305 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:16:19.82 ID:QAZKOHkg0

(;^ω^)「フヒヒ、す、すいません……」

典型的なダメ社員。
絵に描いたような卑屈っぷり。

ξ゚听)ξ「なんでこんな簡単な事がわからないかなぁ……内藤君、今年で何年目よ?」

(;^ω^)「あうあう。さ、3年目ですお……」

内藤ホライゾン。
某商社に勤める彼は、今日も今日とてミスの連発だった。

ξ゚听)ξ「あ〜もういいわ。この書類は他のヤツにやらせるから」

上司であるツンは、入社してからずっと内藤の面倒を見ていた。
内藤が何かやらかす度にフォロー、フォロー、フォロー……。

……社内ではツン・内藤はできているんじゃないかとの噂で持ちきりだ。

(;^ω^)「すいません……じゃあ失礼しますお」

ξ゚听)ξ「どこ行くのよ」

(;^ω^)「お? 今日はもう仕事ないんで帰ろうかと……」

ξ#゚听)ξ「……あのねぇ……」

306 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:16:41.47 ID:QAZKOHkg0

(;^ω^)「あ〜疲れたお……最近どう考えても寝不足だお……」

内藤ホライゾン。
某商社に勤める彼は、昼とは違うもう一つの顔を持っていた。

(;^ω^)「もうこんな時間かお……急がないと遅れちゃうお」

ネクタイを緩め、おもむろにメガネを外す。
昼とは違うもう一つの顔。
裏世界では有名な「殺し屋ブーン」の顔だった。

308 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:16:59.28 ID:QAZKOHkg0

東京は新宿の、とある事務所。
すねに傷を持つ物達が集う場所。いわゆる「ヤクザ」。

一般人が立ち入ることはないであろうこの場所で行われているのは

……ただただ一方的な「虐殺」だった。

「くそっ、どこの組の差し金だ!!」

( ^ω^)「……」

内藤、いや「ブーン」はまるで聞こえていないかのように近づく。
すでに事務所には組長と組合員一人しか残っていない。

「俺は!!やられねえぞ!!」

組合員が拳銃を放つ。
それすら意に介さぬように、歩みを止めない。

「なんであたらねえんだ馬鹿野郎!!」

突然、目の前から「ブーン」の姿が消えた。
狼狽している組長をよそに、「ブーン」は組合員の喉元を掻っ切った。

「ああ……た、助けてくれ!! 命だけは……!!」

( ^ω^)「……」

309 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:17:35.59 ID:QAZKOHkg0

「ブーン」は一切銃器を使わなかった。
ナイフによる接近戦を主にする「ブーン」は、自らの肉体こそが最も頼れるモノだと自負していた。

( ^ω^)「……楽な仕事だお」

服には返り血はついていない。
殺しのプロである彼は、証拠を残すような真似は一切しなかった。
胴体と泣き別れした組長の首に挨拶し、事務所を後にした。

311 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:17:55.66 ID:QAZKOHkg0

( ^ω^)「さてと……」

裏路地に入る。
しばらく歩いたところで足を止めた。

「!!」

( ^ω^)「誰だ貴様」

「あ……ちょ、待って……」

追跡者の背後から、首にナイフを当てる。
追跡者は冷たい殺意に声を震わせた。

( ^ω^)「まさか俺をつけてくるとは馬鹿なヤツだお。見たトコ素人さんだが……」

「お願い……殺さないで……」

( ^ω^)「あれ?? その声は……まさか!?」

ξ゚听)ξ「!! な、内藤君!?」

(;^ω^)「ツ、ツン先輩!?」

312 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:18:25.69 ID:QAZKOHkg0

それから、ツンと内藤の、奇妙な関係が始まった。

ξ゚听)ξ「全く……ほんっと使えないわね。今年の新人のがよっぽど優秀よ」

(;^ω^)「フヒヒ、す、すいません……」

ξ゚听)ξ「今日は残業だからね。覚悟しなさい」

(;^ω^)「わ、わかりましたお」

ξ゚听)ξ「(またあとでね……)」

(;^ω^)「……」

313 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:18:44.76 ID:QAZKOHkg0

「ん……ああっ……あ、そ、そこ、もっと」

「ここかお? 全くだらしないまんこだお」

「ああっ!!だめぇっ!!イっちゃ……う……!!」

明かりの落ちたオフィスに淫猥な音が響く。
内藤の正体を知ったツンは、急激に落ちていった。

本来なら目撃者を生かしておくことなどない筈だが、内藤もまたツンに惚れていた。
そして、ツンもまた「同業者」だったのだ。

