950 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:13:18.29 ID:QKwOTe900
( ^ω^)「今日もつまらないお…」

ブーンはごく普通の中学生であった。
いやごく普通と言う表現で片付けていいほど平明なものではないが、彼は全国の中学生の平均からさほど離れてはいない生活を送っている。
平均的で無いのはやや重い体重と低い成績と極端に少ない小遣いの額くらいなものであろう。
友達と過ごす日常は決して退屈なものではなかったが、ブーンは何か一つ刺激が欲しいと思っていた。

( ^ω^)「ドクオ、宿題写させてくれお」
('A`)「あー無理、作文丸写しにしたらばれるだろうがよ」
( ^ω^)「ばれないように上手くやるお、だからお願いだお」
('A`)「無理無理、ばれたら俺まで怒られるだろ、自分でやれって」
(# ^ω^)「…」

ブーンは口を閉ざしてドクオと反対の方向を向き、目を合わせないようにした。ドクオもどうやらブーンから離れていったようである。

(# ^ω^)(ドクオのばかばか、友を見捨てるなんて嫌な奴だお!)

951 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:16:27.70 ID:QKwOTe900
ブーンは教室にいるドクオを視界に入れないように窓の外ばかりを眺めていた。
窓から見える校庭に人の影はなく、時々が風が吹き付けて砂埃を巻き上げていた。
強い風に吹かれて桜の木々がざあざあと大きな音を立てていたその時、ブーンの目に見慣れないものが映った。

( ^ω^)(…お?今のは何だお?)

ブーンには空から何か黒い小さいものが落ちてきて桜の陰に落ちていく光景が見えた。
ブーンは一瞬見間違いかと思って目を擦ってみたが、もう黒い何かは見えなくなっていた。

( ^ω^)(カラスさんが落ちてしまったのかお?可哀想だお…)
ξ゚听)ξ「ブーン、ブーン!」
( ^ω^)(あとで埋葬してあげるお)
ξ゚听)ξ「さっさと出て行ってよね!」
( ^ω^)「え?何だお…」

ブーンはすぐに気が付いた。次の体育の授業を受ける為には体操儀に着替えなければならないのであるが、男子は別の教室で着替えをする事にっているのである。
そして今彼らがいるこの教室では女子が着替えをする事になっているのである。

(;^ω^)「あうあう、すぐに行くお」
ξ#゚听)ξ「覗いたらイスカンダルまで吹っ飛ばすわよ!」

ブーンは慌てて自分の体操着を抱えて教室を飛び出した。

952 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:19:24.33 ID:QKwOTe900
(# ^ω^)(全くとんだ恥をかいたお!これもドクオの所為だお!)

その日の放課後、ドクオに腹を立てながらブーンは帰路に着こうとしていた。
しかし校門まで歩いて行った所で彼はふと休み時間に見たあの黒いものの事を思い出した。

( ^ω^)「そうだ、カラスさんを埋めてあげないといけないお」

ブーンはすぐに校庭へと戻り、カラスが落ちた桜の木の影へ駆けていった。ブーンは遠目で見て木の陰から黒いものが見え隠れしているのを見つけた。
しかし近くで見てみればそこに落ちていたのはカラスではなく、それよりももっと小さくもっと薄い物体であった。

( ^ω^)「何だこれ?ノートだお…」

その時ブーンの脳裏にある記憶が甦った。彼は以前から黒い表紙のノートにまつわるあの漫画が大好きだったのである。

(;^ω^)「も、もしかしてこれはデスノー…」

ブーンはすぐさまそのノートを手にとって眺めた。表紙には何も書かれてはいなかった。彼は恐る恐るそのノートを裏返してみた。
しかしそこには彼が期待していた文字列は書かれてはいなかった。

(?^ω^)「…HAPPY NOTE………ハッピーノート!?」

953 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:22:47.85 ID:QKwOTe900
ブーンは疑問を抱きつつもそのノートを自宅に持ち帰った。
自分の部屋に戻ってから彼は改めてそのノートを手にとってじっくりと眺めてみた。
表紙をめくるとあの漫画と同じ様に表見返しに文字が書いてあった。おそらくは英語でこのノートの使い方が書いてあるのだろう。

( ^ω^)「ハッピーノート…直訳で幸せのノート、プッ。使い方…英語か、面倒臭いお」

ブーンはとりあえず漫画の主人公の真似をしてみたが、実際は主人公と同じ様にクールに振舞ってはいられなかった。
よく判らないものが突然目の前に現れた事に動揺し、更に説明と思しき文章がすべて英語で書かれている事に悲しさを感じていた。

