77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/24(土) 23:16:22.82 ID:0/Dhex+F0
ゴキブリ完成した

87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/24(土) 23:25:03.90 ID:0/Dhex+F0

梅雨の合間に覗かせた太陽。
久しぶりに晴れた日曜日。

だというのにツンは予定もなく、家でゴロゴロしていた。

ξ゚听)ξ「あ〜暇だわ……」

ξ゚听)ξ「ブーン何してるかしら……ん?」

連絡を取ってみようと見上げた視界の端に、黒い塊が映った。

ゴキ「……」

ξ;゚听)ξ「ぎゃああああああああ!!!!!」

ゴキ「!!」

反射的に手に取った雑誌を今にも振り下ろさんとしたそのとき……

ゴキ「ちょ、待って!! 話を聞いて!!」

ξ;゚听)ξ「喋ったあああああああ!!!!!」

バシーン!!

ゴキ「ぎゃああああああああああ!!」

ツンは構わず雑誌で叩き潰した。

88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/24(土) 23:25:21.13 ID:0/Dhex+F0

ゴキ「ちょ、マジ死ぬ!! 死ぬって!!」

なんとか致命傷を避けたゴキブリは、雑誌の隙間から這い出てツンに懇願した。

ゴキ「話だけでも!! 話だけでも聞いてください!!」

ξ;゚听)ξ「……」

前足を頭の前ですり合わせ、
人間が土下座しているように見えたゴキブリにツンは……

ξ;゚听)ξ「キメエwwwwwww」

より一層殺意を覚えた。

89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/24(土) 23:26:32.55 ID:0/Dhex+F0

雑誌を構え、臨戦態勢のままツンは喋るゴキブリに話しかける。

ξ;゚听)ξ「……最後に話だけでも聞いてやるわ」

ゴキ「あ、ありがとうございます!! 実は……」

ゴキ「この家には私一匹しか残っていないんですよ」

ξ;゚听)ξ「……は?」

ゴキ「昔から言うじゃないですか? ゴキブリ一匹見たら百匹居ると思え、って」

ξ;゚听)ξ「……」

ゴキ「それなのに……あなたの家は綺麗すぎて、皆私を残して出て行っちゃったんです」

ゴキ「この家において、ゴキブリは過疎ってるんです」

ξ;゚听)ξ「だから??」

ゴキ「後生です!! 私もすぐに出て行きます!! だからここは見逃してもらえないでしょうか……」

ξ;゚听)ξ「……」

ゴキ「お願いします……」

90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/24(土) 23:28:05.28 ID:0/Dhex+F0

ξ;゚听)ξ「……ふぅ、仕方ないわねぇ」

ゴキ「!! それじゃあ……!!」

ξ゚听)ξ「見逃してあげるわよ。ゴキブリとも初めて喋ったしね」

ゴキ「ありがとうございます!!ありがとうございます!!」

ゴキ「(クックック……馬鹿め、箪笥の裏には三十匹の子供たちがいるのよ!!)」

ゴキ「……あれ? どうしたんですか? 戸締りなんかして……」

ξ゚听)ξ「出かけるのよ。あんたもさっさと出て行きなさいよ」

ゴキ「は、はい」

91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/24(土) 23:28:21.12 ID:0/Dhex+F0

ξ゚听)ξ「五分後か……最近のは便利よね、タイマーセット式だって」

ゴキ「へ?」

ξ゚听)ξ「なんでもないわ。じゃあね」

ゴキ「あ、はい!! ありがとうございました!!」


ゴキ「ククク……、おいお前ら出て来い!! 今日は無礼講だぜ!!」

子ゴキ「ねぇお母ちゃん、あれなあに??」

ゴキ「ん? あれって……?」

92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/24(土) 23:28:52.05 ID:0/Dhex+F0

ξ゚听)ξ「便利よね……最近のバルサンって」



ぎゃあああああああああああああ!!!!



ツンの家のゴキブリは過疎っているようです

              〜完〜
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