413 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:13:01.85 ID:TDrgSldk0
( ^ω^)ブーンがエントロピー増大の法則に挑むようです


エントロピー増大の法則とは何か?
その前にエントロピーとは何か?というところから説明しよう。

エントロピーとは「無秩序の度合いを示す物理量」のことである
そして、「自然は常に、エントロピーが『小さい→大きい』という方向に進む。」
これをエントロピー増大の法則と言う。

具体的に説明すると「エントロピーが小さい」というのは「部屋が片付いている状態」であり、
「エントロピーが大きい」というのは「部屋が散らかっている状態」である。

これを踏まえてエントロピー増大の法則を具体的に説明すると
「部屋を放っておくとどんどんと散らかっていき、
その散らかった部屋はひとりでに片付くことは無い」ということである。

では、この法則が本当であるのか挑む1人の青年を紹介しよう。内藤ホライゾン。通称ブーン。
VIP大学に通う1人暮らしの青年だ。彼の1日の行動を追ってみよう。

414 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:13:56.46 ID:TDrgSldk0
【AM7:00】

ジリリリリ。

( ^ω^)「おっおっおっ。」

目覚ましの音で目が覚めたブーンは、
いつものように買いだめしていたインスタントラーメンで朝食を済ませた。
この部屋にはゴミ箱などはなく、ブーンが食べ散らかしたゴミや雑誌がそのまま部屋に放置されている。

( ^ω^)「さて、そろそろ大学に行くお。」

ブーンは足の踏み場も無いほどのゴミの山を気にすることもなくマンションを出た。

415 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:14:32.36 ID:TDrgSldk0
【PM12:30】

大学の学食でブーンは友達のドクオと食事していた。

('A`)「おまえまだエントロピー増大の法則に挑んでるのか?」

( ^ω^)「そうだお。散らかっていく部屋がひとりでに片付くことは無いってのが本当なのか試してるお。」

('A`)「XBOX360おまえしか持ってないからやりに行きたいんだけどなぁ。あのゴミ屋敷には行きたくないぜ。」

( ^ω^)「ごめんだお。」

('A`)「あ、そうだ。今日のコンパには来るんだろ?」

( ^ω^)「うん、行くお!」

416 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:14:57.30 ID:TDrgSldk0
【PM20:30】

コンパ会場である飲み屋の黒木屋。

( ^ω^)「ドクオさんのちょっとイイとこ見てみたい!!」

ブーンのハイテンションのかけ声でドクオが大ジョッキのビールを一気に飲みしていく。
コンパに集まった人達の視線がドクオに集まる。
そして、ドクオは大ジョッキのビールを全て飲み干した。

('A`)「ブハァァッッ!!!」

(*゚ー゚)「うわー、ドクオ君すごーい。お酒強いのねー。」

('A`)「へへっ、すげーだろ。」

だが、ドクオの顔は青白かった。

417 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:15:25.64 ID:TDrgSldk0
【PM22:50】

コンパの帰り道。街灯に照らされた夜道をブーンとドクオは歩いていた。
ドクオはかなり顔色が悪く、足もふらついていた。

('A`)「ウプッ・・・。」

( ^ω^)「ドクオ大丈夫かお・・・。」

('A`)「ちょっと張り切りすぎたみたいだな・・・ウウッ。」

ドクオは電柱によりかかるとそのまま地面にコンパで飲み食いしたものを吐いた。
ブーンはドクオの背中をさする。

( ^ω^)「僕の家近いから泊まっていったほうがいいお。」

('A`)「そ、そうだな。すまねえ。ゴミ屋敷だけど文句は言ってられないな・・・。」

ドクオはブーンに肩をかりてゆっくりと歩きだした。

418 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:16:37.25 ID:TDrgSldk0
【PM23:00】

( ^ω^)「あそこの角を曲がったら僕のマンションだお。あと少しだお。」

('A`)「・・・。」

歩いている途中に何度も吐いたドクオはぐったりして無言になっていた。
ブーンが曲がり角に差し掛かるといつもと違う違和感を感じた。

( ^ω^)「あれ?なんか明るいお??」

ブーンが不思議に思い角を曲がるとブーンのマンションが赤々と燃えていた。

( ^ω^)「・・・。」

('A`)「・・ちょ。おまえのマンション燃えてるぞ!」

気分が悪かったドクオもさすがにこの状況を見て驚いたらしく思わず声を発していた。

419 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:17:16.49 ID:TDrgSldk0
ブーンが住んでいたマンションが燃えているのにブーンは全く悲しい素振りを見せない。
むしろ嬉しくてしょうがないという表情になっていた。そして、拳を握り締め叫んだ。

( ^ω^)「エントロピー増大の法則破れたり!」

('A`)「はぁ??」

( ^ω^)「『散らかっていく部屋がひとりでに片付くことは無い』ということはなかったんだお!
僕の部屋はこれで片付いたんだお!」

('A`)「い、いやまあ、跡形もなく無くなりそうだけどな。おまえの部屋・・・。」

ブーンは満面の笑顔で燃え尽きていくマンションを眺めていた。

420 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/25(日) 21:17:54.09 ID:TDrgSldk0
さて、これがブーンの1日の行動である。

部屋は片付いたかもしれないが火事の炎がブーンの部屋を燃やし尽くした。
その炎のエネルギー分のエントロピーが増大しているため、
部屋全体のエントロピーとしては、増大しているのである。

よって「エントロピーの増大の法則」は今も健在であり、
ブーンの部屋はただの燃えた損であるのは言うまでも無い。




『終わり』

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