(;^ω^)「英語判らないお、嫌がらせかお」

もしかしたらこれはブーンの運命を変えてしまうかもしれない大変なものかもしれないのである。
しかし使い方が判らなくてはどうにもならない。宝の持ち腐れである。

( ^ω^)「うーん、多分ここに名前かかれた人は幸せになれるんだお!やってみるお!」

ブーンは勘で使い方を推測し、鉛筆を取り出すとノートの一ページ目に「内藤ホライゾン」と自分の名前を書き込んだ。
そして時計を眺めて40秒が経過するのを待った。このノートがあの漫画と同じ様なものならば40秒後に何かが起きる筈だと考えたからである。
時計の秒針が40秒の経過を告げた時、ブーンはぐっと手に力をいれてこれから起こるであろう出来事に不安と期待を滲ませていた。

だがノートはあらゆる期待を裏切った。ブーンの身には何の変化も起こらなかったのである。

955 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:26:44.92 ID:QKwOTe900
( ^ω^)「…やっぱデスノートとは違うのかお?」

ブーンはすぐにパソコンを起動させ、とある有名な翻訳サイトを開いた。そして表見返しに書かれている文字を一つ一つ写して入力していった。
時折とんでもない訳文を出す事で有名なこのサイトであるが、英語が全く出来ないブーンにとっては他に頼るものがなかったのである。
彼は取りあえず一番最初の数行を入力し終えるとその文章を翻訳してみた。

「使い方。このノートにあなたの望む事を書くと、それらは実現するでしょう。」

(* ^ω^)「おっおっおっ!願い事が叶うノートだったのかお!」

ブーンはすぐさまノートの一ページ目に鉛筆で文字を書き込んだ。

( ^ω^)「じゃあ取りあえず、今日の宿題が全部終わりますようにっと…」

それからブーンはまた40秒待った。漫画に出てくるノートとは違うものだという事を判っていてもやはり待たずにはいられないのであった。
40秒経ってから彼は宿題に指定されていた漢字ドリルの26ページを開いてみた。
本来なら空白であった筈の漢字練習のスペースや、読み方を書く問題の解答欄が全て埋められていた。
その上書かれていた字はブーンの筆跡通りであり、誰がどう見たってブーンが自力で宿題を終えたように見えるのである。
その他の理科のプリントや数学のドリルも同様にブーンの字で埋められており、宿題は全て完了していた。

( ^ω^)「これは凄いお!これがあればなんだって出来るお!」

958 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:30:15.54 ID:QKwOTe900
それから数日間、ブーンはそのノートを目一杯利用し続けた。
あの漫画と同じ様にページをノートから切り取っても効果があると言う事を確認すると、学校へ行く時は切り取ったページを持って行くようにした。

( ^ω^)「お腹空いたから何か食べたいお。ノートでハーゲンダッツのアイスをお願いするお」
(* ^ω^)「うめえええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

( ^ω^)「お、あそこにツンがいるお、パンチラが見れますようにっと…」
ξ*゚听)ξ「きゃっ!か、風が…!」
(* ^ω^)「フヒヒ…って下に体操着を着ていたのかお!(# ^ω^)」
ξ*゚听)ξ「キャーッ!ちょっとなにこの猫!」
(* ^ω^)「おっおっ!ぬこがクォーターパンツを下ろしてくれたお!ノートの力は本物だお!」

そんな具合でブーンは毎日毎日願い事を叶えていった。

(* ^ω^)「フヒヒ、僕の未来は明るいお」
(´・ω・`)「やあブーン、最近の君はとても元気そうだね。何かいい事でもあったのかい?」
( ^ω^)「良い事どころじゃないお、もう僕の人生向かう所敵なしだお」
(´・ω・`)「随分と調子がいいみたいだね…」
( ^ω^)「ショボンは逆に最近元気が無いみたいだお。何かあったのかお?」
(´・ω・`)「いや、ここ最近嫌な事続きでね。怪我はするし財布は落とすし蜂に刺されるしで」
( ^ω^)「それは災難だお…」

左手首に包帯を巻き額にシップを貼ってうなだれているショボンとは対照的に、ブーンは未来への希望と自信に満ち溢れて満面の笑みを浮かべていた。

965 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:34:25.83 ID:QKwOTe900
ブーンとショボンが話をしている所へドクオがやってきた。

('A`)「ショボン、怪我は平気か?」
(´・ω・`)「うん、まだ治ってはいないけど痛くは無いよ」
('A`)「早く治るといいよな」

ブーンはドクオを見ながら、この間宿題の件を断られた事を思い出した。

( ^ω^)(これは仕返しのチャンスだお!)
⊂二( ^ω^)⊃「トイレ行ってくるお」

ブーンは教室を抜けてトイレへ行き、個室に入った。そしてポケットに隠し持っていてハッピーノートのページを取り出してそこに願いを書き込んだ。

( ^ω^)(フヒヒ、ドクオは次の時間突然教科書がエロ本に変わっていて困るといいお。そしてそれが見つかって先生に怒られるお!)