ξ゚听)ξ「まさか内藤君があの「ブーン」だったなんてね」

(;^ω^)「こっちの台詞だお。ツン先輩があのスーパーハッカーだとは全然わからなかったお」

ξ゚听)ξ「通り名は「インベイドマン」よ。マンってとこが気に食わないけどね」

あの夜、ブーンにはツンを殺すことは出来ず、素性を全て明かした。
なんとか口止め出来ないものかと悩んだが、ブーンの心配は杞憂に終わった。

314 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:19:10.20 ID:QAZKOHkg0

二人の行為は日に日にエスカレートしていく。

(;^ω^)「ううっ……」

('A`)「?? どうした内藤」

(;^ω^)「い、いや、なんでもないお!!」

('A`)「?? そうか」

(;^ω^)「(まずいお!!勘弁してくれお!!)」

ξ゚听)ξ「(ふふ……ん……ちゅっ)」

机の下では白昼堂々、淫猥な行為が行われていた。
内藤の足の下に潜り込み、執拗に内藤のモノを責め立てるツン。

(;^ω^)「(ちょ……ああ……)」

「窓際族」と呼ばれそうなポジションの内藤の位置は、完璧な死角になっていた。
目の前の同僚、ドクオが不審な目で見ていたが、なんとか気づかれなさそうだ。

315 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:19:56.66 ID:QAZKOHkg0

('A`)「それにしてもさ〜、ツン先輩可愛いと思わねえ??」

(;^ω^)ξ゚听)ξ「!!!!!!」

('A`)「あん? なんだ汗かいちゃって……そんな暑いか?」

(;^ω^)「なんでも……ないお……」

('A`)「お前らまだくっついてないんだろ? まだ俺にもチャンスあるよな」

('A`)「マジ可愛いよな〜……俺先輩で何度抜いたかわかんねえよwwww」

ξ゚听)ξ「(ん……くちゅ……)」

(;^ω^)「(お前の憧れの先輩は……今俺のモノを一生懸命しゃぶってるお……)」

('A`)「あれ? そういえばツン先輩どこ行ったんだ??」

(;^ω^)ξ;゚听)ξ「!!!!!!」

316 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:20:21.91 ID:QAZKOHkg0

('A`)「ちょっと俺探してくるわ〜」

(;^ω^)「お、おう」

ξ゚听)ξ「……」

(;^ω^)「……」

ドクオがオフィスから出て行く。
人の気配がなくなったところで、ツンの責め立てはより一層激しくなった。

ξ゚听)ξ「……ほら、ん、はひゃく、いっちゃいらさいよ……あん」

(;^ω^)「うう……う、イキそうだお……」

ξ゚听)ξ「いいよ……おくひのなはに……全部……らして……」

(;^ω^)「う、ううっ!!!!!」

ガチャ

('A`)「あれ〜? マジいねぇんだけど」

(;゚ω゚)「!!!!っく!」

どくっどくどくどく!!

ξ;゚听)ξ「〜〜〜〜〜〜っ!!」

317 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 00:20:56.79 ID:QAZKOHkg0

(;^ω^)「ツン先輩……今日のはちょっとやりすぎだお」

ξ゚听)ξ「なに言ってんのよ。内藤のもいつもより大きかったわよ」

ξ゚听)ξ「それより会社から出たら、先輩って呼ばないでって言ったでしょ??」

(;^ω^)「わ、わかったお……ツ、ツン」

ξ*゚ー゚)ξ「ん??」

(;^ω^)「……今何時だお??」

ξ゚听)ξ「今? んと……九時……あ!!」

(;^ω^)「間に合わないお!!ツン先ぱ、ツンが何度もせがむからだお!!」

ξ#゚听)ξ「うっさいわね!! ほら、急ぐわよ!!」

殺し屋ブーンとインベイドマン・ツン。
二人の関係はこれからも続いていきそうです……。

422 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 03:47:51.26 ID:QAZKOHkg0

(;^ω^)「いやマジすいませんお。とりあえずすいませんお」

DQN1「すいませんじゃすまねーだろうがよぉ!!」

DQN2「お兄さん。あのさ、謝罪とかいいからとりあえず慰謝料出せよ」

(;^ω^)「ちょwww肩ぶつかっただけで慰謝料とかねーおwwwwww」

DQN1「いいからちょっとこっち来いやコラ!!」

人気のない場所まで引っ張られる内藤。
傍から見たら、DQNに絡まれている不幸なサラリーマンに見えただろう。
DQNの一人が威嚇を込めて内藤に肩を組む。

DQN1「さーてと……とりあえず財布出せ……や……??」

しかし本当に不幸なのは

DQN1「……お前、見かけによらずガタイいいな……」

絡む相手を間違えたDQNの方だった。

423 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 03:48:32.19 ID:QAZKOHkg0

