260 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:27:33.29 ID:A3Zhx80S0
M&A花盛りなこのご時勢。
地獄だって、例外ではないのだ。

('A`)「ほーら内藤、企業買収だよー。楽しいねえ」
m9( ^ω^)「プギャー」
ξ#゚听)ξ「……おい、今笑った奴ちょっとオモテ出ろ」
( ^ω^)「おぎゃー」
ξ#゚听)ξ「なに都合の悪い時だけ乳幼児化してんだコラ。てめコエンマか」

人間を殺して、地獄へ連れてくる。
それが、悪魔の仕事。
仕事、って概念が存在するんだから、会社も存在してたっていいじゃんかよ〜。たとえ地獄でもさ〜。

そういうわけで。
ツンが地獄の一丁目で切り盛りしてきた小さな会社『ツンデビ商事』は、経営難に陥ったあげく、
大企業『ポイズンコーポレーション』に買収されてしまったのdeath。

('A`)「俺社長」
( ^ω^)「俺専務」
ξ゚听)ξ「……あたしヒラ……」

('A`)「ついこの間までは女社長、それが今じゃかつてのライバル会社でこき使われてると」
( ^ω^)「みじめなもんだお」
ξ゚听)ξ「くっ……」

261 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:28:48.72 ID:A3Zhx80S0
がちゃっ。

ξ゚听)ξ「……ところで、なんで鍵かけてんの?」

不穏な空気を感じとったツン――いまや社長でもなんでもない、無力な一社員である彼女に、
権力をかさに着た二人の男がにじり寄る。

( ^ω^)「上司命令だお。そこのソファの上で服脱ぐお」
ξ゚听)ξ「な、何を……」
('A`)「逆らってもいいぜ?ただし、お前が前の会社から連れてきた部下達が、路頭に迷っても構わないならな」
ξ゚听)ξ「うぅ……わ、わかったわ、いえ、わかりました……」
( ^ω^)「いい返事だお。早速お前のアワビ味見させてもらうお」
('A`)「じゃあ上のお口は、俺のマツタケをたっぷり味わってもらおうか」
ξ////)ξ「あっ……あうぅ……」

ξ#゚听)ξ「って勝手な妄想すんなやゴルァ!!!」
('A`)( ^ω^)「ぐはっ!!!」
(’e’)「うわぁ〜〜〜」

ツンの怒りの鉄拳により、社長・専務ともに死亡。
巻き添えをくらって、社長秘書のセントジョーンズも死んだ。
そしてツンが新社長に就任した。おめでとー。

ξ゚听)ξ「はい、ポイズンコーポレーション乗っ取り成功」

262 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:30:28.36 ID:A3Zhx80S0
翌晩。
月に照らされる東京タワーの上に、人影があった。

ξ゚听)ξ「悪魔っ娘ツン参上!
    下等生物どもはまとめて、この尻尾でぶっ殺してやるわ!
    命が惜しけりゃ這いつくばって、あたしの靴をお舐めなさい!!あーっはっはっはぁ!!!」

ξ゚听)ξ「……ま、誰も聞いてないけどね」

真夜中の東京タワーに登る酔狂な奴など、正義のヒーローか悪者か自殺志願者くらいのものだろう。
ところが、いたのだ。
自殺志願者が。

( ^^ω)「……」
ξ゚听)ξ「……」

見つめあう二人☆

( ^^ω)「ホマホマ」
ξ゚听)ξ「きめぇ」

263 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:32:02.15 ID:A3Zhx80S0
( ^^ω)「ちょうど良かった。僕を殺してくださいホマ」
ξ゚听)ξ「はぁ?なんでよ」
( ^^ω)「生きてても、良い事なんてなかったからホマ」