そして彼は何事も無かったかのように教室へ戻ってきた。
普段なら退屈で仕様が無い社会の時間をわくわくしながら(彼独自の言い回しで言うならワクテカしながら)待っていた。
アルファ派の増大を促すけだるい声で喋って生徒達を眠りへ誘う、普段なら催眠音楽発生装置としか認識していない教師も、今日だけは彼に楽しみを運んできてくれる使者に見えてきた。

969 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:37:45.22 ID:QKwOTe900
「…で、この時代に生まれ、現代に伝わる様々な文化が…」

だがブーンの期待は裏切られた。やはり社会はただつまらない時間でしかなかった。

(;^ω^)(お、可笑しいお。ドクオの教科書は教科書のままだお…)
「代表的なものとしては茶の湯など…」
( ^ω^)(確かにノートにはちゃんと書いた筈だお。何がいけなかったんだお…)
「現代にも伝わる日本間の様式というものもこの頃に…」
( ^ω^)(一日で叶えられる願いに限りがあるのかお?)

ブーンの頭の中は願いが叶えられた無かった事に対する疑問で埋め尽くされていた。
何故そうなったのかをずっと真剣に考え続けていたため、つまらない内容と教師のけだるい声が飛び交う社会の授業中に起きているという偉業を成し遂げてしまった。
後で教師は彼を誉めたものの、実は彼が授業なんか全く聞かずに違う事を考えていたのだという事にはついに気が付かなかった。
そして彼はいくら考えてもこの願いが叶わなかった現象の謎を解き明かす事は出来なかった。

974 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:41:52.75 ID:QKwOTe900
ブーンがノートを手に入れてからちょうど一週間が経過した日の事であった。
彼はその日もまたノートに「おやつに白い恋人が食べたい」と願いを書いて好きなお菓子を食べまくっていた。

( ^ω^)「白恋うめえええええ!」

ブーンがこれまで叶えてきた願い事はどれもささやかなものばかりであった。しかしそれは決してブーンに欲が無いからと言う訳ではない。
ノートの力が何処まで及ぶのかまだ判らないと言う事や、またあまりに大きな願いをしてしまったらそれと引き換えに何かとんでもない事が起こるのではないかという不安があったからである。
しかし彼はこれまでノートを散々使ってきたが、自分の身が危険に晒されるような出来事は起きてはいなかった。
ノートが何らかの危険を伴うものでは無いと判っていくに連れて彼はどんどん強気になっていった。

( ^ω^)「いやもう白恋なんかには拘らないお、今度はもっとビッグな願いを書くお!宝くじ当てるお!」

ブーンは早速ノートを机から取り出してその願いを書こうとした。

( ^ω^)「宝くじで一千万…いや一億…いやどーんと三億円!」

彼がノートに書き込む金額をどうするかで迷っていたその時の事であった。

976 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:45:15.23 ID:QKwOTe900
(*゚ー゚)「ふーん、人間ってやっぱりお金がすきなのね…」

突然ブーンの背後から声が聞こえてきた。しかもそれは今まで聞いた事のない人物のものであり、そして女性のものであった。

(;^ω^)「だ、誰だお!?」

ブーンは驚いて鉛筆を放り投げ、振り向いて後ろを見た。そこにいたのはピンク色の服をきた可愛い女の子であった。

(* ^ω^)「おっおっ、なかなか素敵なお嬢さんだお…………お!?(;^ω^)」

よくよく見れば彼女の背中からは真っ白なふわふわとした羽が生えていた。そして頭上には金色に輝く輪がふわふわと浮いていた。

(;^ω^)「す、すいません。どちらさまですか?」
(*゚ー゚)「あ、突然お邪魔してごめんなさい。私は天使のしぃです」
( ^ω^)「天使!?本当に天使なのかお!?」
(*゚ー゚)「そうですよ。ほら、羽根生えているでしょ?」
(;^ω^)「そ、それで天使さんが何で僕の部屋に…」

そこまで言いかけてブーンははっとある事を思い出した。そう言えばあの漫画でも同じ様な展開があったではないか、と。
ノートの持ち主となった人間の元に、元の持ち主であった異界の存在がやってくるという展開が、今正に起こっているのである。

977 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:48:19.16 ID:QKwOTe900
ブーンの心臓は激しく脈打ち、額には汗が浮かんできた。彼はもしもこれが漫画の通りであるなら何が起こるだろうかと想像していた。
これからずっとこの子が自分に憑くのだろうか。天使にしか見えないものが見えるようになる天使の目とやらの取引でもするのだろうか。

(* ^ω^)(でもリュークと違ってこんな可愛い子に憑かれるならアリだお。フヒヒ)
(*゚ー゚)「いきなりですいませんけど、私の話を聞いてもらえませんか」
(* ^ω^)「どうぞどうぞですお」
(*゚ー゚)「そのハッピーノートは実は私が天界から落としてしまったものなんです」
(* ^ω^)「それでそれで、フヒヒ」
(*゚ー゚)「それを返していただきたいんですけど…」
( ^ω^)「………おっ?」

