686 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:39:18.48 ID:Ix4tQJ1w0
ξ゚听)ξ「起きてたの? アンタにしちゃ珍しいじゃない」

チャイムに呼ばれて出てみれば、顔を見るなりツンはそう言う
結構ひどい言い草だけど、僕にとっては褒め言葉
とはいえ、ニートや昼夜逆転、そういうことではないけれど

( ^ω^)「たまたまだったお。上がるといいお」

比喩やら皮肉じゃない意味で、僕は寝るのを仕事にしてる



+++ ( ^ω^)ブーンが睡眠代理人になったようです +++

688 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:39:57.75 ID:Ix4tQJ1w0
ξ;゚听)ξ「言われなくても……って、相当散らかってるわね」

あきれたように、と言うか、事実あきれてツンが言う
脱ぎ散らかされたパジャマ。食い散らかされたコンビニ弁当
一人暮らしの部屋なんて、平均的にはこんなものだ
こんなものだと思いたい

( ^ω^)「寝起きだからだお。ちゃんとするお」

ξ゚听)ξ「嘘つきなさい。私この部屋が片付いてるとこみたことないわよ」

(;^ω^)「既成事実ktkr」

ξ゚听)ξ「なんか臭いし。どうせオナニーしたまま放置して寝たんでしょ」

(;^ω^)「ちょwwwヒドスwwwwて言うか、ツン生々しいお」

ξ゚听)ξ「今年で私も19なんだから慌てないっつーの」

そう言いながら、てきぱきと片づけを開始するツン
ゴミを捨て、雑誌を積み上げて、僕もそれに倣う

689 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:41:09.68 ID:Ix4tQJ1w0
ツンとは、中学からの腐れ縁。時々こうして、寝てばかりで出かけもしない僕のところに訪ねてくる

ξ;゚听)ξ「ちょwwwナニコレwwww」

(;^ω^)「ちょwwwwwそれはブーン秘蔵の『女王様と犬』シリーズだおwwww」

ξ(゚、゚;ξ「早く片付けなさいよ、バカじゃないの」

(*^ω^)(モエスwwwww)

そんなこともありながら、部屋の片づけを終える
もちろん別にツンは片付けをしに来たわけではないのだけれど、
僕の部屋が常にカオスなので、半ば慣習となっている

一通り終わったらゲームの時間
遊ぶにしたってもう少し色気のある選択肢がありそうなものだけど、
昔からずっとこの調子。気取らないのが長続きの秘訣? どうだろう

690 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:41:39.95 ID:Ix4tQJ1w0
(;^ω^)「これはひどい。また腕を上げたお」

ξ゚听)ξ「最近はドクオかブーンしか相手にならなくて困ってるー」

ゲームしながら軽く雑談
ツンは大学大変らしい。ドクオは彼女ができた、と思いきや壷を買わされたとか
ショボンはバーボンハウスで海外遠征をかける準備をしているとかなんとか

ξ゚听)ξ「ブーンは相変わらず進歩の無い生活送ってるわよね」

僕は相変わらずしがない睡眠代行屋。確かに変化こそない毎日だけど、

( ^ω^)「これが最適の活用法だから問題ないお。そこで昇竜拳!」

ぼくは、他人の眠気を吸い取るという能力を持っている
こんな便利な超能力、活かさなきゃ損だ

ξ;゚听)ξ「いや、あんたのキャラはリュウじゃないし、そもそもこのゲームレースゲームよね」

Σξ;゚听)ξ「えええ、なんか出た!」

Σξ;゚听)ξ「K.O.! とか、明らかにおかしいでしょこのゲーム!」

( ^ω^)「任天堂はやることが憎いお」

ξ゚听)ξ「任天堂死すべし!」

691 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:42:02.04 ID:Ix4tQJ1w0
ξ(゚、゚ξ「君の生まれの不幸を悔やむがいい」

( ^ω^)「不幸だと!?」

ξ(゚、゚ξ「君は良い友人であったが、君が父上がいけないのだよ――昇竜拳!」

Σ(;^ω^)「なんか出たッ――! 貴様、謀ったなシャア!」

そんな感じで時間は過ぎて
いつしかすっかり日も暮れる

ξ゚听)ξ「あー、楽しかった」

(;^ω^)「5時間くらいやったかお? もう勘弁だお」

片付けた部屋が、飲み物と食べ物の残骸ですっかり散らかってしまった
片付けていると、チャイムが鳴る。そこで僕は思い出した

( ^ω^)「あ、今日はお得意様が来る日だったお」

ξ゚听)ξ「え、じゃ、私はこれ片付けてるから、応対して! 早く早く」

睡眠代理人のお得意様。扉を開けると、いつもの憔悴しきった顔がのぞく

692 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:42:28.10 ID:Ix4tQJ1w0
  ∧∧
 (,,゚Д゚)「ギコハハ、よう」

