210 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:18:53.31 ID:efAb6RYaO
ξ*゚听)ξ「かっこいいよねー、ディカプリオ」

どうやらツンは今更レオナルドディカプリオにはまってしまったようです。
ただ、隣の内藤はディカプリオを知りません。
ツンが大好きな彼は、血相を変えて彼女に問い詰めました。

(;^ω^)「デ、デカプリオって誰だお!?」

ξ#゚听)ξ「デカプリオじゃなくてディカプリオ!
……あーあ、あんたがディカプリオだったらよかったのに」


211 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:19:43.77 ID:efAb6RYaO
ぽつりと洩らしたツンに、内藤はなにやら思案顔。

( ‐ω‐)「……ぽく、ぽく、ぽく」

(  ゚ω ゚)「チーン!
『視』えたお!デカプリオの成り方!!」

内藤は閃くとそのまま両手を広げて物凄い勢いで走り去りました。

ξ;゚听)ξ「……ま、いいか。
じきに帰ってくるでしょ」

一人とり残されたツン。
ブーンが帰って来たらぶっ飛ばしてやろうと考えながら彼女は、とぼとぼと去りました。
一方その頃内藤は。


212 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:20:33.16 ID:efAb6RYaO
(#^ω^)「うおぉぉ!高橋名人の十六連射あぁぁ!!」

親友、ドクオの家のチャイムを乱打していました。
あまりの喧しさに耐えかねて、ドクオが飛び出してきます。

('A´#)「うっせーよ!!って、――なんだ、ブーンか。
何の用だよ?」

さすが内藤の親友です。
彼の非常識な行動に怒りもしません。
いや、呆れているのでしょうか。

( ^ω^)「いきなりだけどレオナルド・デカプリオについて教えてくれお!」
('A`)「あー、いたなぁ……」

内藤の質問にドクオは首を傾げました。
彼は不必要な情報を記憶しないのです。
だがしかし、ドクオは親友の為に必死で脳の引き出しを開けました。


213 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:21:36.93 ID:efAb6RYaO
('A`)「たしか、炊いた肉とか言う映画に出てたな……。
美味しんぼのパクリじゃね?
後は思い出せん」

(#^ω^)「相変わらず使えねぇ奴だお!
死ね!!」

所詮ドクオの引き出しなどこの程度です。
内藤は舌打ちしつつドクオの前から去りました。
ドクオはただ立ち尽くすだけ。

('A`)「通報しますた」


214 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:22:31.86 ID:efAb6RYaO
『バーボンハウス準備中』

(#^ω^)「人が困っている時に……っ!」

もう一人の親友、ショボン。彼の店の前で内藤は地団駄を踏んでいます。
チャイムを押してもうんともすんともいいません。

( ^ω^)「おまんこ!
まんこー!!まんこー!!
セックス!!」

大声で淫語を叫ぶ内藤に周りの人が哀れみの目を向けますが気にしません。
押してダメなら引いてみろ、です。

(;´・ω・`)「おい、ブチ殺すぞ」

慌ててショボンが飛び出してきました。
作戦成功です。


215 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:24:55.77 ID:efAb6RYaO
さて、バーボンハウスに腰掛けた内藤とショボン。

(´・ω・`)「うーん、炊いた肉に、ディカプリオ……ね。
その映画なら見たよ。
ほとんど寝てたけど」

これは僥倖です。
内藤は飛び掛からんばかりの勢いでショボンに詰め寄ります。

(;^ω^)「ハァ、ハァ……。
さっさと教えるお、ショボン……」

(;´・ω・`)「う、うぁっ……。
も、っと優しく……。
た、たしか……画家で。
ウゥッ……手錠に、繋がれてた……」

バーボンハウスから出てきた内藤の顔はなぜかすっきりしていました。
照りつける太陽に手をかざし、無駄に爽やかな演出です。

( ^ω^)「よーし、これでデカプリオになれるお!!」


217 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:25:50.44 ID:efAb6RYaO
『ツンー!ツンー!』

ξ#゚听)ξ「あ、帰ってきた!
ぶっ飛ばしてやるわ!」

急いで立ちあがり、玄関の鍵を開けるツン。
拳骨を握り締めた彼女が見たものとは。

ξ;゚听)ξ「あ、あんた、何してきたのよ……」

そこにはベレー帽をかぶり、筆を持った内藤と、彼を手錠で繋ぐお巡りさんがいました。
お巡りさんはドクオが通報した人です。

(*^ω^)「どうだお!?デカプリオみたいかお!?」

ξ;゚听)ξ「え!?
あー……。うーん……」

困惑するツン。それも無理はないでしょう。
なぜならば。


218 レオナルドになりたかった( ^ω^) New! 2006/07/03(月) 21:26:36.94 ID:efAb6RYaO
「あの、この人あなたの恋人ですか?」

ξ゚听)ξ「違います」

こう答えられなくなりますから。
ドアは無情に閉められました。
かちゃりと鍵の音もします。

(;^ω^)「ちょ、ツン!?
ツーン!!」

「はーい、暴れると出るのが遅くなりますよー」

あゝ無情。
どんなに頑張っても人種の壁は越えられない、というお話でした。

終わり

inserted by FC2 system