飛び降りようと東京タワーに登ったものの、なかなか身を投げ出す勇気が出ないは瀬川。
最後に悪魔に出会えたことは、人生最大のラッキーだと思えるほどだった。

ξ゚听)ξ「……甘えんなカス」

ところが、ツンの返答はは瀬川の予想を裏切るものだった。

ξ゚听)ξ「こっちだってボランティアじゃないのよ。
    誰彼構わず見境なく殺すとでも?」

ξ゚听)ξ「私たちはねぇ、次なる優秀な悪魔候補を捜してんの。
    殺人・強盗・恐喝・窃盗・婦女暴行・密輸・放火。悪人こそが、地獄ではエリートたりえるのよ。
    てめえが過去やってきた悪事を言ってみろや。せいぜいつまみ食いで怒られた程度だろが」

ξ゚听)ξ「わかったら、とっととおうち帰ってネンネしなカスが。
    こちとら忙しいの、あんたみたいなクズに構ってる暇はないのよタコ!」

反論できない……というか、機関銃並みにまくし立てられ、口を挟むこともできないは瀬川を置いて、
自称キュートな悪魔っ娘セレブ☆は黒い翼を羽ばたかせ、夜の闇へ消えていった。

( ^^ω)「……」

( ^^ω)「忙しい人は、こんなとこで30分も決め台詞の練習なんかしないと思うホマ」

264 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:33:14.30 ID:A3Zhx80S0
社長ではあっても、ツンは現場――人間界をまわり、みずからの手で人を殺すことを好んだ。
トップがこういうタイプだと、部下は苦労するよね本当に。
暴れん坊将軍に出てくる、”じい”こと加納五郎左右衛門の気持ちがわかる今日この頃。
高島忠男以降の役名は知らん。

悪人を捜しつつ、空中散歩を楽しんでいるツンの耳に、男達の声が聞こえてきた。

「あ、兄貴ィィィ!」
「兄貴が殺られた!」
「てめぇ、何てことを!」
「お前も元はうちの人間だったじゃねえか……恩を仇で返す気か?!」

「何を! 先にちょっかい出してきたのはそっちだろうが!!」
「シチリアマフィア風情が偉そうな口きくんじゃねえ!」
「その野郎は自業自得さ。お喋りが過ぎたんだよ……ちょっとばかりな……」

ξ゚听)ξ「なになに、抗争の予感?
    度胸のある鉄砲玉がいるのかしら。期待できるわね!」

いそいそと現場に駆けつけたツンが見たものは。

『あぁっと、レッドカード!一発レッドで退場です!!」

ξ ;;)ξ「……」

ツンはフランスを応援していたようです。

265 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:34:39.37 ID:A3Zhx80S0
ドイツから、再び日本に戻ってきたツン。
また何やら犯罪の匂いをかぎつけた様子。

(´・ω・`)「楽しいだろ?人を埋めるのはさ……」
(;><)「た、楽しくなんかないです!」

ξ゚听)ξ「あーらアンタ達、こんな山の中でなにやってるのぉ〜?」

スコップを手に、ざくざくと土を穴に放り込んでいた二人組の前に、突如舞い降りた黒ずくめの女。
黒い角、黒い翼、黒い尻尾。
どうみてもあくm

(;><)「む、虫歯菌ですか?わかりません!」
ξ#゚听)ξ「わかれやボケ」

悪魔にとっては侮辱ともとれる発言をかました男に、さっきリプレイで見た頭突きをさっそく試してみるツン。
もんどりうって気絶しているところを見ると、かなりの効果があるようだ。

ξ゚听)ξ「ジダンありがとう。あなたの技は私が受け継ぐわ!いつでもかかってきやがれマテラッツィ!!」
ξ゚听)ξ「さてと、そこのアンタ」

ツンはもう一人の男に向き直った。雑魚はどうでもいい、主犯格はコイツだ。

(´・ω・`)「なんだい?」
ξ゚听)ξ「アンタ、ちょっと死んでみる気ない?」
(´・ω・`)「寝言ぬかすなぶち殺すぞ」
ξ゚听)ξ「なかなか骨がありそうね、嬉しいわ。
    地獄じゃアンタみたいな人材を欲してるの。どう?来る気ない?」

266 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:36:05.67 ID:A3Zhx80S0
ツンは男に近寄り、耳許に口を寄せて、甘い声でささやいた。

