742 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/16(日) 17:00:31.26 ID:dByB8ySU0
>>740 うんゴメン。俺も書いた文が卑屈すぎた。反省はしている。
  だ  が  後  悔  は  し  て  い  な  い  !

でだ、でけたから投下開始。

   ( ^ω^)ごきぶり


    「この虫ケラが!」

大きな罵声と共に、少年は蹴っ飛ばされた。

     「二度と来るんじゃねぇよ。このゴキブリ野郎!」

( ^ω^) 「痛いお…どうせ廃棄になる弁当なんだからちょっと位くれお。」

     「うるせぇ!警察に突き出さないだけありがたいと思いやがれ!」

蹴った青年は捨て台詞を残し、再び店に戻っていった。
少年の名はブーン。職業…無職、住所…公園、年齢…未成年。
完膚なきまでにホームレスであった。

町を徘徊し、あまりものを食べ、おまけに不潔。
なるほど・・・確かにボクはゴキブリだ。あの青年、意外と頭が良いかもな。
などと思いつつ、蹴られた腹と足の状態を確認しつつ、ブーンは立ち上がる。

( ^ω^) 「フヒヒ、それでも弁当だけは手に入れたお」

手に、グシャグシャになってしまった弁当を持ち、にやけながら自分の陣地へと戻る。
戻る途中で怒声が聞こえた…気がした。

743 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 17:00:49.13 ID:dByB8ySU0

( ^ω^) 「・・・?」

音源のほうに顔を向けると男と女が争っていた。

ξ゚听)ξ「何すんのよ!やめてよ!」

必死に抵抗してはいるが、男女の体格の差は如何ともし難いようで
見る間に女は組み伏されていく。

( ゚ω゚) 「ジー・・・」
Σ(^ω^;)「って見てる場合じゃないお。助けるお」

⊂( ^ω^)⊃ 「ブーン!」

両手を水平にして全速力で男に突進する。

  ドゴッ

( ^ω^) 「あ、当たったお。」

744 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 17:01:06.58 ID:dByB8ySU0

意外とクリーンヒットした攻撃に男は体勢を崩し、
女は開放された。
全力疾走で逃げていく女の後姿を見つつ少しだけ呟いた。

( ^ω^) 「可愛い子だったお…でもあの容姿ならまた
      いざこざに巻き込まれそうだお……
       まぁ立場は違えど、お互い頑張ろう、だお。」

後ろの空気が動いた。背中に衝撃が走る。
背の中心が熱い、熱い。アツい。
ナイフが突き立っていた…女を襲っていた男が無表情でナイフを引き抜き、
去っていく。

(;^ω^) 「刺さ・・・れた?」

自分の状況を理解した途端、視界が歪む。世界が回る。地面が近づく。
砂が口に入り、不味いと感じた。
しばらく荒い息を繰り返す。

10分くらいで何故か女が戻ってきた

ξ゚听)ξ「ちょ!アンタ。何刺されてんのよ!?」

(;^ω^) 「ちょwww何で・・・戻って…きてん・・・の?」

言葉がうまく出ない。息が乱れすぎている。

745 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 17:01:52.43 ID:dByB8ySU0
ξ゚听)ξ「とにかく救急車!」

走り出そうとした女を呼び止める

(;^ω^) 「大丈夫だお。」

ξ゚听)ξ「何言ってんのよ。そんな傷で」

( ^ω^) 「ボクはゴキブリだお…」

ξ゚听)ξ「はぁ?」

( ^ω^) 「ゴキブリは生命力が凄いんだお。だからボクだってこれしきの傷…なんともないお」

そういって無理やり体を起こし、颯爽と歩いて去っていく。
もちろん痛くないわけない。焼けた鉄の棒が背中をつついてくる感触。
本能的に分かったことが1つだけある…ボクはもう助からない。
だから見えないところで死んでやる。
ボクはゴキブリだから、ボクは虫けらだから。
蚊が死んで悲しむ人は居ない。
あの女の子のせいで、ボクが死んだと思われたくない。
女の子は呆然としている。よし、追ってこないな。

そうしてボクは公園の茂みに横たわり。
少しだけ、少しだけ微笑んで・・・呟く

( ^ω^) 「 ゴ キ ブ リ 万 歳 」

優しい闇がボクを包んだ
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