321 すまん俺素人か sage New! 2006/07/08(土) 13:01:10.96 ID:6TonidcO0
ξ゚听)ξ「クー、ちょっと相談が……。」

川 ゚ -゚)「なんだ?私で良ければいくらでも力になるぞ。」

放課後、ツンが珍しくクーを家に誘った。
同じクラスになって四ヶ月、二人は学校ではいつも一緒にいるが、放課後や休日に一緒に遊ぶことは少なかった。
「美人だけど、どこかとっつきにくい。」
周囲からのそんな評価のせいか、友人が少ないわけではないが、特に親しい相手には恵まれなかったクー。
そんな自分に、相談にのってほしいという。
ツンが自分を頼ってくれた事が、クーは少し嬉しかった。

ξ////)ξ「実は私、内藤のことが、その、す、す、す……。」

川 ゚ -゚)「……す?」

巣? 酢? 好?
クーの頭を漢字が飛び交う。
抱きしめたクッションに赤くなった顔をうずめ、口ごもるツンを見れば一目瞭然。
どう考えても一番最後の文字です本当に(ry

川 ゚ -゚)「内藤をステーキにして食いたいのか? それとも酢豚? スキヤキ? 素股?」

ξ゚悲)ξ「んなわけないでしょ。」

茶化されたおかげで、かえってツンはいつもの調子を取り戻したようだ。
ひとつ息をついて、言葉を紡ぐ。

ξ////)ξ「……好きなの。内藤が。」

322 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/08(土) 13:04:18.15 ID:6TonidcO0
川 ゚ -゚)「……そうか。」

だろうと思った。思ったけれど……。
せっかく、ツンと今よりも仲良くなれるかと期待した矢先。
そのツンは、クラスの男子に恋をしているという。
一抹の寂しさを覚えながら、それでもクーはツンの恋を精一杯手助けしてやろう!と心に誓った。

川 ゚ -゚)「で、どうするんだ? 一人で告白するのが怖いなら、つきそってもいいが。」

ξ゚听)ξ「そんな! 告白だなんて……いきなりそんなの、自信ないわ。」

クーは耳を疑った。
自信がないって?
同性の目から見ても、ツンは顔も可愛いしスタイルも良い。
勉強もスポーツもできるし、明るくて真面目で一生懸命。
口は多少悪いものの、照れ屋なだけで、本当は優しい子だという事はクラスの誰もが知っている。

ξ゚听)ξ「私なんか、内藤にはふさわしくないんじゃないかと思って……。」

川 ゚ -゚)「何を言ってる。君はもっと自信を持っていい。
    君を振るような見る目のない男がいたら、私が叩きのめしてやる。」

ξ゚听)ξ「……ありがとう。クーにそう言ってもらえると嬉しい。」

頬を染めたり、不安そうに眉をよせたり。
嬉しそうに少しはにかんでみたり。
くるくると変わるツンの表情をながめながら、(やっぱり可愛い子だな。)とクーは思っていた。

323 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/08(土) 13:05:42.40 ID:6TonidcO0
ξ゚听)ξ「だけどほら、内藤ってちょっと変わってるじゃない?」

川 ゚ -゚)「うむ……まぁ……。」

クラスメイトの内藤ホライゾンを、脳裏に思い描いてみる。
人当たりが良く、素直でいつも笑顔を絶やさない内藤なら、ツンとお似合いかもしれない。
ただ、たまに突然「フヒヒwww」と、意味不明の思い出し笑いをするのが玉に傷か。
あれは恐らく、ゆうべのAVかエロゲの内容でも思い出しているのだろうな。
と、クーは結論づけた。

川 ゚ -゚)「いい奴だが、多少変態っぽいと言えなくもないな。」

ξ゚听)ξ「そうか……変態ね……。
     変態……変態……。」

川 ゚ -゚)「……ツン?」

突然、変態変態とぶつぶつ繰り返しだしたツンに、心配したクーが声をかけたその時。

ξ゚听)ξ「そうか!
    私も変態になればいいんだわ!!」

川 ; ゚ -゚)「……は?」

324 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/08(土) 13:06:51.78 ID:6TonidcO0
ξ゚听)ξ「ずっと考えてたのよ。どうして内藤と私がつり合わないと感じるのか。」

カーペットの上に放り出していたカバンからノートを取り出し、ツンはシャーペンを走らせる。
「=」で結ばれた両横には、片方に「内藤+X」、もう片方には「ツン」の文字。

ξ゚听)ξ「内藤が持ってて、私が持ってないものは何か。
     それを見つけられない限り、私は内藤にふさわしい女にはなれない、と思ってたの。
     でも、やっとわかったわ!」

「ツン」の文字の横に、「+X」を書き足す。
そして、もう一行。

『 内藤+X = ツン+X 』

『 X = 変態 』

ξ゚听)ξ「……こういう事だったのよ!」

何時間も格闘していた数式がようやく解けた時のように、ツンは晴れ晴れとした顔をしている。
一方、突拍子もない事を言い出したツンに、クーは二の句が継げないでいた。

川 ゚ -゚)(なんと言うか、真面目で頭が良い子だ、と今まで思っていたんだが……。)
川 ゚ -゚)(見方を改めねばいかんな。)

そうは言っても、ツンに対して呆れたり幻滅したわけではない。
おそらくクラスの誰も知らないであろう、ツンのちょっと意外な一面を、自分だけが見ることができた。
その事に、クーは小さな喜びを感じていた。

325 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/08(土) 13:08:08.06 ID:6TonidcO0
ξ゚听)ξ「だけど、ここからが問題だわ。どうすれば変態になれるのかしら……。」

