29 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:39:03.81 ID:9bDrayYH0
やあ (´・ω・`)

ようこそ、VIP劇場へ。
このS席のチケットはサービスだから、破らずに受け取って欲しい。

うん、これは『劇』なんだ。すまない。
つまらないと眠くなるって言うしね、無理に見て貰おうとも思っていない。

でも、この『劇』を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「違和感」みたいなものを感じてくれると思うんだ。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って
この小説を作ったんだ。


じゃあ、さっそく始めようか。

30 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:39:28.44 ID:9bDrayYH0
これは、昔々のつい最近のお話です。
山奥の小さな村の小さな家に、ツンデレとお母さんが住んでいました。
ある日、ツンデレはお母さんにお遣いを頼まれました。

J('ー`)し「はいこれ。ぶどう酒・・・・・に見えるけど、非常に可燃性の高い特別な灯油よ。
     間違えて飲んじゃダメよ。あと、ついでにマッチも売ってきて欲しいの」

ξ゚听)ξ(何よコレ・・・・・話が違うじゃない!)

J('ー`)し「それでね、ぶどう酒(←実は違う)をおばあちゃんの家まで届けて欲しいの。
     森にはコワイコワイ狼が住んでるからね。ツンちゃんみたいな若い娘は
     『クパァ』って食べられちゃうかもね。でも、カーチャンは責任取らないから気をつけてね」

ξ゚听)ξ 「アンタが行ってくればいいじゃないのよ」
J('ー`)し「うんうん、行ってくれるんだね。カーチャンこれからパートで忙しいのよ。
      カーチャンが昨日徹夜で作った赤い頭巾を被って行きなさい。これを被れば
      ツンちゃんも、立派な赤ずきんだからね。」

こうしてツンデレ改め赤ずきんは、少し大きめの赤い布が敷いてあるカゴに、
ぶどう酒(←灯油)とマッチを入れました。
そして、暗い森の中に住んでいる、おばあちゃんの家に行く事になりました。

31 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:39:50.04 ID:9bDrayYH0
〜暗い森の中〜

(*^ω^)「フヒヒヒヒヒ!!僕はブーンじゃないお!オ・オ・カ・ミなんだお!!
      よく見えないけど、この完璧なオオカミの着ぐるみを見るんだお!!
      はっきり言って滅茶苦茶あついお!!・・・なぜか若いオニャノコの肉が食べたいんだぜ?」

食欲旺盛なオオカミが、かなりのハイテンションで独り言を言っていました。
すると、村の方向から赤い頭巾を被った、若くて、キレイで、しかしツルペタな
女の子がやってくるではありませんか。

ξ#゚听)ξ「ちょっと、一言多いんじゃないの?」

気のせいです。

(;^ω^)「あのぅ・・・・こんにちは、お嬢さん」
ξ///)ξ 「お、おじょ・・!!べ、べつに嬉しくなんかないんだから!!」
( ^ω^)「話進まないお」
ξ゚听)ξ 「おk。おばあさんの家が知りたいのね?」
(;^ω^)「ちょwwww僕のセリフ抜かしてるおwwww」

ξ゚听)ξ 「気のせいよ。おばあさんの家なら、幼女が通れるぐらいの小さなトンネルを
      抜けた先にある少し昇り坂を昇りきった場所の大きなくすの木の根元にある小さな
      穴を覗き込んで滑り落ちたところにあるわ」

( ^ω^)「・・・それなんてトト■?」

32 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:40:33.86 ID:9bDrayYH0
( ^ω^)「それより、おばあさんの家に行く、とっても便利な近道があるお。
      そっちの方が早く着k」

ξ゚听)ξ 「それはないわ。おばあさんの家にはその道でしか行けないの。
      ・・・おばあさんを食い殺すつもりだったら、私より早く行くしかないわよ。
      はい!分かったらさっさと行く!」

(;^ω^)「ちょww勝手に人の心の中読むなおwwww超能力だおwww」
ξ゚听)ξ 「アンタ、人じゃなくて狼じゃないのよ」

気まずいふいんき(←なぜか(ry)が漂ったなか、
オオカミは、せっせとおばあさんの家に向かって行きました。


* * *


ξ゚听)ξ 「――もう出てきてもいいわよ。狩人さん」

赤ずきんは、そこか冷たくそう言いました。
すると草むらから、どうみても屈強そうには見えない男が一人でてきました。
本当にありがとうございます。しかし、ちゃんとした猟銃は持っているようです。

('A`)   「御意」
ξ゚听)ξ 「あなたの役目は?」
('A`)   「・・・私の役目は貴女を護衛し、機があれば狼を迅速に、かつ確実に銃殺する事です」
ξ゚听)ξ 「分かってるならいいわ。よろしくね、狩人さん。
      さぁ、行きましょ―――」

33 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:41:29.80 ID:9bDrayYH0
その頃、オオカミは無事におばあさんの家へ辿り着いたようです。
ですが・・・・・?

