391 381 New! 2006/06/21(水) 00:02:05.43 ID:qhbtPZx50

('A`)「カーチャン……どうしたのソレ……」

J( 'ー`)し「ん? ああなんか今日おっきい蛾に襲われてねぇ。ブツブツになっちゃったよ」

母親の首には白い発疹が出来ていた。
米粒のようなブツブツは、見ているこっちが痒くなってくる。

('A`)「大丈夫? 痒くないの? 薬とか塗った??」

J( 'ー`)し「大丈夫だよ。ありがとう」

そういった母親の顔はどことなく元気がなかった。
「もう寝るね」とだけ言い残し、十時過ぎには床についた。

392 381 New! 2006/06/21(水) 00:02:21.07 ID:qhbtPZx50

翌朝、いつも起こしに来るはずの母親がまだ起きていない。
どうやら具合が悪いらしい。

('A`)「大丈夫? 俺はもう学校行くけど、ちゃんと病院行きなよ?」

生返事だったが、ドクオも遅刻しそうなので家を後にし、学校へ急いだ。
教室に着くと、親友のブーンが駆け寄ってきた。

(;^ω^)「ドクオーッ!! あのニュース見たかお!?」

('A`)「?」

(´・ω・`)「まだ見てないの? ホラ、都合よく新聞持ってきてるから目を通しなよ」

('A`)「……なんだこりゃ」

393 381 New! 2006/06/21(水) 00:02:37.30 ID:qhbtPZx50

見出しには「東京に大量出現した巨大蛾の群れ」とあった。
40cm〜50cmの巨大な蛾が大量発生しているという。
中には1mを越す大物もいるらしい。

(;^ω^)「テラモスラwwwwwwwww」

(´・ω・`)「気持ち悪いよね……」

('A`)「カーチャンもコレにやられたのか……」

(´・ω・`)「あらら。すでに接触済みかい?」

先生「あ〜、お前ら騒いでないで席に着け」

('A`)「……」

394 381 New! 2006/06/21(水) 00:02:57.02 ID:qhbtPZx50

HRが終わり、授業が始まっても、ドクオは家で寝込んでいる母が心配で集中できなかった。
授業中ブーンが「テラモスラwwwどんだけだしwwww」とか騒いでいたが、突っ込む余裕もなかった。
1限が終わり、2限の始まりを告げるチャイムが鳴り響く頃、先生が慌てて教室に駆け込んできた。

先生「お、お前らよく聞け!!いいかこれから……ちょ、内藤うるさい!!いいか、こ……席に着け内藤!!」

軽くパニくってる先生の言うことには、どうやら集団下校することになったらしい。
なんでも大量発生した蛾は毒の燐粉を持っている為、駆除が終わるまで外出禁止ということだ。

('A`)「……カーチャン!!」

(´・ω・`)「あっ、ドクオ!!」

( ^ω^)「ドクオ走ってどこ行ったお?」

(´・ω・`)「きっとお母さんの事が心配になったんだろう……」

395 381 New! 2006/06/21(水) 00:03:20.97 ID:qhbtPZx50

('A`)「カーチャン!!カーチャン!!」

ドクオは急いで駆けていた。
街中には人の姿はなかった。
きっとニュースかなんかで大々的に危険を呼びかけているんだろう。

('A`)「はぁっ!!はぁっ!!う、うわわっ!?」

曲がり角を曲がったところで、目の前に大きな蛾が飛来してきた。
突然の事に対応できずに横転する。
巨大蛾は、地面に仰向けに倒れたドクオに襲い掛かってきた。

('A`)「うわっぷ!!な、なんだコイツ!?」

右に左に転がりながら蛾を避けようとする。
しかし蛾もしつこくドクオにまとわりついた。

('A`)「気持ちわりーなっ!!このっ!!」

右足で蛾の腹部を思い切り蹴り上げる。
つま先から、なんとも言えない柔らかい感触が伝わってきた。

腹から緑色の内臓を撒き散らし、巨大蛾は地面をのたうちまわった。
羽音が耳につく。見れば見るほど生理的嫌悪感がわいてくる。

('A`)「……カ、カーチャン……!!」

動きが鈍くなってきた巨大蛾を尻目に、ドクオは家に向かって走り出した。

396 381 New! 2006/06/21(水) 00:03:51.83 ID:qhbtPZx50

(´・ω・`)「!!……これを見てくれブーン……!!」

( ^ω^)「すごく……大き(ry」

ショボンの手には最新の携帯が握られていた。
今流行の、テレビが見れる優れモノだ。

(´・ω・`)「あの巨大蛾は……人間に卵を産み付けようとするらしい」

( ^ω^)「キメエwwwwwwww」

(´・ω・`)「産み付けられた人間は卵に養分を吸い取られて……なんてことだ。ドクオのお母さんは……」

397 381 New! 2006/06/21(水) 00:04:06.45 ID:qhbtPZx50

('A`)「カ、カーチャン!!」

靴も脱がずに家に上がる。

そのまま一直線に母親のいる寝室に向かい、

襖を勢いよく開けた

('A`)「カー、チャ……」

「ド、ドクオ……」

('A`)「ああ……嘘だろ……カーチャン!!」

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