377 ◆ASKACqCsvQ New! 2006/07/01(土) 23:25:26.07 ID:7MnfPsH/0
「夜、山の頂上にて。」

一つ、あなたが指差す先には、一つ。
輝く星が一つ、一つだけ・・・?ううん、違う。沢山あるわ。
だけど、より一層輝いてるのは、一つだけ。
('A`)「あの星は、北極星だな。」
ξ゚听)ξ 「ほっきょくせい?」
('A`)「うん、北極星。あの星があるのは、北なんだって。」
ξ゚听)ξ 「ふーん・・・。」
('A`)「だから、昔の人が方角を知りたい時とかはあれを探したんだってさ。」
ξ゚听)ξ 「・・・昔は、夜空が綺麗だったのかな?」
('A`)「だろうな・・・。」
ξ゚听)ξ 「昔に、生まれたかったな・・・。」
そういって、私は空を見つめる。

378 ◆ASKACqCsvQ New! 2006/07/01(土) 23:25:52.83 ID:7MnfPsH/0
一つ、あたしが指差す先には一つ。
輝く月が一つ、一つだけ・・・。まん丸のお月様が一つ。
ξ゚听)ξ 「みて、満月だわ!」
('A`)「本当だな。見事な満月だ。」
ξ゚听)ξ 「私の家、ビルに囲まれてるから、空なんかいつも見れないのよ・・・。」
('A`)「あ・・・そうだな。日が射すのは、午前中だけだしな。」
ξ゚听)ξ 「そうなの・・・。やっぱり、私。田舎に住みたいな・・・。」
('A`)「俺も、住みたいよ。でも、仕事が無いんだもんな・・・。」
ξ゚听)ξ 「それは、しょうがないわよね。」
('A`)「金に困らなくなったら、いつか、住もうな。」
ξ゚ー゚)ξ 「うん!」
達成できそうに無い約束をしてみる。

379 ◆ASKACqCsvQ New! 2006/07/01(土) 23:26:28.84 ID:7MnfPsH/0
二人で同じ空を見ている。
二人で同じ星を見ている。
二人で同じ月を見ている。
二人で同じ夢を見ている。

いつも、二人で。
この先、ずっと先、生きていけたら、幸せだねと、私は静かに思った。
何十年経っても、顔立ちや、髪の毛が変わっても、二人だけは、変わりたくないね。

380 ◆ASKACqCsvQ New! 2006/07/01(土) 23:26:48.68 ID:7MnfPsH/0
風が吹くたびに、草たちは揺れて、掠れる音を響かせる。
雑音が無いから、その音がやたらと大きく聴こえる。
ξ゚听)ξ 「ちょっと・・・寒くなってきたわ・・・。」
('A`)「少し、寒いな・・・。帰るか?」
ξ゚听)ξ 「うん。」
身をかがめ、返事をした。

・・・暗い夜道。少し怖いから、暖かいあなたの肩に、寄り添った・・・。

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