9 人と刀と殺人と New! 2006/07/22(土) 00:32:32.96 ID:UJm47r+CO
続きです。
2話「出会ッタ」

ドクオは蔵を開けた。埃にまみれた様々なものがある。
( ^ω^)「へー。なかなか大きいお!」
('A`)「気を付けろよ、中にはヤバいモンもあるって、ジーチャンが言ってたからな。」
(;^ω^)「お、脅かすなお!」
ブーンとドクオは2階に上がる。下と同様埃だらけだが、何かが違っていた。
( ^ω^)(この感じ、なんだお!?何か不思議な感じだお…」
ブーンは、その感じた所を探し始めた。
(;'A`)「な、何してるんだ?」
棚の中に、1本の刀。ブーンはそれを手に取った。
( ^ω^)「…」

理性ヲ外セ。本能ヲサラケ出セ。

ブーンの頭にそんな言葉がよぎった。
( ω )「…」
( ω )「…ドクオ。この刀貰っても良いかお?」
(;'A`)「別に構わないが…何に使うんだ?」
( ω )「家に飾るお!」
ブーンは朗らかに言った。

ツンならば、あるいは気付いたかもしれない。ブーンの目には光が灯っていなかったことを。そして、この刀は何を意味するかということも。

17 人と刀と殺人と New! 2006/07/22(土) 00:47:35.18 ID:UJm47r+CO
3話「野生ノ本能」

( ω )「とりあえず、今日は帰るお!ドクオ、ありがとうだお!」
('A`)「おいおい…刀をそのまま持って帰る気か?紙で包んでやるよ。」
そういうとドクオは慣れた手つきで刀を包むと、ブーンに手渡した。
( ω )「わざわざありがとうだお!」
('A`)「気にすんな、じゃあまた明日な。」
( ω )「また明日だお!」


ブーンは、家に帰るなり、紙包みを乱暴に開けた。
( ω )「刀がよんでるお …」

殺せ、コロセ、コロセ、殺セ!

頭の中に響く声。ブーンは刀を持って下に降りた。
母「あら、ブーン。…なによそれ?」
( ω )「刀だお!」
母「また物騒な者を…何に使うの?」
( ω )「…人を斬るためだお。」

ブーンは刀を抜くと母の首に沿わせた。母の首からは、血が吹き出し、もがいている。母にとどめを指すと、ブーンは呟いた。


( ω )「僕は、頭の中の声に従うお。」

22 人と刀と殺人と New! 2006/07/22(土) 01:08:46.46 ID:UJm47r+CO
4話「獲物」


母の首からブーンは刀を抜き取ると、キッチンペーパーで血を拭き取った。

足リナイ、血ガタリナイ。殺せ、コロセ、コロセ、殺セ。

ブーンの頭には尚も声が響く。ブーンは、町へ出た。


町を刀の入った紙包みを持って、獲物を探す。頭に響く声は収まらない。「獲物」は、向こうからやって来た。
不良A「ニーチャン高そうなの持ってんじゃん、俺らになんか恵んでくんね?」
不良B「カツアゲって、自白してんじゃねーか!」
( ω )「…少なくとも、君ら社会のゴミにやるようなものは、生憎残飯くらいしかないお。」
不良C「ハァ?」
不良A「おもしれー、ニーチャン、ちょっと俺らとこいよ。」


連れてこられたのは人目に付かない路地裏。不良グループは、ブーンをかこんで、こう言った。
不良A「俺ら社会のゴミなんだよな?ならゴミには勝てよ?白豚ちゃん?」
ブーンは、何も聞いていなかった。獲物が自分から3匹も来たということに、喜びを感じているだけだった。
不良B「何?コイツシカトかよ?」
( ω )「…ありがとうだお。」
不良グループ「ハァ?」
( ω )「君たちが来てくれたおかげで、獲物を探す手間が省けたお…。」
ブーンは紙包みを破った。


37 人と刀と殺人と New! 2006/07/22(土) 01:23:44.87 ID:UJm47r+CO
不良グループ「か、刀!?」
( ω )「頭の中で声がするんだお…」
ブーンは鞘を抜きながら話す。
( ω )「コロセ、コロセと叫ぶんだお…」
ブーンは刀を振り上げた。
( ω )「君たちも、この刀の糧となって貰うお!」


