884 リボンシトロン ◆un/N24oeCQ sage New! 2006/06/19(月) 21:38:20.41 ID:RBVodTaBO
駅のホームで、朝7:24に来る電車を栄養ドリンクを飲みながら待つ青年がいた。
彼の名前は内藤ホライゾン。通称ブーン。平凡なサラリーマン。彼の平日は常に一定である。

起床、支度、出勤、駅で栄養ドリンクを飲み、会社に着けば仕事
昼飯は社食で済ませ、また仕事、退社、帰宅、風呂、夕食、就寝
毎日ほぼこれの繰り返しである。

だが、ちょっとした事から、“その日”にちょっとした変化をもたらした。
その日もいつもと変わらない朝だった―――――

ジリリリリリリリリリリカチッ

(  ゚ ω ゚)「・・・」

起床である。ノロノロと寝室から洗面所へ顔を洗いに行く。

(  ゚ ω ゚)「・・・」(顔をふいてる)

半分寝ていると言っていい。彼は朝起きてから会社に着くまで、ほぼ無意識なのだ。

(  ゚ ω ゚)「・・・」(パンを持ったまま硬直してる)

朝食を軽く済ませ、出勤。自転車で駅までの道のりをこぐ。その間も、常にほぼ無意識である。

(  ゚ ω ゚)「・・・」

駅についた彼は定期ですんなりホームに降りた。

いつもの売店に歩いて行き、栄養ドリンクを買おうとする。だが…

889 リボンシトロン ◆un/N24oeCQ sage New! 2006/06/19(月) 21:55:18.61 ID:RBVodTaBO
(  ゚ ω ゚)「・・・?」(小銭入れを漁っている)

( ^ω^)「・・・!!小銭がないお・・・!」

140円しかなかった。彼はいつも150円のドリンクを買っている。

( ^ω^)「…どうするお…」

彼は札を10円の為だけにくずすかどうかを悩んでいた。

( ^ω^)「…まあ、別にくずしてもいいお」
そう言って彼は千円札を探した。が…

( ^ω^)「…。五千円札しかないお…」

彼は自分の中で栄養ドリンクを買う気が失せていくのを感じた。

( ´ω`)「…セツナス…別の飲み物でも買うお…」

ふと目に止まったのは、―――リボンシトロン 140円―――

( ^ω^)「小銭ジャストだお…これ下さいですお。…ごくっごくっ…サイダーだお」

彼は数分間その場に突っ立った。 ・・・プァン

( ^ω^)「電車来たお。…ペットボトルかばんにいれてないお。手で持つお…」

満員電車になんとか体を電車にねじいれたと同時に『ほぼ無意識』になった。

(  ゚ ω ゚)「・・・」

901 リボンシトロン ◆un/N24oeCQ sage New! 2006/06/19(月) 22:10:22.05 ID:RBVodTaBO
(;^ω^)「おっおっおっ、着いたお。今日も1日頑張るお」

ボグッ

( ^ω^)「? あ、ペットボトル落としたお」

いつもはない物なせいか、彼はリボンシトロンを落としてしまった。

( ^ω^)「今日はこれが栄養ドリンク変わりだお。これで頑張るお」

彼はリボンシトロンを拾いそう言った。
今日はデスクワーク。彼は一生懸命仕事をこなす。あっという間に仕事が終わる。

(;^ω^)「今日も疲れたお」

会社から出た彼はそう言って帰路につく。リボンシトロンは三分の一ほど残っている。

駅のホームに着くと丁度電車が来ていた。彼はちょっと急いで電車に乗り込んだ。間一髪だった。乗り込んだ瞬間ドアが閉まる。

(;^ω^)「危なかったお。ラッキーだったお」

ボグッ  まただ。またリボンシトロンを落とした。彼はため息をついてそれを拾う。その瞬間―――

ξ;゚听)ξ「キャッ!!!」

( ^ω^)「?」

ξ#゚听)ξ「この人、痴漢です!」

(;^ω^)「・・・は?」

924 リボンシトロン ◆un/N24oeCQ sage New! 2006/06/19(月) 22:31:22.06 ID:RBVodTaBO
―――警察署

(;^ω^)「・・・」

彼は痴漢行為をしたという事で逮捕された。

会社もクビになり、賠償金も払い、『お先真っ暗』状態になってしまった。

もうリボンシトロンは買わない。


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