139 Mr.Dの悲劇 New! 2006/06/25(日) 00:23:57.45 ID:N5xeDp6w0
日付も変わったことなので、投下させていただきます。
前作と比べ、成長が見られるなら嬉しいのですが・・・。
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('A`)「ああ・・・。やってられんよ・・・。」
そう嘆くのは、男のドクオ。
川 ゚ -゚)「ほら。サボってる暇あったらゴミ捨ててきてちょうだい。」
そう言い放つのは、女のクー。
('A`)「・・・はい。」
逆らう事ができないのは、ドクオ。
お礼も言わないのは、クー。
二人は結婚12年目。言うなれば、かかあ天下だ。
外では「美人、美人」と謳われるクーだが、
家に帰ると打って変わってまるで、氷のように冷たい。

そもそも、この悲劇のはじまりはあの時。あの時始まったのだ。

140 Mr.Dの悲劇 New! 2006/06/25(日) 00:24:22.74 ID:N5xeDp6w0
-約13年前-
('A`)「じゃあな。気をつけて帰れよ。」
クーにそう言い、帰ろうとするドクオ。
しかし、クーはそれを止め、
川 ゚ -゚)「いや・・・。まだ・・・少しだけでもいいから、あなたの傍に居たい・・・。」
そう言い、ドクオの背中に抱きつくクー。
その時、ドクオの本能の鐘が鳴った。
('A`)「わかった・・・。今夜は一緒に居よう・・・。」
そう言ってしまった・・・。
これが、失態だったのかもしれない。
クーとドクオの関係は、ここから特急に乗ったように急速に発展していく。

-約12年前-
今から、12年前。クーとドクオは婚姻届に名前を書き、はんこを押した。
晴れて、二人は結婚したのだ。その時は、本当に嬉しかった。

川 ゚ -゚)「式も挙げようよ。ね、お願い!」
という、クーのワガママに笑って答えらるのも、この時は恋の魔法がかかっていたからだろうか。
そして二人は、車通りの少ない。静かな都会の教会で式を挙げた。
皆に祝福されてるクーとドクオ。その時は両方とも幸せそうだった。
美人の妻を貰ったのだから・・・と、中身も知らず喜んでいた。

141 Mr.Dの悲劇 New! 2006/06/25(日) 00:24:49.22 ID:N5xeDp6w0
-約9年前-
化粧もしないで、ほぼ一日中家でゴロゴロしている。
それは・・・ドクオではない。クーなのだ。
幼い泣き声も聴こえる。
しかし、クーは何もしない。
('A`)「ほらほら、泣かないで〜。」
急いで、精一杯あやすのは、ドクオだ。
川 ゚ -゚)「ちょっと、料理が焦げるわよ。一つの事に集中しなさい。」
ドクオは、今まで料理もしていたのだ。
('A`)「はい・・・。」
この時から、変な上下関係は成立していたのかもしれない。

ドクオの一息つける場所は、ベランダだけだ。
テレビはクーが占領している。
理不尽な事に、冷蔵庫の飲み物を飲むと怒られるので、自分で買いに行く。
そして、ベランダで一人寂しく飲む。
・・・家から煙が立ち上る。
火事ではない。かといって、料理でもない。
タバコの煙だ。
幼子と違う部屋で吸っているのは、せめてもの救いだろうか。

('A`)「あー・・・。ツンに、しぃに、渡辺さんに・・・。」
ドクオの口から出るのは、昔親しかった女性ばかり。
('A`)「・・・もう一度、俺に笑ってくれよ・・・。せめて、夢でいいから逢いたい・・・。」
クーに聴こえないように、小さめに言う。
しかし、女というのは耳がいいのか、勘がいいのか。
こちらをじっと見つめる。口では何も言わないが、瞳の奥ではなにか揺ぎ無いものが燃えている。
多分、浮気をしたら殺す。というサインだろうか。
日に日に、アスピリンの数も増えていく。

142 Mr.Dの悲劇 New! 2006/06/25(日) 00:25:13.16 ID:N5xeDp6w0
-現在-
('A`)「・・・昔と変わっちゃいねえ・・・。」
そうぼやくのは、夫のドクオ。
ゴミ捨て場でのぼやき。
(´・ω・`)「どうしたんですか?」
どこからか、若い男の声がする。
ショボンという男だ。
ショボンもまた、既婚だが幸せな生活を送っていた。
('A`)「あ、いや・・・別に・・・。」
(´・ω・`)「・・・?そうですか。」
('A`)「女って怖いぞ・・・。」
(´・ω・`)「・・・どういう意味ですか?」
('A`)「・・・たぶん、そのうち判るよ。」
そう言い、ドクオは自宅へとトボトボと歩いていった。
その背中は、何かと悲しげなものがあった。
(´・ω・`)「・・・苦労してんだな・・・。」

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