プログラマの、ギコさんだ。激務が多いので、利用回数も多い

( ^ω^)「散らかってるけど、とりあえず上がるお」

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「邪魔するよー、っと、あれ? 彼女さん?」

Σξ;゚听)ξ「彼女!? あ、いや、その」

( ^ω^)「慌てすぎだおツン。ギコさん、ツンは単に友達だお」

ξ(゚、゚ξ「(友達……)あの、邪魔しちゃ悪いから帰るわ」

( ^ω^)「そうかお? 気をつけて帰るお」

ξ(゚、゚ξ「うん」

そう言って、さっさと帰り支度を整えると、ギコさんに一礼して去っていくツン

( ^ω^)「今日は片付けありがとうお。助かったお」

ξ゚听)ξ「べ、別にいいわよそんなの! じゃあね!」

そう言うや、ツンは強く戸を締めて行ってしまう。ギコさんは笑っていた

693 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:42:49.45 ID:Ix4tQJ1w0
  ∧∧
 (,,^Д^)「青春してるねぇ」

( ^ω^)「そうかお? あ、今日はいつものかお?」

僕は尋ねる。ギコさんの一番頻繁な頼みは、眠気三日分だ
しかし、ギコさんは今日は首を振った

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「実はだな、チームの他の奴らの眠気も取ってやって欲しいんだよ」

( ^ω^)「そんなに大変なのかお?」

  ∧∧
 (,,ーД)「ああ。ミスも連発しててな」

/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 先輩、かえっていいすか?

   ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ( ・∀・)  ∧ ∧ < おめーのバグだろ、ゴルァ!!
 (  ⊃ )  (゚Д゚;)  \____________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (つ_つ__
 ̄ ̄ ̄日∇ ̄\| BIBLO |\
       ̄   =======  \

694 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:43:25.15 ID:Ix4tQJ1w0
( ^ω^)「わかったお。楽勝だお」

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「いや、楽勝ってお前、結構人数いるぜ?」

( ^ω^)「大丈夫だお」

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「そうか、じゃあ頼む」

そんな感じで、契約成立
僕はギコさんに着いて、ギコさんの勤める会社まで出向く

チームメンバー「この人が?」「大丈夫?」「そんなこと本当にできるの?」

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「俺が保障するぞゴルァ」


    じゃ、お願いしますね

 ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧  ∧__∧  ∧_∧  ∧∧  ∧_∧       
 ( ・八・ ) ( ・V・ ) ( ・ω・ )  (゚ー゚) ( ・∀・ )  ∧ ∧
 (    ) (    ) (     )  (   ) (    )  ( ゚Д゚ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (______ )______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄日∇ ̄\| TK80 |\ 
                               ̄   =======  \

(;^ω^)「こっち見んなwwwwwwwww」

695 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:44:05.00 ID:Ix4tQJ1w0
いや、こっちを見てくれないと仕事にはならないんだけど
僕は順番に、メンバーの人と額をあわせていく

∧_∧
( ・八・ )「おお、」

∧__∧
( ・V・ )「これは」

∧_∧
( ・ω・ )「眠気が」

∧∧
(゚ー゚)「醒めて行くわ!」

∧_∧
( ・∀・ )「これでジオンはあと十年戦える!」

696 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:44:24.91 ID:Ix4tQJ1w0
(;^ω^)「ちょwwwwこれはもうダメかもわからんね」

対する僕は物凄く眠くなっていた。
プログラマは激務だが、今日は一段と酷いらしい

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「お、おい、フラフラじゃねーか。もういいよ」

( ^ω^)「いや、約束は、やくそ……」

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「あーもー、俺の分はいいから! さっさと帰って寝ろ、ゴルァ!」

