26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/07(金) 00:05:48.31 ID:4rCrJd0VO
僕の名前はヒッキー。ははっ、皮肉にも名前通りの引きこもりさ。
毎日学校で苛められてた僕はいつしか学習意欲、そして生きる意欲を失っていった。

(-_-)「つまんないなあ…。」

今日もPCに張り付きVIPを見ている僕。
立つスレは馴れ合いや出会い厨、構ってちゃん…汚らわしい…!

(-_-)「一人が…一人が一番良いんだ!」

叫んでも日常は変わる事などない。部屋に響いた自分の声を聞いて空しさはますばかりだ。
解ってはいるが…無性に叫びたくなるんだ。

そんな僕にも母親がいた。父は早くに亡くなっている。

J( 'ー`)し「あの子また叫んでるわ…うぅっ…ヒッキー…。なにもしてあげられなくてごめんね…。」

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/07(金) 00:07:43.39 ID:4rCrJd0VO
(-_-)「またやっちゃったよ…。」

(-_-)「…母さん。」

こんな自分をいつも心配してくれる母には僕なりに感謝の気持ちを抱いていた。

そして…不幸は突然訪れる。

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/07(金) 00:10:30.04 ID:4rCrJd0VO
――ある日の午後

トゥルルルル

電話が鳴る。
いつも家に居る僕が電話番になるのは必至な事だった。

めんどくさそいけれども電話に出る。途端に自分の耳を疑った。

(;-_-)「母さんが…倒れた!?」

それは母親の同僚からの電話だった。
仕事中、体調がすぐれないことを訴え、しばらくして倒れたという。

二日間程風呂に入っていない僕だったが、羞恥心など頭によぎる暇もなく家を飛び出した。
母が担ぎ込まれた場所は近所の病院だという。僕は走った。
久しぶりの全力疾走はさすがに足にきたが、それも気にならなかった。

病院に着く。すぐさま受付に部屋番号を聞き、駆け出した。

29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/07(金) 00:11:26.48 ID:4rCrJd0VO
めんどくさそい×
めんどくさい○

('A`)見逃してくれ…

続き、投下する

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/07(金) 00:15:16.53 ID:4rCrJd0VO
バンッ!

(;-_-)「母さん!」

J( 'ー`)し「あらあら…コホッコホッ…来てくれたの…ヒッキー…。」

そこには…一年程前に見た時とは別人の母がいた。
腕はガリガリに痩せ細り、頬はこけ、髪はしなびている。
まるで母は老婆のようになっていた。まだ…38だというのに…!

(;_;)「母さん!母さん!なんで…なんで言ってくれなかったんだ!」

J( 'ー`)し「あなたが苛められて…引きこもりになっちゃっても…あなたは私の可愛い子供よ。
そんなあなたを働かせてまで楽したくなかったのよ…ごめんね、結局あなたに迷惑かけちゃっ…ゴホッゴホッ」

(;_;)「わかった!わかったからもう喋らないで!」

医者から聞いた母の症状の原因は…過労。
なんて事だ。僕の存在がそこまで母の負担になっていたなんて!

32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage New! 2006/07/07(金) 00:20:42.47 ID:4rCrJd0VO
その日から僕は変わった。母は極度の過労の為、数ヶ月の入院とリハビリのようなものが必要とされ、僕は独りになった。

もう、母に心配をかけるものか。もう、独りだなんて思うものか!
僕には恋人はいないけれど、最愛の母がいる。
幸せにしたい母がいる。

母が入院した次の日。
僕は外に出た。
向かう先は…どこでもいい。
右手にある履歴書を力強く握り締め、僕は駆け出した。


〜fin〜
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