829 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/09(日) 22:13:16.82 ID:j66pk+IA0
さて……どうしたものか……。
僕は雨が吹き荒ぶ街を一人歩いていた……。

( ´ω`)「……ふぅ…。」

先程から出るのは溜息ばかり…本来ならば喜ぶべき事なのだが……。
いや…明日の“予定”自体は僕にとっても…嬉しい。
少々気が逸りすぎた感はあるが…彼女が承諾してくれた事は…
僕にとって今までの人生で一番嬉しかったことだ。しかし……

( ´ω`)「……はぁ…。」

本当に……どうしたものか……。
財布を見る。高校の頃から使っているもので多少ぼろくなっているが、愛着があるので未だに変える気はない。
問題は…中身だ……残金26812円。…世のお父様がたから見て、多いのか少ないのかは分からないが、
普段の僕の懐事情を考えれば、むしろ何時もより多いくらいだ。

( ´ω`)「……とぉ…。」

だが……僕の溜息は止まない……目的の物を買うにはまるで足りないからだ…。
そう…目的…そして明日の予定…………どう考えても足りない………。
当たり前の事だが…この金額で買える様な物はイミテーションしかないだろう…。

( ´ω`)「…………。」

仕方が無いので…僕はここに来た…僕には関係の無い世界だと思っていたが…
こんな形で来る事になろうとは……人生は分からないものだ……。

830 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/09(日) 22:13:48.59 ID:j66pk+IA0
( ゚∀゚)「……300万か……。」
( ´ω`)「……はい…お願いしますお…。」

長岡金融…身分を証明できるものさえあれば、即日で金を貸してくれる金融会社……。
そのかわり……法外な金利を吹っかける高利貸………つまりは違法の極悪金融っ……!

( ゚∀゚)「…奥さんに結婚指輪を買ってあげるため…若いのにたいしたもんだ…。」
( ´ω`)「……それで…貸していただけるんでしょうかお?」
( ゚∀゚)「…悪いが…今ウチにあるだけじゃ……少し足りないな……。」
( ´ω`)「……どうにかっ…!…どうにかなりませんかおっ……!!」

僕は彼女の事を思い出す…。まだ付き合って4日目だが、二人の気持ちは通じ合っている。
ツンっ………!君を悲しませるわけには行かないっ………!!

( ゚∀゚)「…待ってな…今同業に連絡してみる…
   手数料やなんかで少し高くなっちまうが…構わないか……?」
( ´ω`)「お願いしますおっ……!僕は…ツンを……ツンを悲しませるわけには行かないんですおっ……!!」
( ゚∀゚)「……そうか…。」

明日の結婚式に思いを馳せる……絶対に成功させなければならない……
…ツンを悲しませる訳には………いかないっ…………!!

831 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/09(日) 22:14:13.14 ID:j66pk+IA0
( ´ω`)「……本当にありがとうございますおっ…!」
( ゚∀゚)「何…これが俺達の仕事だよ…。礼を言われるような事じゃない……。それと……。」
( ´ω`)「……?」
( ゚∀゚)「明日は…成功するといいな……。おめでとうっ……!」
( ´ω`)「!……ありがとうございますおっ……!」

男が建物から出て行く…。バカな奴……。

( ゚∀゚)「くくく……いいぞもう……出てきて……。」
(・∀ ・)「へへ……。」

隣の部屋からオレの部下が出てくる…。

(・∀ ・)「しかし……なんというか……バカな奴ですねえ。
      ウチには300万なんて…いつも常備しているのに……。」
( ゚∀゚)「ああいう頭のゆだった奴ばかりだと大助かりだが…最近のガキは慎重だからな………。」


832 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/09(日) 22:14:34.97 ID:j66pk+IA0
別の部下がビールを持ってくる…軽く感謝の意を示して口をつける……。

( ><)「しかしちょっとかわいそうっていうか……。」
( ゚∀゚)「ん……?」
( ><)「あいつ借金返せないクチですよね……どっちかっていうと。」
( ゚∀゚)「ククク……そりゃそうだ……全然無理…だってよ………。」
( ゚∀゚)「さっきオレが結婚を祝ってやった時…あの時………あいつたぶん…オレのこと…。」
( ゚∀゚)「“いい人”だと思ったと思うんだよ。」
( ><)「いい人ですか……?わかんないですっ……!」
( ゚∀゚)「ククク……ああいうバカがいるから893は食いっぱぐれねえんだ。」

邪悪な笑みを湛える……奴のバカさ加減がおかしくてしょうがない……!

( ゚∀゚)「オレが“いい人”のわけねえじゃねえか………!」
( ゚∀゚)「……ククク……話にならねえ甘ったれ……この世界じゃそういうウスノロは………。」

いのいちに餌食………   ………喰い物

833 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/09(日) 22:14:56.85 ID:j66pk+IA0
僕はあの後すぐに結婚指輪を買い…家路に着いた……。
……今更ながら…とんでもない事をしてしまった気がする……。

( ´ω`)「……本当に良かったのかお…?」

焼きうどんをを啜りながら考える……何だかあの金貸しにいいようにやられた気になってくる……。
………でもいい人そうだったし………きっとこつこつ返せば大丈夫だろう……きっと…多分…おそらく……

( ´ω`)「…そんなことより明日の事について考えるお……。」

明日…結婚式があって……それから……それから………

(* ^ω^)「フヒヒッ……!テラエロスッ………!!」

僕の想像は主に結婚式後について妄想していたっ………!!

        そして夜が明けた!
    てーれーれーれーてってってー♪

834 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/09(日) 22:15:22.79 ID:j66pk+IA0
僕は結婚式場でガチガチに緊張していた…昔から人前に出るのは苦手だったからだ…。

(;^ω^)「つ、ツンは全然余裕そうだお。どうしてだお?」
ξ  )ξ「…そんなことないわよ…これからのことを思うととても緊張するわ…。」
(;^ω^)「ツン…風邪でも引いたのかお?声が何か変だお。」
ξ  )ξ「…なんでもないわ…緊張して寝れなくてちょっと体調崩しただけよ…。」
(;^ω^)「それに…なんだかいつもより逞しい気がするお?」
ξ  )ξ「…ちょっと…昨日寝れなくて筋トレしただけよ…。」
(;^ω^)「なんだか…僕より背が高くなってる気がするお…?」
ξ  )ξ「………気のせいよ…ヒールが高いだけ…。」
(;^ω^)「………ゴメンだおっ……!」

僕は勢いよく彼女のヴェールを剥ぐ……そこには……!!

ξ´・ω・`)ξ「みぃ〜たぁ〜なぁ〜!!!!!!!!!!!!!」
(;゚ω゚)「ひ…ヒギャ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!」
ξ´・ω・`)ξ「お前ちょっとこっち来いやぁ!!」
(;゚ω゚)「やめてッ!誰かッ!誰か助けてッ!!!!」
ξ´゚ω゚`)ξ「レッツくそみそ☆」

アッー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
………僕は野外でくそみそさせらるはめにな…って……し………………
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