598 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:26:24.48 ID:Ap/mT0hiO
むかしむかし、三匹の雌豚、クー、ペニサス、貞子のおかぁさんが死にかけていたそうな。

ξ;;)ξ「うぅ、みんな……。
ごめんね、カーチャン弱くてごめんね」

川;д;川川 ; -;)(;、;*川「おかぁさーん!!」

三人の必死の問い掛けも虚しく、おかぁさんは満足そうな笑顔を浮かべ、天に召されました。
こんなに親孝行の娘たちに看取られ、おかぁさんは幸せだったでしょう。

('、`*川「さて、財産分与を始めましょうか」

川 ゚ -゚)「マイホームを建てられるだけあればいいのだが……」

川;゚д川「うわぁ〜……」
ξ#゚听)ξ(……このクソガキども祟ってやる)


599 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:27:09.06 ID:Ap/mT0hiO
おかぁさんの亡霊が三人を恨めしげに見ていましたが、雌豚達はちっとも気付きませんでした。
――いや、クーがおかぁさんの存在に気付いたようです。

川 ゚ -゚)「悪霊退散!!」

ξ )ξ(ぎゃあぁぁああぁ!!)

クーが粗塩を部屋の一角にばらまくと、世にも恐ろしい悲鳴が部屋中に響き渡りました。
浄霊完了です。

('、`*川「さっすがねぇさん!」

川 ゚ -゚)「ふ、伊達にあの世は見てねぇぜ」

川;゚д川「……」

('、`*川「さ、財産分与の続き続き♪」

川 ゚ -゚)「これは凄い。
かなり溜め込んでいたな」

600 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:27:50.94 ID:Ap/mT0hiO
呆れ果てている貞子の前で財産分与はどんどん進み、そして、無事に終わりました。

川д川「あ、の……私の分が」
('、`*川川 ゚ -゚)「あん!?」

川;д;川「……なんでもないです」

ありあまるお金を手にした二人は、早速家を出て行き、夢のマイホームを建てる計画を練り始めました。
立派な一戸建に、大きな庭。
おかぁさんが残してくれた遺産は、夢を容易にかなえてしまいました。

('、`*川川 ゚ -゚)「マンセー、マンセー!」

川;д;川「ううぅ……」

さぁ、新居が完成した今、こんな汚い家にはいられません。
引っ越し!さっさと引っ越し!!シバクぞ!!です。

(*^ω^)「おっおっお。
いいもの見ちゃったお」


601 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:29:17.79 ID:Ap/mT0hiO
以前から三匹の雌豚を狙っていた悪い狼が電柱の影から目を輝かせています。
三人一緒だと諦めていましたが、個別になれば話は別。

(*^ω^)「僕の上の口で食べて、下の口で僕のフランクフルトを食べさせてやるお!」

よだれを垂らしながら腰をカクカクさせるその姿は、まさしく変態さんです。
彼は雌豚の長女、クーの後をつけ、新居の前で夜を待ちました。
さて、狙われているとは気付いていないクーはというと――。

川 ゚ -゚)「ふふふ。
かぁさん、死んでくれてありがとう」

豪華なソファにバスローブとワイングラス。
これが人生の勝利者です。
クーがシャトー・マルゴーに口を付けた時に、来客を告げるチャイムが鳴りました。

川 ゚ -゚)「クソッ。
一体誰だ」


602 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:29:59.74 ID:Ap/mT0hiO
名残惜しげにグラスを置き、玄関のレンズを覗いたクー。
そこには大嫌いな狼が立っていました。

川#゚ -゚)「帰れ」

そう言われて引き下がる狼じゃありません。
懐からピッキング道具を取出し、いとも簡単にドアを開けてしまいました。
さすがのクーも慌てて逃げだします。

(*^ω^)「おっおっお。
裸足で駆けてくサザエさんだお」

狼がクーの後を追い掛けます。
全裸で。

クーの向かった先は妹、ペニサスの所です。
防犯対策にうるさいペニサス。
もちろん新居もピッキングなど目じゃありません。

('、`*川「ま、大船に乗った気でいてよ」

川;゚ -゚)「う、うむ」

どこか不安そうなクー。
そう、これで終わるはずが無いのです。
いきなりペニサスの新居の壁が吹っ飛びました。
砂塵の先には一台のダンプカーが鎮座していました。
運転席にいたのはもちろん狼。


603 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:30:38.31 ID:Ap/mT0hiO
(*^ω^)「おっおっお。
さぁ、覚悟するお〜?」

ダンプから狼が出てきました。全裸で。

川;゚ -゚)('、`;川「う、うわぁぁぁぁあ!!」

二人は慌てて逃走を始めました。
狼は逃げ去る二人をゆっくりと眺め、ダンプに乗り込みます。
豚狩りの再開です。

(*^ω^)「おっおっお。
こんな簡単な狩りはないお〜」

握るハンドルは軽やか。
もうすぐ三人一緒に頂けるからです。
とりあえず家をぶっ飛ばし、その後で弱った雌豚達を食べちゃいましょう。

(*^ω^)「楽しみだお……じゅる」


604 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:31:27.03 ID:Ap/mT0hiO
雌豚達のかつての家が見えてきました。
狼は更にアクセルを踏み込みました。

(# ゚ω ゚)「I't show time!!」

老朽化した家にダンプが突っ込み、一瞬で家を粉々に砕きました。
三匹の雌豚の事などお構いなし。
狼はそれほど興奮していました。

(# ゚ω ゚)「ムフー、ムフー。
さぁ、どーこーだーおー?
めーすーぶーたーちゃーんー?」

瓦礫と化したかつての家で狼が徘徊します。全裸で。
すぐに狼は異変に気付きました。

(; ゚ω ゚)「あ、あいつらは一体どこだお!?」

そう、三匹の雌豚が居ないのです。
狼は手当たり次第に瓦礫を引っ繰り返しましたが、見つかりません。


605 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:32:19.71 ID:Ap/mT0hiO
その内に騒ぎを聞き付けたパトカーの音が近付いてきました。

(;^ω^)「うへ、テラヤバス。
とりあえずダンプの下に行って……おぉ?
――ナイスだお!」

狼がダンプの下で見たのば古びた井戸。
なるほど、雌豚達はここにいるに違いありません。
狼は迷わず飛び込みました。

(*^ω^)「おっおっお。みぃーつけた」

でも、狼の想像と雌豚達は違いました。

川 ゚ -゚)「あ〜、きちゃったか」
('、`*川「食いたきゃ食えばぁ?」
川;д;川「……ごめんなさいごめんなさい」

(;^ω^)「……い、嫌な予感がギュンギュンするお……」

井戸の遥か上には皆が騒いでる音が微かにします。
いくら叫んでも雌豚達と狼の声は届きません。
やがて蓋が閉められ、井戸の中は真の闇に閉ざされました。

終わり

606 三匹の雌豚 New! 2006/06/29(木) 21:33:04.67 ID:Ap/mT0hiO
「ちょ、欝エンドかお!?」

「あー、響くから騒ぐのはやめてくれないか」

「ねぇねぇ、みんなで上に呪いを送らない?」

「……みなさん。
……泥おいしいですよ泥」
「「あ、本当だ(お)」」

数十年後、拡張された井戸の底から年老いた三匹の雌豚と狼。
それに沢山の子供達が救出されたとさ。

ほんとにおしまい


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