漫画通りの展開が起こらなかった事と、この素晴らしい道具が手元から失われるかもしれないという危惧により彼の心臓は元の心拍数に戻って行った。
汗も引き、緩みまくっていた口元も引き締まって元の表情に戻った。脈拍が安定した事で紅潮していた頬も元の白い肌に戻ってしまった。

(?^ω^)「返して欲しい?もう一冊のノートはどうしたんだお?」
(*゚ー゚)「何の事ですか?私は一冊しか持ってないんです。というかみんなノートは一冊ずつしか持っていませんよ?」
(?^ω^)「え、でも人間にノートを持たせるには二冊必要だし…」
(*゚ー゚)「うたた寝していてうっかり落としてしまったんです。それが無いと私は仕事ができません。返して貰えませんか?」
(;^ω^)「…リュークじゃなくてシドウだったのかお」
(*゚ー゚)「え?何ですか?」
(;^ω^)「何でもないですお」

979 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:51:37.40 ID:QKwOTe900
ブーンは暫くの間黙っていた。ハッピーノートは実に魅力的な道具であり、故に簡単に決断する事は出来なかった。
これがあれば好きなだけ願いを叶える事が出来る。現にそれを利用してこれから大金を手に入れようとしていた所である。
しかしこんな可愛い女の子に懇願されたら断る気が失せてしまうし、何より人間を超越した天使と言う存在に逆らったら何が起こるか判ったものではなかった。

( ^ω^)「…判ったお、でも返す前に最後に一つ願い事を書かせて欲しいお」
(*゚ー゚)「ええ、返して下さるなら構いませんよ」

ブーンは最後の最後に大金を手に入れられると言う願いを書くつもりでいた。
宝くじ三億円をはるかに越える金額を書き、それを手に入れられればノートがなくても安泰だと判断したからである。

( ^ω^)「うーん、いくらにするかお…思い切って一兆円とか…」
(*゚ー゚)「やっぱり人間ってお金なんですね…」
(;^ω^)「そ、それがどうしたお!お金があれば絶対に幸せという訳でもないけど、お金があれば今よりは満足な暮らしが出来るんだお!」
(*゚ー゚)「でも一度にたくさんお金を手に入れるなんて…そんな願い書いたら幸福を奪われる人が大変な事になるわ…」
(?^ω^)「おっ?」

それを聞いたブーンの顔にクエスチョンマークが浮かんだ。それを見たしぃもまた疑問を抱いた。

(?^ω^)「幸福を奪うって何の事だお?」
(*゚ー゚)「え?いやですから説明の所に書いてある通りですよ?」
( ^ω^)「…」
(*゚ー゚)「…あの、もしかして説明を読んでないと言う事は…」
(;^ω^)「英語苦手なんですお。一番最初しか読んでいないお」
(;゚ー゚)「…」

気まずい沈黙が流れた。

980 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:54:43.85 ID:QKwOTe900
しぃはブーンの為に表見返しに書かれていたハッピーノートの説明を読んでくれた。

「このノートに願い事を書くとそれが実現する」
「願いを叶えると、その代わりに別の人間が不幸になる」
「叶える願いの大きさに比例して、願いの実現によって他人に起こる不幸も大きくなる」
「願い事を書いた後30秒以内にそれに続けて人間の名前を書くと、願いの実現によって不幸になる人間を指定できる」
「人間を幸せにする願いしか実現できない。それ以外は書いても無効になる」(例・「山田死ね」と書いても山田は死なない)
「人間の能力の範疇を超える願いは書いても無効になる」(例・不老不死など)

(*゚ー゚)「…他に細かいルールもありますが、とりあえずこれらが主なものです」
( ^ω^)「成る程…ドクオに仕返しが出来なかったのはこの所為だったのかお」

いつかドクオを困らせようと思って書いた願いが叶わなかった謎がこれで解けた。

( ^ω^)「それにしても願いを叶える代わりに他の人を不幸にするなんて…」

ブーンはノートをめくりながら、今まで自分がどのくらいの願いを叶えてきたのかを改めて見てみた。
彼はこの一週間で既に10ページも使ってしまっていた。つまり10ページ分の願いの分だけ彼は他人を不幸にしてしまっていたという事になるのである。

( ;ω;)「ぼ、僕の所為で不幸になってしまっている人がいるのかお…」

彼は背筋がぞっと震えるのを感じた。

981 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:57:33.02 ID:QKwOTe900
(*゚ー゚)「まあまあ、君は知らなかったんだからね。それに叶えたはどれも小さい事だからそれによって起こる不幸も小さいものだと思うわ」
( ;ω;)「ごめんなさいしないといけないお…」
(*゚ー゚)「そう思うんだったら、もうここに願いを書くのを止めなさいね」
( ;ω;)「おお…」