(;^ω^)「これは・・・どうみてもお菓子の家だお。
      おばあさんがココに住んでたら糖尿病になるんだぜ?」

そう。その家は、甘いお菓子で出来ていました。
屋根は真っ白な生クリームで出来ていて、外壁はこんがり焼けたビスケット。
花壇には角砂糖で出来たイチゴやサクランボ・・・。

(*^ω^)「お、このチョコ美味しそうだお・・・・・ちょっと味見してやるお!」

ポリッ


( ゚ω゚)



( ゚ω゚)  「なんでカカオなんだ・・・?」



             No  Sweet!
           ――――――――――――
            フェアなチョコ作りを。

34 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:41:58.19 ID:9bDrayYH0
その時です。
オオカミは、後ろから誰かがやってくる気配を感じました。

(;^ω^)「ヤバイお・・・ツン、じゃない、赤ずきんがやって来るお・・・。
      こんな怪しい家入りたくないお!早く草むらに隠れるお!」

おやおや? オオカミは草むらに隠れて様子を見るようです。
しかし、暗い森の向こう側からやってきたのは赤ずきんではなく、
どうやら若い兄弟のようでした。


* * *


(´<_` )「―――こんな森の中で道に迷うとは、流石だよな兄者」
( ´_ゝ`)「童話ではよくある事だ。ケータイで助けを呼ぼう」
(´<_`;)「いや、この世界でケータイはないだろう。
       せっかくの世界観がぶち壊しだぞ、空気嫁よ」
( ´_ゝ`)「『昔々のつい最近』だからな。パソコンよりかは許容範囲だろう」


『残念。充電切れですぅ(><;)』


( ´_ゝ`)「チッ・・・・・OK。そこの菓子の家でコンセントを探そう」
(´<_`;)「兄者よ。あの家にコンセントがあったら危ないのでは?」

2人の兄弟はクッキーで出来たドアを開き、お菓子の家の中に入って行きました。

35 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:42:26.64 ID:9bDrayYH0
お菓子の家の中は、やはりお菓子で出来ていました。
大きなテーブルの上には、美味しそうなクッキーや飴。キャラメルやフルーツの盛り合わせ・・・
見たことのない、とても豪勢な料理が並んでいます。
しかし、家の中に人の姿はありませんでした。

( ´_ゝ`)「ふむ・・・なかなかステキな家じゃないか」
(´<_` )「一体誰が住んでいるんだろうな・・・」
( ´_ゝ`)「とりあえず、コンセントを探すぞ」

2人はコンセントを見つけるために、壁を注意深くみていました。
よくみると壁には生クリームが塗られており、その表面に板チョコ(←実はカカオ)が
たくさん、等間隔に貼り付けられています。
よくみると、その中の1つだけが不自然に傾いていました。

( ´_ゝ`)「弟者よ、みてみろ。この板チョコの裏にコンセントがありそうだ」
(´<_` )「ふむ、さっそく見てみよう」


パカッ



  "Barbon House"

36 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:42:52.90 ID:9bDrayYH0
やあ (´・ω・`)

ようこそ、バーボンハウスへ。
この板チョコはサービスだから、まず食べて落ち着いて欲しい。

うん、「罠」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、このお菓子を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って
この家を建てたんだ。

じゃあ、君達は呪いでお菓子になって貰おうか。


* * *


(;^ω^)「中に入っていった2人はどうなったんだお・・・?
      何か怖いお。・・・でも、ちょっと覗いてみるお」

ガチャ―――

(´・ω・`) 「ハムッ!ハフハフッ!ハムッ!うめぇwwwww」

―――バタン。

(;^ω^)「きめぇwww婆さんじゃないおwwww誰だおアイツwww」

37 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:43:22.51 ID:9bDrayYH0
その時、森の向こう側から見覚えのある顔―――赤ずきんの姿が見えました。
赤ずきんは、徐々にこちらへ近づいています。よくみると、銃を持った男も。

(;^ω^)「やばい・・・やばすぎるお。・・・家の中に入るお!」

ガチャン。

(;^ω^)「あのー・・・お食事中すみませんお」
(´・ω・`)「さっきから本当に失礼な奴だな。君は誰だい?」
( ^ω^)「オオカミと申しますお。・・・おばあさんの家をご存知ないですかお?」