大真面目に考えこんでしまったツンに、クーが助け舟を出す。

川 ゚ -゚)「無理に変態をめざさなくても良いんじゃないか?」

ξ゚听)ξ「え?」

川 ゚ -゚)「ひとくちに変態と言っても多種多様だ。互いの嗜好が噛み合わない事も多々あるだろう。
    しかし。」

ツンの書いた数式の「X」の文字を指しながら、クーは続ける。

川 ゚ -゚)「等号の反対側に移項すれば、プラスがマイナスになるように。
    『変態行為を行うもの』は、裏を返せば『変態行為をされる者』になる。つまりだ、」

ξ゚听)ξ「わかったわ。
     私は『変態行為をされる者』の道を極めればいいのね?」

川 ゚ -゚)「理解が早くて助かる。」

言葉を先読みして得意そうなツンの表情を見つめながら。
クーは、自分の奥底で何かがうごめいているのを感じ取っていた。

川 ゚ -゚)「そうと決まれば、まずは練習だ。」

ξ゚听)ξ「練習?」

326 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/08(土) 13:09:10.72 ID:6TonidcO0
川 ゚ -゚)「品行方正な君のことだ。変態行為など、した事もされた事もないだろう?」
    だが、今の無垢な君のままでは内藤にはつり合わない。」

ξ゚听)ξ「うっ……。」

川 ゚ -゚)「かと言って、他の男相手に『変態行為の経験値を積みたいから相手してぇ☆』などと、」

ξ゚听)ξ「い、言えるわけないでしょっ!!」

川 ゚ -゚)「ならば、私が相手なら?」

ξ゚听)ξ「……え。」

予想もしなかったクーの一言に、ツンが固まる。
クーは顔色ひとつ変えず、まっすぐにツンを見つめていた。

川 ゚ -゚)「君の恋路を手助けしたいんだ。」
    それとも、私が相手では嫌か……?」

ふっとクーが視線をそらし、うつむく。
半分は演技。しかし、半分は本当に自信がなかった。
クーだって、変態行為の経験があるわけではない。しかし、憧れは常にあった。
目の前の友人が見せる不安そうな顔、嬉しそうな顔、多彩な表情に接するたびに、
胸の奥で眠っていた欲望を揺り起こされたのだ。

ξ////)ξ「……その……お、お願いします……。」

普段の快活なツンからは想像もつかない、消え入りそうにか弱い声。
クーは思わず、ツンをぎゅっと抱きしめたい衝動にかられた。

327 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/08(土) 13:10:22.75 ID:6TonidcO0
ξ゚听)ξ「ねぇ、クー……わ、私だけなんて恥ずかしいよ……。」

川 ゚ -゚)「だが断る。」

二人の少女が、相対して立っている。
一人は下校時のセーラー服姿のままで、クローゼットから拝借したベルトを手にしている。
いま一人は、上半身はブラジャーのみ。
今まさに紺色のスカートのホックを自ら外し、足元へ落としたところだった。

ξ゚听)ξ「で、でも、やっぱり恥ずかs」

パァン!

ξ゚听)ξ「っ!!」

高く響いた音に、ツンがむき出しの肩をびくりと震わせ、目をぎゅっとつぶる。
二つ折りにしてたるませた革ベルトを、勢い良く左右に引いた音だ。
ツンの白く綺麗な肌を鞭打つつもりなど、クーにはこれっぽっちもない。
ただ、ツンにそれを伝えるつもりもない。
でないと、涙で目を潤ませ、怯えて震える彼女の可愛い表情を楽しめないじゃないか。

川 ゚ -゚)「恥ずかしかったら、向こう向いてもいいから。」

できるだけ優しい声色で、クーはささやいてみた。
アメと鞭のアメって、こんな感じで良いのだろうか……といささか不安ではあったが。
固く閉じたまぶたを開き、恐る恐るクーの表情を確認してから背を向けるツンを見つめていると、
クーの中に言いようのない愛しさがこみ上げてくる。
今、彼女の頭を占めているものは何だろう。
背後の相手に何をされるかわからない恐怖? それとも期待?
誰にも見せたことのない、ツンの新たな表情がこれから見られるのかと思うと、クーは胸の高鳴りを抑えられなかった。

328 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/08(土) 13:11:45.17 ID:6TonidcO0
( ^ω^)「作文の課題すすまNeeeeeeeee!」

( ^ω^)「って悩んでる時に限って、エロい話ばかり思いつくお。」

('A`)「YOUもうそれで書いちゃいなよ。」

( ^ω^)「把握した。」

そして内藤はカップラーメンを作っている間に話を書き上げ、翌日国語教師のショボンに提出した。

('A`)「よう、課題どうだった?」

( ^ω^)「いやいや、やばかったお。点数ひかれそうになったお。」

('A`)「mjd? 俺はあらすじ聞いた時点ではかなり萌えたんだが。」

( ^ω^)「1、ショボンはホモ
       2、そこへレズ話を持っていった」

('A`)「あー……すまんかった。そういやお前のクラスの国語ってショボンだったっけ。
   で、点数ひかれたのか?」

( ^ω^)「3、光速でクーとツンを流石兄弟に書き換え再提出→満点」

('A`)「そりゃ良かった。お前の成績的には。
    だがぜってー読みたくねぇwwwww」

さらに翌日の授業で、内藤の作文は模範例として、ショボンの手により学校全体に配布された。
そのまた翌日、体育館裏で流石兄弟の怒りの鉄拳を受けたブーンの死体が発見されたという。
おしまい
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