しかしブーンは自信の行いを反省している最中にも関わらず、彼の悪知恵は働いてしまった。

( ^ω^)「おっ、いい事思い付いたお!」

ブーンはノートの11ページ目にサラサラと文字を書き込んだ。

( ^ω^)「萩の月が食べたいおっと…そして」

その願い事に続けて彼はドクオの名前を書き込んだ。そして30秒ほど経つと彼の目の前にたくさんのお菓子が現れた。

( ^ω^)「フヒヒ、これでドクオへの仕返しは完了だお」
(;゚ー゚)「…」

それを見たしぃの額には冷や汗が浮かんでいた。

( ^ω^)「お、しぃさんどうしたお?」
(;゚ー゚)「に、人間って恐ろしいものなのねーと思って…」

983 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 16:59:57.74 ID:QKwOTe900
( ^ω^)「恐ろしいのはこのノートだお。とても天使が使うようなものとは思えないお」
(*゚ー゚)「私もそう思うわ…でも仕方が無いのよ。幸せの流れには逆らえないんだから」
(?^ω^)「おっ?どういうことだお?」
(*゚ー゚)「この世界にはね、運気の流れというものがあるのよ。占いなんかはそれを調べて、運勢というものを割り出しているの」
( ^ω^)「ほうほう」
(*゚ー゚)「だから特定の人にだけ運気が偏ると言う事もあって、幸せになれる人となれない人が分かれてしまうの…」
( ^ω^)「それは不公平だお」
(*゚ー゚)「だから天使はこのノートを使ってその偏りを均すのよ」
( ^ω^)「よく判りましたお」
(*゚ー゚)「判ってくれた?でもハッピーノートが無いとその仕事が出来ないの。だから今すぐ返してくれないかしら」
( ^ω^)「うん、僕ももう他の人を不幸にするのは嫌ですお(ドクオは除くお)」
(*゚ー゚)「有難う……(嫌って言いながらさっきノートに人の名前書いていたじゃないの…)」

ブーンはノートを手に取るとそれをしぃに手渡そうとした。

『…♪あいわなびあびっぷすたー きみがずっとー むちゅうなそれーなんーて…』

その時、彼の携帯電話が大きな音を立てて鳴り出した。彼はノートを左手に持ったまま右で携帯を掴んだ。
画面を見ると見知らぬ番号が表示されていた。彼は通話ボタンを押し、スピーカーを耳に押し当てた。

( ^ω^)「もしもしですお」
『もしもし内藤さんでしょうか?』
( ^ω^)「そうですお」
『こちらksk病院の者ですが…』
( ^ω^)「え?病院?」

984 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:03:29.02 ID:QKwOTe900
電話の向こうから聞こえてくる声を聞いた途端、ブーンの顔から見る見る内に血の気が引いていった。
元から白い肌が更に暖かさを失って青みを増していった。

(;^ω^)「カーチャン…カーチャン!」

ブーンは部屋を飛び出すと素早く玄関へ向かい、靴を履いた。右足だけ完全に履けずにかかとを踏んで潰していたのだが、それを気にかけている余裕は無かった。
彼は両手を広げて道路を勢いよく走り出した。

(;^ω^)「カーチャン!!!」
(;゚ー゚)「ど、どうしたの!?っていうかノート返して貰ってないんだけど…!」

しぃは翼を広げて宙に舞い、勢いよく駆けて行くブーンの後を追いかけた。
彼は道中で買い物をしていたツンとすれ違った。

ξ゚听)ξ「あれ?ねえブーン何して…」
( ;ω;)「カーチャアアアアアアアアン!!!!」

しかし彼はツンには気付かず、そのまま通り過ぎていってしまった。

先程の電話の相手は、母が事故に巻き込まれてksk病院に運ばれてきたのだと教えてくれた。そして母はかなり危険な状態であるとも教えてくれた
ブーンは右足の靴が脱げ落ちた事にも気付かず、ひたすらksk病院に向かって駆け続けていた。


>>982 まあそんな感じですお

986 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:06:36.78 ID:QKwOTe900
程なくして彼はksk病院に到着した。壁に貼ってあった「走ってはいけません」という貼り紙を無視して院内でもスピードを緩めずに駆け続けていた。
受付に付いた所で一旦立ち止まって母の居場所に尋ね、それを済ませるとまた駆け出して手術室へと向かった。

( ;ω;)「カーチャン!死なないでくれお!」

彼が着いた手術室の入り口は硬く閉ざされ、扉の上のランプが赤く点灯していた。走り疲れたのか、彼はふらふらと近くのベンチに倒れ込んだ。
ベンチに突っ伏して涙を流していた時、遠くから聞き慣れた声が聞こえてきた。

ξ゚听)ξ「ブーン!しっかりして!」
(´・ω・`)「大丈夫かい?」
('A`)「お前靴落っことしただろ」

何処からとも無く彼のクラスメイト三人がやってきた。ショボンはぽんぽんと彼の肩を叩いてくれた。

( ;ω;)「み、みんな…何でここにいるだお?」
ξ゚听)ξ「さっきすれ違った時あんたの様子が可笑しかったから、みんなで見にきたのよ」
(?^ω^)「あれ?僕はさっきツンに会ったのかお?」
ξ*゚听)ξ「それくらい気付きなさいよ!あたしが眼中に無いですって!」
(´・ω・`)「まあまあ、慌てていたんだから仕方ないよ。事情はさっき受付の人に聞いたよ」
('A`)「お前の靴が道に落ちてたぜ。ほらよ」
( ;ω;)「みんな…すまないお」

