはジョルジュを憎む様に

313 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)3 New! 2006/07/26(水) 07:39:12.89 ID:RrWF6xJ8O
なり、ジョルジュはクーに怯えるようになった。
-----
―7日後の夕方―
( ゚‐゚)「…」
あいつは一人で本を読んでいる。
―ヤルナラ今シカナイ―
川゚ -゚)「おい」
(;゚‐゚)「!?」
声をかけると肩を強張らせて私を見上げた
その仕草一つ一つが私を苛々させる。
川゚ -゚)「…こい」
腕を引っ張ると意外と簡単についてきた

―そして、誰もいない裏庭で―

川゚ -゚)「お前…」
(;゚‐゚)「な、なに?」
川゚ -゚)「この前しぃ姉さんに告げ口したよな?」
(;゚‐゚)「…」
と、聞いたがあいつは無言で下を向いた


314 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)3 New! 2006/07/26(水) 07:40:43.12 ID:RrWF6xJ8O
ジョルジュは断れなかった。いや、断る理由がなかったのかもしれない。
大好きなクー姉がまた笑ってくれるのだから―
それから幾度もその行為は繰り返されたがジョルジュは告げ口をする事はなかった。
怪我を親代わりの人達が心配しても転んだと誤魔化していた。
------
クー16才ジョルジュ11才
その日は蒸し暑かった、ジョルジュは近くの山に夏休みの宿題昆虫採集に行く事にした。するとクーが言った。
川゚ -゚)「私もついていってやる」
俺は断るとひどく殴られるのは分かってたので何も言わない、言えなかった


315 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)3 New! 2006/07/26(水) 07:41:24.11 ID:RrWF6xJ8O
( ゚∀゚)「…」
川゚ -゚)「…」
二人は無言で奥まで進んだ。なんなんだ?早く殴ればいいのに。どうしてこんなに奥まで行くのだろう。
川゚ -゚)「…ジョルジュ」
( ゚∀゚)「…何」
川゚ -゚)「用事を思い出した。すぐに戻ってくるから待ってろ。」
―従わなかったら、分かっているんだろうな?―
そう聞こえた気がした。
-----
クーはそろそろ雨が降ることを知っていた。
だが夕飯の頃には迎えに行ってやるつもりだった。行方不明になどなったら自分のせいにされてしまうから。
―だが、それは叶わなかった―

317 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)3下 New! 2006/07/26(水) 07:47:07.96 ID:RrWF6xJ8O
-------
クーが何人かの子供達と居間でテレビを見ていると
( ´∀`)「VIP地方一帯に昼頃から雨が降り続いていますが、先程大雨洪水警報g
('、`*川「大変よ!避難勧告が来たわ!皆部屋に行って服だけ鞄に詰めてここを出なさい!」
川;゚ -゚)「…!」
どうしよう、あいつはまだ山に…
(・∀・)「お姉ちゃん?早くしないと…」
そうだ、私にはまだ沢山の妹や弟がいるんだ…
あいつに構ってなんかいられないんだ…
(;*゚ー゚)「クーちゃんジョルジュ知らない?」
川゚ -゚)「虫とりに行くと行ってましたがまだ帰ってないんですか?」


318 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報)3下 New! 2006/07/26(水) 07:47:49.85 ID:RrWF6xJ8O
(;*゚ー゚)「ええ…」
ξ゚听)ξ「皆準備できたわ」
(;*゚ー゚)「仕方ないわ…いまいる子達だけで避難します。」
川゚ -゚)「…はい」


( ゚∀゚)「…」
ジョルジュは無言で山を下っている
もう胸まで水は来ていた
迎えに来てくれると信じて待っていたのだが川の水が溢れだしてきたのだ。
(;゚∀゚)「ッ…」
ふいにつまづき転ぶ。顔にまで水は掛かった。
―もう、歩く気力はなかったー
( ゚∀゚)「…もう俺、死ぬのかな。」

雨音しか答えてはくれない。
近くの木に寄りかかった
( -∀-)「…最後に、謝りたかったな。」

―夜が少年を包んでいった―

319 「雨と君と夜と」(題:心暖まる残虐物語+大雨洪水警報) New! 2006/07/26(水) 07:49:09.55 ID:RrWF6xJ8O
----
クー26才

何故だろう。戻ってきてしまった。
ここは…最後にあいつと別れた場所
『久しぶり…クー姉』
川゚ -゚)「ああ…10年ぶりだな」
『会いに来てくれて嬉しいよ』
川゚ -゚)「お前は…私を憎んでいるのだろう?」
『そんな訳ないだろ。今も昔も大好きだよ』
川゚ -゚)「…こんなとこに一人で寂しくないのか?…私も一緒n」
『クー姉が会いに来てくれたから大丈夫だよ』
川゚ー゚)「フフ、そうか…」
『もう行った方がいいよ。もうすぐ川の水が溢れるから』
川゚ -゚)「分かった…じゃあな」
『バイバイ』


小さくなっていくクーの後ろ姿を見つめながら呟く
( ゚∀゚)「ありがとう…ごめんね」

雨音に書き消されたその言葉はクーに届くことはなかった
inserted by FC2 system