ξ゚听)ξ「もし一緒に来てくれるなら……、好きにしていいわよ」

やや童顔の可愛い系の顔に、成熟したボディ。
そこらの男なら、もうそれだけでふらふらとついて行きそうなものなのだが。

(´・ω・`)「女子供に興味はない」

ざんねん! おとこは ホモだった!
でもツンは引き下がりません。

ξ゚听)ξ「あら、そう。でもね、あたしが持ってるのはおま(ピーーー)だけじゃないのよね」

するりとツンの尻尾が動いて、男の目の前へと移動する。
黒光りする尻尾の先のとがった部分が、みるみる形を変えていく。
どうみてもおち(ピーーー)

ξ゚听)ξ「どう?」
(´・ω・`)「 や ら な い か 」
ξ゚听)ξ「把握した。さあ、とっとと後ろ向いてケツ出しな」

ズボンを下ろし、期待に満ちた表情でケツを差し出す男。

ξ゚听)ξ「いくわよ……」
(´・ω・`)「wktk」

267 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:37:30.77 ID:A3Zhx80S0
ザクッ!

(´・ω・`)「グフッ!」

(;><)「ゲ、ゲルググ?」

ツンの尻尾は、男のケツを……
ではなく、背中から心臓を正確に貫いていた。
飛び出した先端は、元の鋭利な形に戻っている。

ξ゚听)ξ「誰がてめぇの汚いケツなんかに突っ込むかっての。バーカ」

あっさり騙されてるあたりがやや心もとないが、人を生き埋めにするような男である。
悪魔候補としては充分であろう。
めでたしめでたし。

ひと仕事終え、さあ帰ろう!と飛び立ちかけたツンだったが、ふと何気なく穴を覗いてみて、目を見張った。

ξ゚听)ξ「あら、アンタは確か……」
( ^^ω)「ホマホマ」

東京タワーの自殺志願者が、なんでこんなとこで埋められかけているのか。
話を聞いたツンは、呆れ返ってしまった。

( ^^ω)「で、悪いことすれば、あなたに殺してもらえるかと思ったんだホマ」
ξ゚听)ξ「それでやった事が、バーボンハウスで無銭飲食かよ……」

その程度で地獄に行ける、と思ってるは瀬川も大概馬鹿である。
が、その程度で相手を生き埋めにしようとした挙句、己が地獄送りになってしまったバーボンハウスのマスターは、
さらに馬鹿というか間抜けというか哀れというか。

268 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/12(水) 01:39:16.89 ID:A3Zhx80S0
ξ゚听)ξ「あのねぇ……あたしが殺すのは悪党だけ、って言ったろうが。
    いい機会だから教えてやるけど、悪魔に殺された魂は、二度と転生できないのよ。
    生まれ変わってもまた悪党でーす☆っていう、救いようのない魂だってんなら、
    いくらでも流転の輪廻を断ち切ってやるけどね」

ξ゚听)ξ「アンタ程度の罪なら、わざわざ死んで転生しなくたって、
    現世で充分つぐなえるもんだろうが。
    その程度で悪魔に殺してほしいだなんて、思い上がってんじゃないわよクソッタレ」

再びマシンガントークを浴びせかけ、やれやれと溜息をついて飛び立とうとしたツンの背中に向かって。

( ^^ω)「……ありがとうホマ」

は瀬川が、意外な言葉を投げかけた。

( ^^ω)「僕にこんなにもかまってくれた人は、あなたが初めてホマ」

ξ゚听)ξ「……」
ξ゚听)ξ「……な」
ξ////)ξ「ななななにボケた事いってんの?!
    あ、アンタのために言ってんじゃないんだから!
    これ以上、アンタなんかに構いたくないから言ってるのよ! バッカじゃないの?!」

真っ赤になって捨て台詞を吐き、慌てて飛び立とうとしたツンは、木の枝に思いっきり顔面をぶつけて転落。
再び地上で痛みをこらえながら、なんとも気まずい時間を過ごしたのだった。

泣く子も黙る地獄の女社長・ツンの唯一の弱点。
それは、「感謝されること」だったのでした。
というお話だったのさ。
おしまい
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