( ‘ω`)「すみません、お……」

目の下に濃いクマができているのに、

  ∧∧
 (,,^Д^)「なぁに、軽いもんさ、ギコハハハハ」

ギコさんは力強く笑って、僕を送り出す

697 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:44:58.61 ID:Ix4tQJ1w0
  ∧∧
 (,,゚Д゚)(かっこつけたはいいけど、今日で何日目だっけ)

∧_∧
( ・∀・ )「先輩、帰っていいっすか?」

  ∧∧
 (,,-Д-)(死ぬかも)

家に帰るなり僕はベッドに倒れ付した
すぐに、何も分からなくなった

698 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:45:36.06 ID:Ix4tQJ1w0







( ^ω^)「……見知らぬ、天井」

目を開けると、そこは自宅ではなかった。
なにやらカーテンで囲まれたベッド。消毒液のにおい

( ^ω^)「病院……?」

頭が上手く働かない。ボーっとしていると、廊下の方から声が聞こえた

???「フーン、うさんくさ。本当に効くわけ?」

???「胡散臭いなら持ち出すなよ! お前、だからこれは霊験あらたかな神社の土を捏ねて焼いて作った壷でだなぁ」

699 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:46:06.11 ID:Ix4tQJ1w0
???「いいわ、なんだって。ブーンが目覚めるかもしれないなら」

入り口から、声の主が顔を見せる

ξ゚听)ξ「ゼロナインシステムだろうがなんだろうが……」

そして、僕と目が合う
次の瞬間、目を合わせたまま固まったツンの手から大きな壷が滑り落ちて粉々に割れた

ξ;凵G)ξ「ブーーーーーーーーーーーン!」

そして、飛び込んでくるツン。目には一杯の涙を浮かべて、柄にも無く僕を抱きしめる

(*^ω^)「デレktkr」

(;^ω^)「じゃなくて、何がどうなってるんだお」


700 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:46:29.08 ID:Ix4tQJ1w0
('A`)「うわああああああ! 壷が! 俺の壷が!」

入り口でドクオが騒いでいる。デート商法の壷とやらはあれのことか

( ^ω^)「ドクオ、今北産業」

('A`)「あ、ブーン起きてる。やっぱり霊験あらたかだなこの壷」

( ^ω^)「いや、そうじゃなくて」

('A`)「『目覚めない、ブーン』『119、運び出した後』『ツン、看護の向こうに』」

( ^ω^)「把握した」

見れば手とかがずいぶんやつれている
寝っぱなしだとご飯が食べられない。当たり前と言えば当たり前だけど

ξ;凵G)ξ「バカじゃないの! バカじゃないの! 衰弱が激しくて、あと三日目覚めなかったら覚悟してくださいって言われたんだよ! バカじゃないの!」

(;^ω^)「ご、ごめんだお」

ひとしきり叫んで、ツンはまた泣き出してしまう
実感無いけど死にかけたらしい。運がよかった

701 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:47:04.33 ID:Ix4tQJ1w0
ξ;凵G)ξ「これで終わりなんじゃないかって……心配したんだからバカァッ!」

( ^ω^)「ごめんだお。ごめんだお」

ξ;凵G)ξ「許すわけ無いでしょ! バカ! バカ!」

抱きついてくるツンの体。いつもよりずっと、華奢に見えた
僕はそっと腕を回す。みれば、ドクオは肩をすくめた

('A`)「お邪魔見てーだな。起きたなら俺は帰るよ」

( ^ω^)「ありがとお。あと、壷ごめんお」

('A`)「あーいーよもう。どーでもいいよ全てが。カップル氏ねよ」

後ろ手に手を振って、ドクオは出て行った。後でお礼をしなきゃいけないだろう

ξ;凵G)ξ「うっ……良かった……良かったよぉ……」

ツンにも
こんなに、泣いてくれる人にも

僕は改めて、ツンの体を抱きしめた


End.

703 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/07/16(日) 13:47:48.24 ID:Ix4tQJ1w0
後日談

( ^ω^)「あ、後三日ってことは、ギコさんにもお礼しないとだお」

( ^ω^)「ギコさんが遠慮してくれなかったら死んでたお」

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「よぉ、熱いねご両人」

(;^ω^)「何でいるんだお」

  ∧∧
 (,,゚Д゚)「いや、あの後すぐ倒れたんだよ」

  ∧∧
 (,,^Д^)「死ぬとこだったらしいぜ、ギコハハハハ」

(;^ω^)「でけぇ、なんてでけぇ男なんだ」


本当にEnd。
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