43 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:33:39.67 ID:kMxxtxj7O
嬉しい時って、どんな時?

苦しい時って、どんな時?

楽しい時って、どんな時?

悲しい時って、どんな時?

私はねぇ、貴方の傍に居る時にそう思うの。
貴方って、間の抜けた顔していつも笑ってるのね。
私が話し掛けると、オロオロしてまともに話せなくなる・・・そんなところもいいな。

みんなでわいわい遊ぶのもいいけど、いつか2人きりで遊びたいよ。
なーんて、こんなことアイツに言えるワケない。
だって・・・恥ずかしいもの。
あ!来た!よし、今日こそ言うのよ。頑張れ、あたし!

( ^ω^)「⊂( ^ω^)⊃ ブーン」

ξ゚听)ξ「ブーン!」

(;^ω^)「どどど、どうしたんだお?いきなり呼び出して」

あぁ、呼び止めちゃった。もう後には引けないわ。
あの人もこっちを見てる・・・なんだか恥ずかしいなぁ。
でも、せっかく呼び出したんだもの。今日こそ伝えなくちゃ。

45 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:34:23.33 ID:kMxxtxj7O
ξ////)ξ「あ、あのね・・・」

( ^ω^)「お?」

ξ////)ξ「その・・・やっぱり無理!」

やっぱり恥ずかしい。あたしが告白だなんて、やっぱり無理なのかな?

ξ゚听)ξ「ただ呼んでみただけよ!勘違いしないでよね!」

あーあ、また言っちゃった・・・。
全然素直になんてなれないよ。いつも目の前でこうなっちゃう。
今度こそ嫌われたかなぁ。
何やってるんだろ・・・ただ「好き」って言うだけなのに。

( ^ω^)「そ、そうかお・・・」

( ^ω^)「ブーンはツンに言いたいことあるお」

ξ゚听)ξ「な、なによ?」

ダメ。嫌われた嫌われた嫌われた。ぜったいそう。
聞きたくなんてないよ!恋が終わっちゃう。

( ^ω^)「前からツンのこと見てたお。好きなんだお」

聞きたくない聞きたくない聞きたく――あれ?なんて言ったの?
あたしのことが好き?聞き間違いかなぁ。
あんなに酷い事言ったんだもの。そんなこと言うはず・・・

46 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:35:23.29 ID:kMxxtxj7O
( ^ω^)「ツン・・・好きだお」

聞き間違いじゃなかった。
今度は確かに聞こえた。好きだって、そう言ってくれた。
嬉しいよ・・・あたしも貴方が好きだから。

ξ;−;)ξ「グスン」

(;^ω^)「あわわわわわ・・・ゴメンおゴメンお」

違うの。嫌なんかじゃないのに、涙が出てくるの。
嬉しい涙なの。
やっぱり貴方といると、いっぱいの「嬉しい」が貰えるみたい。

ξ;−;)ξ「大好きよ、ブーン」

fin?

47 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:36:09.54 ID:kMxxtxj7O
(,,゚Д゚)「なぁ、ブーンとツンが付き合い始めたらしいぞ」

(;'゚;ё;゚`;)「ぼ、ぼくのツンちゃんが・・・そんなはずないよ」

(,,゚Д゚)「諦めろゴルァ!どっちにしろお前には不釣り合いだゴルァ」

誰もいない屋上で、二人は話をしていた。
特別仲がいい訳ではないが、たまにこうやって他愛もない話をする。
二人はツン――同じクラスの女子――に好意を寄せていた。

(;'゚;ё;゚`;)「ツンちゃんは渡さないよ!」

(,,゚Д゚)「いい加減にしろ。もう俺達にはツンを好きでいたらダメなんだゴルァ」

(;'゚;ё;゚`;)「そんなことない!好きな気持ちを遮るものなんてないんだぁぁぁぁぁぁっ!」

バタンッ、と勢い良く屋上の扉を開き、ピザは下へと下りていった。

(,,゚Д゚)「好きな気持ちを遮るものはない、か。」

手摺り越しに運動場を見下ろし、一人ごちる。
その目線の先には、今しがた出ていったはずのピザの姿が映っていた。

49 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:36:40.50 ID:kMxxtxj7O
――寒い。ここはどこだろ。
・・・あれ?身体が動かない。
何も見えないし・・・これは夢かしら?
夢ならもっと楽しいほうがいいのになぁ。
どうせなら、ブーンとあんなことやこんなことを・・・
なーんて、そんな恥ずかしいこと想像もできないわ!
――あ、どんどん寒くなっていくよ・・・。
早く夢が覚めますように。