ブーンは三人の心配りに感動して涙を流した。その時何かものが落ちるぱさっと言う音がした。

988 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:09:14.50 ID:QKwOTe900
ξ゚听)ξ「ブーン、これ落としたわよ」

ツンは床に落ちたものを拾い上げてブーンを手渡そうとした。

( ^ω^)「ありがとうだ……お!!!」

ツンが持っていたのはハッピーノートであった。ブーンが家を出てくる時に慌てていてうっかり一緒に持ってきてしまったのである。

ξ;゚听)ξ「キャーッ!何かいる!」
(´・ω・`)「え?何かってなんだい?」
ξ;゚听)ξ「そ、そこに羽根の生えた人が…」
(;^ω^)「しぃさんの姿が見えているのかお!?」

ブーンはあの漫画の事を思い出した。そう言えば同じ様にノートに触るとノートに憑いている死神が見えるようになるという設定があった筈である。

('A`)「そう言えばこのノートの表紙のハッピーノートって何だよ、何を書くノートなんだよ」
(´・ω・`)「それは僕も気になるね、ちょっと中見てもいい?」
(;^ω^)「あうあう…」

ブーンが止める間もなく、ショボンとドクオもノートに触れてしまった。

(*'A`)「うわああああ!なんだこのカワイコちゃんは!!」
(;´・ω・`)「うわわわ!何かってこれか!」

991 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:11:37.32 ID:QKwOTe900
しぃの姿を見られてしまった以上、これ以上隠し立てをする事は出来なかった。ブーンはしぃと一緒にこのノートの事を説明した。

(*゚ー゚)「…と言う訳で私はこのノートを返して貰いにきました」
('A`)「最近調子良いって言ってたのはこれだったのか…」
ξ゚听)ξ「不思議な事があるものなのね…」
( ^ω^)「ドクオ…何を訊いているんだ……お!」

いつのまにかノートを手に取っていたショボンが表紙を開いて中身を読んでいた。

(´・ω・`)「ふむふむ、実に興味深いね。願いを叶える代わりに他の人を不幸にする、か…」
(;^ω^)「ショ、ショボンは英語読めるのかお!?」
(´・ω・`)「うん、ペラペラだよ」
(;^ω^)「いつの間にそんな都合の良い設定ができたんだお?」
(´・ω・`)「それはどうでも良いとして…もしかして僕が最近立て続けに酷い目に遭ったのはこれの所為か?」
(;^ω^)「あうあう」

ショボンの不幸がどうやらブーンが願いを叶えた影響であったらしいと言う事が判った。
ショボンは更にページをめくってブーンの書いた願いを次々と読んでいった。

ξ#゚听)ξ「ちょっと!『ツンのパンチラが見たい』ですって?なんて事書いてるのよ!」
('A`)「どうして一番最後の願いの後に俺の名前が書いてあるのは何故なんだぜ?」
(´・ω・`)「やたらお菓子に関する願いが多いね。お菓子のために僕は怪我をしたのか」
(;^ω^)「ご…ごめんなさいだお」
ξ#゚听)ξ「歯ぁ食いしばれゴルァ!!」
8 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:22:51.23 ID:QKwOTe900
ツンがブーンに殴りかかろうとしていた時、突然手術室のドアが開いた。そして中から青い服を着た医者と思しき男が飛び出してきた。

医者「突然すいません、この中にO型の血液型の方はいませんか?」
( ^ω^)「僕はO型ですお…どうしたんですお?」
('A`)「今すぐ手術に必要とかそう言う事なんじゃねーの?」
(;^ω^)「ま、まさかカーチャンが…」
医者「一刻を争う事態です、誰か輸血に協力してくださる方はいませんか?」
(;^ω^)「僕の血を使って下さいですお!」
('A`)「お前血糖値高めだから輸血したらカーチャンヤバくねえか?」
(;^ω^)「…あうあう」

ブーンは自らの日頃の不摂生を呪いつつ、振り返って友人達を見つめた。

(;^ω^)「み、みんなの力を貸して欲しいお!」
ξ゚听)ξ「ごめんね、あたしA型なの…」
(´・ω・`)「僕はO型だけど最近色々薬を飲んでいるから多分無理だろうね」
('A`)「俺RH±ヌルα型だから」
(;^ω^)「ちょwwwドクオwwww」

普段からの習慣でドクオに突っ込みを入れた時だけテンションが一時上がったものの、それを終えてしまった途端ブーンの心にどっと絶望が押し寄せてきた。

( ;ω;)「…このままじゃカーチャンが助からないお。カーチャンが死んじゃうお」

ブーンの目からたちまち大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちてきた。

9 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:25:11.17 ID:QKwOTe900
その時、ブーンは頭の中からすっと霧が晴れたかのような感覚を味わった。漫画的表現を用いるなら頭の上に電球が輝いたかのように、ぱっと素晴らしい考えが思い浮かんだのである。

