190 素直グール sage New! 2006/07/11(火) 20:49:41.35 ID:PLi7qple0
せっかく書いたから投下


「身体が疼く、なぜか本能がそのまま行動に移る
 我慢しようなんて考えは浮かばない
 私の身体は一体どうなってしまったのだろうか・・・?
 うすうすだけども、分かってる気がする。
 


 もう、手遅れだって」





【素直グール】

191 素直グール sage New! 2006/07/11(火) 20:50:02.81 ID:PLi7qple0
7月11日 晴れ

私はもう長く無い様だ・・・

身体の変化はいつからだっただろうか?
ふと考えて見ると、それは結構前から前兆が出ていた気がする。
それもそうだろう、こんな廃墟で生活をしているんだから。



私の仕事は、とあるラボの社員だった
そこで研究をしているのは神への冒涜・・・
悪魔の諸業、人体実験

それが私の仕事だった。

どれだけの人の命を奪い、実験をしてきたのか分からない。
だけども、その報いは突然やってきた。


突然起こったバイオハザード
Cラボで原因不明の大爆発が起こったらしい。
それは当然Cラボだけに収まらず、全てのラボに被害は拡大した。

192 素直グール sage New! 2006/07/11(火) 20:50:25.03 ID:PLi7qple0
人体実験の内容はそれぞれのラボによって違う。
たとえばAラボは人を助けるための人体実験。
それでも人の道徳を問われると、素直に頷けない内容の実験だが
再生能力、それに重点を置いて研究をしていた
そして、私が働いていたBラボは、人を越えた生物の作成。
一般的に言われるキメラと呼ばれる生物の作成をしていた。
そして最後に爆発をしたCラボ ここは主にウィルスに関する実験をしていた。
どのウィルスを人体に投与すると、どのような反応を起こすか・・といった様な実験

当然、全ての実験に関与したデータはムダになった挙句
そこで働いていた大部分の社員達は、自分達の実験を自分達の身体で体験する事となった

運良く逃れたのは、ほんの数人の社員だけ



私はその運良く逃れた数人の社員の一員だった。



それから私は、とある男性と出会い、隠れるように今の場所で生活をしている。

193 素直グール sage New! 2006/07/11(火) 20:50:46.68 ID:PLi7qple0
最初の変化は別に気にするものではなかった。
ただ、少し身体が痒くなっただけ。それは一時的なもので水浴びをすればすぐに収まった。

しかし変化はなおも続いて行った。
突然襲う立ちくらみ、長いときは10分もの立ちくらみが続く
ここで、私はまさか・・と思った。

しかし確かめる術はない。ここはラボではない。ただの廃墟
生活するための道具しかない。
私は自分自身を励ましながら、生活を続けた

そして最近になって己の欲望を抑える事ができなくなってきた。
例えばお腹がすいたと感じれば、無意識の内に貯めていた食料に手を出してしまう。
それは自分でも留めることができずに、日々酷くなる。

完全に自分の意識が消える前に、こうして変化の過程を書く。
もし、私が他の誰かに発見されたときに、このような罪を重ね
このように罪を償っているという事を理解してほしいからだ。

自分勝手だとつくづくおもう。だけどもう私には時間が残されて居ない見たいだ。
ラボのどのウィルスに移ったか分からないがただ言える事は一つ。

私は人間では無くなる
本能のままに生きる 動物になるということだ

194 素直グール sage New! 2006/07/11(火) 20:51:07.39 ID:PLi7qple0



川 ゚ -゚) 「ほら、もう我慢できない」
目の前で寝ている男性。
その無防備な笑顔を見ているだけで私はすでに我慢できなくなっている。
愛している人、ブーン。私の事を責めもせず、ただ愛してくれた。

こんな場所まで付いて来てくれた最愛の人

しかし私はそれとは別の感情を抱き初めて居るのを自分でも理解していた。

それは最初は自分自身でも信じられない考えだった
しかし、日に日にそれは大きくなり
抑えられなくなった


川 ゚ -゚) 「アハ・・・もうだめ。我慢の限界」

ソッとブーンの頬にふれる
こしょぐったいのか、ブーンは小さく「うーん」と唸り目を開けた
( ^ω^)「クー・・・寝れないのかお?」
川 ゚ -゚) 「ん・・・うん」
( ^ω^)「寝ないと明日がきついお?」
川 ゚ -゚) 「・・・・・・」
( ^ω^)「どうしたんだお?」

195 素直グール sage New! 2006/07/11(火) 20:51:25.38 ID:PLi7qple0
ダメだ、もう限界

私は無言でそのまま服を脱ぐ
小さいワンピのような服を脱いだその下は何もつけていない

( *゜ω゜)「おっ!?おっおっ!?ちょwwクーwどうしたんだおww」
少し喜びながらも当然のようにブーンは動揺する。
そんな、些細な表情、行動が私の感情をさらに揺さぶる

川 ゚ -゚) 「・・・もう限界」

それだけ呟くと私はゆっくりとブーンに近づいていく

抱きしめるように、抱き閉められるようにブーンの首に手を回し

川 ゚ -゚)「大好きよ、ブーン」
( ^ω^)「おっおっ、俺もだお」

そんな愛の言葉を交換し終えて


196 素直グール sage New! 2006/07/11(火) 20:51:50.50 ID:PLi7qple0
グチャッ


私は彼へと噛みついた。いや、正確に言えば喰らいついた。
声にならない悲鳴を上げるブーン。
当然逃げようともがくが、私はしっかりとブーンの首に手を回している
逃げられるわけもなく

グチャ、グチャ

食べられる、ただ食べられる。


どうにもならない衝動。
ワタシは一心不乱に彼を貪った

そう、本能に従うままに。


「愛してる、からこそ求めてしまう
 罪を償っているはずなのに、なぜにこんなにワタシは幸せなんだろう」


End

参考資料
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%BC%E3%83%AB

inserted by FC2 system