ブーンは、赤い絨毯の上に立っていた。周りは白い壁に赤色の水玉模様。目の前には社会のゴミだった「ゴミ」。ブーンは満足そうに刀を鞘に納めた。
( ω )「清々しいお…」

そこへ、走ってくる音が聞こえた。
(;'A`)「ブーン!大丈夫か!?」
( ω )「ドクオ…」
(;'A`)「お前が不良3人とここに入って行ったって、聞い…」

その一帯の、血なまぐさい地獄絵図を目の当たりにして、ドクオは声を失った。

なんだ、これは?
真っ赤じゃないか…
ブーンが刀…?
じゃあこれは…

('A`#)「これはっ!お前がやったのか!?」
ドクオはブーンの胸ぐらを掴んだ。
( ω )「そうだお。この社会のゴミ達には、刀の栄養になって貰ったお。」
バキッ
ドクオがブーンを殴った。

59 人と刀と殺人と New! 2006/07/22(土) 01:41:56.51 ID:UJm47r+CO
ブーンは、卑しい物を見るような目でドクオを睨みつけた。
('A`#)「俺はっ!!お前の家の惨状を見てきた!お前のカーチャンが、首から血ィ出して死んでたよ!あれもお前がやったって言うのか!?」
ドクオは、自らの手から血が滲むほど殴った。殴り続けた。ドクオがその手を休めたとき、ブーンは言い放った。
( ω )「だからなんだお?」
('A`#)「な…んだと…?」
ブーンは、さも当然の如く淡々と言っていった。
( ω )「母さんは、刀の栄養になったお。この刀の為に死んだんだお。名誉なことだお?そこの「ゴミ」も、ゴミをリサイクルしてやったんだから寧ろ感謝してほしいお。」
('A`#)「…テメェ…今まで他人をそんな理由で殺してたのかよ…」
ドクオは怒りに震えている。
( ω )「そうだお?普通だと思…」
ブーンの言葉を、ドクオのニューナンブが止めた。
('A`#)「もういい。お前のような大量殺人鬼の卵、俺がこの手で殺してやる!!」
ドクオの目には涙が潤んでいた。

64 人と刀と殺人と New! 2006/07/22(土) 01:58:53.35 ID:UJm47r+CO
( ω )「…」
ブーンは、足でドクオを蹴飛ばし、刀を抜いた。

アイツハ敵ダ!コロセ、殺せ、コロセ!

ブーンの頭に声が響く。
( ω )「…頭の中に響く声が、ドクオを敵ダって言ってるお。だからドクオを刀の栄養にするお。」
('A`#)「…なら俺はお前の五体引きちぎってもお前を警察に突き出す!」
ドクオはニューナンブの安全装置を外しながら吠えた。
( ω )「やれるモンなら、やってみるお!!」
ブーンが斬りかかった。ドクオはそれを銃身で受けると、刀を拳で弾いた。刀は綺麗に、不良グループ「だった」肉塊に刺さった。後ずさりするブーン、銃口をブーンに向けるドクオ。

一瞬の静寂。そして、乾いた発砲音。弾は、ドクオの足下のアスファルトに撃ち込まれ、ブーンには当たらなかった。
(;A`)「…畜生、なんで撃てねえんだよ!奴はいずれ人を殺し続ける殺人鬼だぞ!」
ドクオはその場にへたり込んだ。

68 人と刀と殺人と New! 2006/07/22(土) 02:10:05.02 ID:UJm47r+CO
( ω )「…」
黙ったままブーンは肉塊から刀を抜き取ると、刃先をドクオに向けた。いつの間にか雨が降っていた。
('A`)「畜生が…」
ブーンは、ドクオの首を切った。首から血が吹き出すが、ドクオは微動だにしない。
( ω )「ッ…!!」
ブーンは心臓を突き刺した。鮮血がブーンの服に飛び散る。しかしドクオは動かず、ブーンを睨み付け続けていた。

ドシャッ

雨音のなかになにかの倒れる音。
何かが尽きる音。
一人の男と一つの肉塊。

男は笑う。
高らかに、
狂ったように。

頭ノ中ノ声が言ウンダ。

人間、散るときこそ美しい。


僕ハ、頭ノ中ノ声ニ従オウ。

ブーンはゆっくりと、その場から去っていった。
end
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