(!^ω^)「ショボン、ハッピーノート返すお!」
(´・ω・`)「うん、でもどうするんだい?」
(!^ω^)「ノートにカーチャンが助かるように書けば良いんだお!」
ξ゚听)ξ「成る程!それからお母さんもきっと…」

だがそこで水を差すように、ショボンが不吉な言葉を囁いた。

(´・ω・`)「…でもそうしたら別の人が不幸になってしまうんだろ?」
(;^ω^)「で、でもカーチャンが…」
(´・ω・`)「天使さん、もしもブーンのお母さんが助かるようにって書いたら、どのくらいの不幸が起こりますか?」
(*゚ー゚)「死にかけている人を助けるというのはとても大きな願いです…お母様が助かる代わりに幸福を奪われた人は死んでしまうかもしれません」
(;^ω^)「そんな…」

母を死なせたくはない。だがその代わりに別の人が命を落してしまうかも知れない。
ともすれば自分の友人の誰かがこの願いの代償を被ってしまうかも知れない。
だがこのままでは母の命は尽きてしまう。ブーンの頭に中に再びが霧が立ち込め始めていた。

11 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:28:37.14 ID:QKwOTe900
だが人間窮地に追い込まれれば次々と発想が生まれるものである。ブーンはすぐにそれを克服する方法を思い付いたのである。

(!^ω^)「だったら最後に僕の名前を書いて、僕が不幸になるようにすれば良いお!誰にも迷惑はかからないお!」
ξ;゚Д゚)ξ「ちょっと。何言っているのよ!」
(;'A`)「お前、自分が死んでもいいのか!?」
( ^ω^)「カーチャンが助かるならそれで良いお!」
(*゚ー゚)「あー…でも…」

しぃが横からそろそろと話し掛けてきた。

(*゚ー゚)「その場合あなたの願いを叶えるためにあなたから幸福を奪う事になりますよね。多分プラスマイナスゼロになるから願いは無効になると思います」
(;^ω^)「ええ、駄目なのかお!?」
(*゚ー゚)「ノートのルールは人間が使う事を想定していないので良くは判りませんが、そうなる可能性もあります」
(;^ω^)「そんなあ…確実に助けるにはどうしたらいいんだお…」

悩みに悩んでいるブーンを尻目に、しぃは冷静にブーンと話をしようとしていた。

(*゚ー゚)「それより早くノートを返してほしいのですが…」
(# ^ω^)「こんな時に呑気な事言うなお!第一天使のくせにカーチャンを見捨てるのかお!天使パワーで何とかするお!」
(*゚ー゚)「そう言われても、ノートが無いと何も出来ませんし…」
( ^ω^)「…おっ?」

12 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:31:19.25 ID:QKwOTe900
三度ブーンの頭上で電球が輝いた。今度こそ母を助ける完璧な方法を思い付いたのである。

( ^ω^)「判ったお、しぃさんにノートを返すお」
(;'A`)「おい良いのかよ、そしたらお前のカーチャンを助けられなく…」
( ^ω^)「でもその代わりにしぃさんにお願いがあるお」
(*゚ー゚)「何でしょうか?」
( ^ω^)「ノートを返したらすぐにカーチャンが助かるように書いて欲しいお。そして僕の名前を書いて欲しいお。それなら願いは確実に叶うお」

自分が書いても叶えられないのから別の人に書いて貰えば良い…最後の最後に閃いた最も確実な方法である。

(*゚ー゚)「…構いませんよ。でも…」

しぃの表情は曇り気味であった。語尾もややかすれていた。

(*゚ー゚)「代わりにあなたが死んでしまうかもしれません…もし命が無事でもこれから先とてつもない不幸に見舞われる事になりますよ?」
( ^ω^)「いいんだお、僕がそう決めたんだお」

ブーンはハッピーノートを手に取り、腕をしぃの方に向けて伸ばした。しぃの指先がノートに触れるか触れないという所まで伸ばされた、その時であった。

(´・ω・`)「天使さん、ちょっといいかな?」

突然ショボンが声を上げた。

13 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:34:11.98 ID:QKwOTe900
(# ^ω^)「何だお!早くしないとカーチャンが…」
(´・ω・`)「一つ聞きたい事があるんだけど…」
(*゚ー゚)「はい、何でしょうか?」
(´・ω・`)「願い事を書いた後に続けて名前を書くと不幸になる人間を指定できるんだったよね」
(# ^ω^)「そんなのもう判っているお、だから早く…」