(´・ω・`)「ああ、ここがそうだよ。僕の魔法でお菓子の家に変えたのさ。
      それ以来、フラフラとここにやってくる馬鹿な人間を魔法で食料に
      変えて生活してる。オオカミなら、君も人間を食べるんだろう?」

(#^ω^)「違うお。僕が食べるのは肉だお。特に若いオンニャノコの肉は美味しいお」
(´・ω・`)「別になんでもいいや。――――僕の魔法は人間にしか効かないからね。
      とりあえず腹も満腹だから、食後の運動といこうか」
(;^ω^)「お?」

(´・ω・`)「レッツくそみそ」

38 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:43:57.11 ID:9bDrayYH0
ξ゚听)ξ 「――ここがおばあさんの家のばずよ」
('A`)   「随分と、派手な家ですな」
ξ゚听)ξ 「リフォームしたのね」
('A`)   「あるあr・・・ねーよwwwww」

ξ゚听)ξ 「冗談よ。・・・私は家に入って、おばあさんのフリをしてるオオカミに
      襲われるわ。狩人さんは、オオカミさんが油断してるスキにその背中の立派な
      猟銃で撃ち殺して欲しいの。確実に一撃で仕留めてね」

そう言うと赤ずきんは、一つ大きく深呼吸をしました。
クッキーで出来たドアを丁寧にノックし、お菓子の家の中に入ろうとしました。

コンコン。


ξ゚听)ξ 「おばあちゃん、赤ずきんです。お母さんに言われてぶどう酒を
      持ってきました。開けて下さい」

しかし、クッキーで出来たドアには何の反応もありませんでした。
急に不安になった赤ずきんは、思い切りドアを開けて、思い切り見てしまいました。

ξ;゚听)ξ 「あばあちゃ――――

(*^ω^) 「ア゛ーーーーッ!!!!!」
(*´・ω・`*)「ハァハァ・・・まだまだこれからだよ!!ワッフルワッフル!!」

――――バタン。

39 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:44:37.40 ID:9bDrayYH0
('A`)   「どうなされました?」
ξ#゚听)ξ 「作戦変更よ。お母さんから預かった灯油を、家の周りに撒くわ。
       その後、マッチで火を付けて家を燃やすわ。・・・オオカミもろとも、
       こんな家消えてなくなればいいのよ!!」

('A`)   「・・・御意」


* * *


(*´・ω・`*)「ハァハァ・・・・そう!そうだよ!もっと熱く、激しく、焦げ臭く・・・」
( 'ω`)「う・・・うぅ・・・・・」
(;´・ω・`)「・・・・!?何だこの臭いは!?焦げくざいぞ!」

お菓子で出来た家は、段々と溶けていきました。
お菓子の家の周りを炎が舐めるように、壁の板チョコや天井の生クリーム、
テーブルの上の豪華なお菓子、キレイで美味しそうなビスケットや果物・・・・
それらがドロドロに、もしくはバラバラなりながら、お菓子の家は壊れていきました。

40 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:45:08.48 ID:9bDrayYH0
(´・ω・`)「ああ・・・これでは魔力を維持できない。・・・・私の体が維持できない。
      私は死んでしまう。悪魔である私の存在がなくなってしま―――」
( 'ω`)「あうあう・・・・も、もうだめお。これ以上は食べれない、入らな―――」

―――ドンガラガッシャーン!!

ついに、お菓子の家は崩壊してしまいました。生クリームなどのお菓子の残骸が、
周りに甘ったるい匂いを放っていました。崩れた衝撃で、炎は消えてしまいました。

ξ///)ξ  「もうっ・・・飛び散った生クリームで体がベタベタになっちゃったじゃないのよ!!」
(*'A`)   (何かエロイな)
ξ#゚听)ξ「今、変な事考えたでしょ?」
(;'A`)   「そのような事は決してございません」 

しばらくすると、お菓子の家の残骸からおばあさんが
お菓子で体中をベトベトにしながら出てきました。

J(;'ー`)し 「ふぅ・・・けっこう酷いわねぇ」
ξ゚听)ξ 「おかあさ・・・ん?」

J('ー`)し 「私は一人二役だから、今はカーチャンじゃなくて、おばあちゃんよ」

ξ゚听)ξA`) 「把握した」

41 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:45:32.29 ID:9bDrayYH0
ξ゚听)ξ 「おばあちゃん、部屋の中にいた男は誰だったの?」

J('ー`)し 「おばあちゃんね、家のベットで寝てたら、突然変な男が
      家にやってきたの。そしたら『お礼は後で必ず致しますので、この家は
      しばらくお借りします。宜しければ誓約書にサインを』って言われて・・・
      おばあちゃん何の疑いもなくサインしちゃったの」