( ^ω^)「……」

DQN1「あ……っ!!ひゅ……っ!!」

肩を組んできたDQNの喉をひねり潰す。
騒ぎ立てないように。
人が来ないように。

……邪魔が入らないように。

DQN2「な、なんだてめ」

激痛に絶えかね、地面をのた打ち回るDQNには目もくれず、内藤はもう一人の鳩尾を殴打した。
前のめりになったDQNの背後に回り、左手で口をおさえ、右手に持つナイフで首を掻っ切る。

血がDQNの喉から派手に噴出する。
それを浴びたもう一人のDQNは、叫ぼうにもかすれた声しか出なかった。

( ^ω^)「……」

DQN1「ひゅ……っ!!」

424 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 03:48:53.40 ID:QAZKOHkg0

ξ゚听)ξ「なにアンタ、昨日もやらかしたの??」

(;^ω^)「俺は悪くないお。絡んできたのは向こうだお」

ξ゚听)ξ「にしたって少しは気をつけなさいよ。誰かに見られてたらどうするのよ」

(;^ω^)「プロなんだからそんなミスしないお……」

ξ゚听)ξ「まぁいいわ。それより新しい仕事が来てるわよ」

(;^ω^)「お??」

ターゲットは先月、新しく出来た「VIP人形博物館」の館長。

(;^ω^)「最近寝不足だお……腰も痛いお……」

ξ゚听)ξ「もう、ごちゃごちゃ言ってないで仕事してきなさいよ」

(;^ω^)「誰のせいだと……」

ξ゚听)ξ「なんか言った?」

(;^ω^)「フヒヒ!!すいません!!」

425 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 03:49:42.19 ID:QAZKOHkg0

深夜の博物館。
労せず忍び込んだ内藤、いや「ブーン」は音も立てず館内を徘徊していた。

( ^ω^)「……」

ツンにもらったデータで、館内の地図はばっちり頭の中に入っている。
館長はこの先の管理室にいるはずだ。

明かりを落とした博物館はかなり不気味だ。
日本人形から西洋人形。
薄暗がりの中で見るソレらはかなりゾッとする。

( ^ω^)「……なんだおコレ」

盛大に立ち並ぶ人形の中で、一際目立つモノが目にとまった。

426 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 03:50:05.28 ID:QAZKOHkg0

フリルのあしらわれた黒のブラウスに、黒地に白レースのスカート。
頭にはヘッドドレス。

ブーンの腰ほどの背丈の、ゴスロリファッションの人形が展示してあった。

(;^ω^)「今の博物館はどうなってんだお」

思わず止めてしまった足を促し、管理室へと向きなおす。
視線を外した先で、ゴスロリの人形がガラスを破りブーンへと襲い掛かった。

(;^ω^)「くわっ!?」

人形「ちっ!!」

済んでのところで人形をかわす。
一撃で仕留められないと踏むと人形は距離を取り、懐から二丁の拳銃を取り出した。

(;^ω^)「ちょwwwww」

それは大胆にも黄金の装飾が施されたゴールドルガー。
口の端を吊り上げ、自身の勝利を確信し、人形は銃を放った。

人形「……えっ!?」

一瞬。
人形はブーンを見失った。
天井の突起にしがみつくブーンの姿が視界に入ったところで、人形は意識を失った。

427 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/23(金) 03:50:52.54 ID:QAZKOHkg0

ξ゚听)ξ「……危ないところだったわね」

(;^ω^)「ツン!! どうしてここに……」

ξ゚听)ξ「今回の仕事、どうも陰にこの「マリオネット」が動いている気配がしたのよ」

(;^ω^)「……!!」

マリオネット。
ブーンは思い出していた。
5年前、このゴスロリの人形のように、自我を持ち襲い掛かる人形とやったことがある。
そのとき呼ばれていた名前も確か「マリオネット」だったはず……。

ξ゚听)ξ「ふふ、これで貸し一つよ」

(;^ω^)「……ちょっと待ってお。どうして分かってて教えてくれなかったんだお」

(;^ω^)「まさか俺に貸しを作る為にわざわざ……」

ξ#゚听)ξ「ぐだぐだうっさいわねぇ。さっさと館長殺ってきなさいよ」

(;^ω^)「はい」

足早に向かう管理室への道のりで、ブーンは会社・ベッドの中以外でも、ツンに主導権が移りつつあるのを感じていた。
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