50 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:37:21.21 ID:kMxxtxj7O
(;'゚;ё;゚`;)「さぁ、あとは待つだけだ」

暗く狭い部屋で、一人何かをしている。
外はもう夜を迎えていた。
部屋の窓ガラスは、室内外の温度変化で結露していた。
周りには、グロテスクな人体模型やホルマリン漬けの何かが陳列していた。

( ゚ω゚)「ツンはどこだお!」

突然部屋のドアが吹き飛び、一人の少年が飛び込んできた。
あたりをキョロキョロ見回し、何かを探している。

(;'゚;ё;゚`;)「うへへへへ。お前なんかにツンちゃんは渡さないよ」

( ゚ω゚)「お前が犯人かお!?」

少年が一枚の紙切れを突き付ける。
そこには、『理科室で待ってる。ブーンより』と書かれていた。

(;'゚;ё;゚`;)「ぼくとツンちゃんは、1万年と2千年前から愛してるからね。
なのに、お前が邪魔したんだ。
だから、もうお前の手が届かない所にしまっておいたよ。
もう、ぼくだけしか見ないんだ」

にやりと不気味に笑って、後ろ手で鉄の扉を開いた。
ぎぃっと音がして、その中からひやりとした空気が部屋へと流れてくる。

51 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:38:11.00 ID:kMxxtxj7O
(;'゚;ё;゚`;)「どうだい?ぼくのツンちゃん。綺麗だろ?」

話しながら、電気のスイッチを入れた。
一気に部屋が明るくなり、二人は眩しさで少し目を閉じた。

(;'゚;ё;゚`;)「愛してるよ」

その声にはっとして、少年は扉の向こうに目を向けた。
そこには、全身が凍り付き、氷像と化したツンの姿があった。

( ゚ω゚)「お前が、お前が!!」

少年は近くにあったバーナーを手に取り、ピザへと飛び掛かった。

(;'゚;ё;゚`;)「そうくると思ったよ」

動きを予想していたのか、見かけによらない機敏な動きで身を躱す。
その流れに任せて、隠し持っていたハンマーを振り下ろした。
ぐしゃ、という音がして、辺りは静けさを取り戻した。

(;'゚;ё;゚`;)「邪魔者は消えたよ。これで、永遠に愛し続けられるね」

脳のはみ出た少年を蹴り飛ばし、氷像に頬摺りをする。
くっつけた肌は氷に張り付き、動くたびにべりべりと皮が剥がれた。
ぽたぽたと血を垂らしながら、なお頬摺りをし続ける。

52 ◆dOKfgIN.m6 sage New! 2006/07/07(金) 00:38:55.20 ID:kMxxtxj7O
(;'゚;ё;゚`;)「ツンちゃん・・・ツンちゃん・・・愛してr」

ごしゃ、と鈍い音がし、先程まで頬摺りしていたピザが地面へと倒れた。
少年と同じように、頭から脳をはみ出させ、糸の切れた操り人形のようにピクリとも動かなくなった。

(,,゚Д゚)「・・・ツン。俺だって、お前のことが・・・」

そう言って、内側から扉を閉めた。
そして、床に転がっているボンベを拾い上げ、栓を開ける。

(,,゚Д゚)「・・・」

どんどんと白い霧が噴き出し、部屋を白く染めてゆく。
空気が凍り、血が凍り、死体が凍る。
全てを凍結させながら、ギコはツンに口付けをした。

END
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