ショボンはすたすたとしぃの前に歩み寄ってきた。

(´・ω・`)「その時名前を複数書いたらどうなるのかなと思ったんだけど」
(?^ω^)「…おっ?」
(*゚ー゚)「書かれたのが30秒以内であれば、名前を書かれた人間全員に効果があります」
(´・ω・`)「その場合降りかかる不幸の大きさはどうなります?」
(*゚ー゚)「人数の分だけ分割されます。つまり軽くなる訳です」
(´・ω・`)「やっぱりそうか、ありがとう」

そして一呼吸奥とショボンはしぃにこう願い出た。

(´・ω・`)「ブーンの願い事の後に僕の名前も一緒に書いて貰えませんか?」
(;^ω^)「ショ、ショボン!?」
(´・ω・`)「ブーン一人にだけ辛い思いはさせないよ」
(;^ω^)「でもショボンは今まで僕の所為で酷い目に…」
(´・ω・`)「人の命がかかっているんだ、個人的な恨みなんてその次さ」

14 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:36:35.82 ID:QKwOTe900
ショボンに続いて残りの二人もしぃに近寄ってきた。

ξ゚听)ξ「私の名前も書いてください!それなら三分割です!」
('A`)「俺も入れれば四分割だ!」
( ^ω^)「ツン…ドクオ…」
ξ*゚听)ξ「パンチラの件は保留よ!今はお母さんを助ける方が先でしょ!」
('A`)「あーそうそう、さっき俺のパソコンが突然ぶっ壊れたの多分お前が書いた萩の月の願いの所為だと思うけど、弁償はカーチャンが良くなってからで良いからな」
( ;ω;)「みんな…ありがとうだお…」

ブーンの目からは涙が止まらなかった。それは悲しみでは喜びの涙であった。三人はブーンを取り囲んで肩を叩き合った。
それを見ていたしぃは力強くこう宣言した。

(*゚ー゚)「…みなさんの気持ちはよく判りました。約束します。必ずお母様を助けます」

それからブーンはしぃにノートを手渡した。ノートがしぃの手に渡った途端にしぃの姿は誰にも見えなくなってしまった。
だた三人からノートに関する記憶は消えておらず、そこはあの漫画とは違うのだという事が判った。


程なくしてブーンの母の手術は無事に成功し、一命を取りとめたのであった。

15 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:38:51.22 ID:QKwOTe900
その数日後。ブーンの母はまだ入院してはいるものの、容態は見る見る内に回復していっている。
それとは対照的にブーン達の身の回りではとんでもない出来事が起こっていた。

( ^ω^)「昨日ゲームしていたらセーブデータが飛んだお…」
('A`)「シコってる所カーチャンに見られた…」
ξ゚听)ξ「そのくらい何だって言うのよ、私なんか部屋にゴキブリが一杯出てきたんだから!」
(´・ω・`)「…僕は骨折しました」

そう言ってショボンは手に巻かれた包帯を三人に見せびらかした。

(;^ω^)(;'A`)ξ;゚听)ξ「…」
(´・ω・`)「うん、本当は軽い火傷なんだ。すまない」
( ^ω^)('A`)ξ゚听)ξ「ほっ」
(´・ω・`)「…所でさ、一人分だったら死ぬかも知れないほどの不幸を四分割して、この程度ってのは軽過ぎないかな?」
ξ゚听)ξ「うーん…つまりこれからもまだ不幸が起こるって事じゃないかしら?」
('A`)「まだ序の口って事か…」
( ^ω^)「でも良いお、この位ならへっちゃらだお!カーチャンが死んじゃうのに比べたら痛くも痒くもないお」
ξ゚听)ξ「私達が自分で決めた事だもの。後悔なんかしていないわ」

四人はお互いの顔を見つめあい、これから降りかかるであろう災難に耐えていこうと誓い合った。

17 ( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです New! 2006/06/22(木) 17:42:15.98 ID:QKwOTe900
しかし四人が教室に付いた途端、その杞憂はあっさり消え去ったのであった。

「昨日突き指しちゃってさー」
「私帽子なくしたの」
「ガンプラが棚から落ちて壊れた…」
「先生がさあ、昨日突然風邪を引いて今日は休みだってさ」

クラスメイトたちが次々と我が身に降りかかった災難を愚痴としてこぼしていて、教室は何とも鬱な雰囲気になっていた。

(?^ω^)「…どういう事だお?」
(´・ω・`)「もしかしたら、天使さんが僕達だけじゃなくみんなの名前も書いたのかもね」
ξ゚听)ξ「クラス全員と先生の名前を書いたとして43分割…!」
( ^ω^)「しぃさんが僕達を気遣って不幸が軽くなるようにしてくれたんだお!ありがとうだお!」
(´・ω・`)「何も知らないみんなにはちょっと気の毒だけどね」
(;'A`)「てか30秒以内に43人の名前を書くって…」


(*゚ー゚)「…人間ってお金やお菓子だけじゃなくて、本当は優しいのね」

ブーンの住む世界からは遠く隔てられた天の世界では、しぃが彼らを優しく見守っていた。


( ^ω^)ブーンがノートを拾ったようです 完

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