ξ///)ξ 「おばあちゃん・・・騙されやすいんだから気をつけなさいよっ!」
J('ー`)し 「でもね、そのおかげで持病が治ってピンピンしてるよ。
      ・・・・健康ってのは、ありがたい事だねぇ」

そんな和やかな話をしていると、お菓子の残骸が一瞬だけ動きました。
いち早く狩人はソレに気づき、背負っていた猟銃を静かに構えました。

お菓子の残骸から、オオカミの姿がはっきりと浮かび上がりました。
赤すきんとおばあさんも気づき、周りの空気(←なぜか読めない)が変わりました。

( ^ω^)「うはwwwww生クリームで体中がベトベトだおwww」

ξ゚听)ξ 「あれは・・・・オオカミね。―――狩人さん、よろしくね」
('A`)   「御意」

42 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:46:41.64 ID:9bDrayYH0
狩人は無言で、オオカミに向けてピタリと狙いを定めました。
射程距離を確認し、短く息を吐くと、人指し指に全神経を集中させました。
そして、

('A`)   「ブーン・・・すまない」


バアァン!!!――――


(;^ω^)「お・・・・? ―――!!」
( 'ω`)「ドクオ・・・な・・で?」



( ゚ω゚) ぬ?





ドサッ

―――と言う激しい銃声が聞こえると、
オオカミは腹から大量の血を流して死んでしまいました。

43 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:47:11.08 ID:9bDrayYH0
その後赤ずきんは、お母さんの家へ無事に帰り、末永く
いつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ

めでたし めでたし☆


(´・ω・`)「えー、パソコン又は携帯で読んで頂き誠にありがとうございました。
      『劇』の方はお楽しみ頂けたでしょうか?
      お足元の方が暗くなっております。どうかお忘れ物等がございませんよう、
      お気をつけてお帰りください」





* * *


(´・ω・`)「ふぅ・・・・・帰ったか」

ショボンは一度、誰もいなくなり殺伐とした客席を見わたした。
ショボンが合図をすると、一度閉じた幕が再びゆっくりと開けられた。

広い舞台の上に、オオカミの着ぐるみが横たわっていた。お菓子の残骸に、赤い色が染み込んでいく。
その着ぐるみを悲しげにみている男と、どこか冷静に見ている二人の女がいた。

44 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:47:38.68 ID:9bDrayYH0
(´・ω・`)「おつかれさま。2人とも名演技だったよ。・・・・・特に狩人は
      素晴らしかった。俳優の素質があるんじゃないかな?」

('A`) 「どうも。死体はどうするんだっけ?」

(´・ω・`) 「大丈夫。あの二人が、例の死体処理業者だ。金さえ払えば確実に
       『仕事』をこなしてくれる。今回は、劇に出演させた代わりに半額になったよ。
       ・・・僕は自分の地位と名誉を守りたいし、ドクオだって警察のご厄介は嫌だろ?」

それもそうだな、ドクオはそう言って頷くと、自分の猟銃を見た。
傘ほどの長さがある、ポンプアクション式と呼ばれる本物のショットガン。
先ほど撃ったばかりで、銃身は熱かった。

('A`)   「ショボン・・・本当に、これでよかったのか?」
(´・ω・`) 「違うよ、違うんだよドクオ。―――そう、これは事故だ。大変不慮な、
       不幸な事故なんだ。」

ショボンは冷静に、淡々と話しつづける。

(´・ω・`) 「本当はね、劇に使われる銃はオモチャの予定で、
       銃に使う弾丸もゴム弾だから、ブーンも死ぬ事はなかったはずだった。
       誰かが本物の銃にすりかえた―――そういう事にしておくべきなんだよ」

それもそうだな、ドクオは頷いた。
ショボンは計画が全て上手くいった喜びに、酔いしれていた。

(*´・ω・`*) 「ああ・・・これで、これでやっと邪魔者が消えたよ。皆でこの計画を立てて
         よかったよね。僕のコネと財産がなかったらこの劇も出来なかったよね。
         ・・・・・これで僕とツンは結ばれる。ツンも嬉しいだろう?」

46 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:50:17.49 ID:9bDrayYH0
ツンは、とびきりの笑顔で答える。

ξ^ー^)ξ 「とっても嬉しいわ。ニートの内藤なんかよりも、大金持ちのショボンと
       結婚した方が幸せにきまってるじゃないの!!」

それを聞いたショボンは、意味不明の言葉を言い始めた。

(*´・ω・`*) 「そうだね、僕も幸せだよ。もう僕たちの恋路を邪魔する奴なんていないんだよ
        あのブーンとかブーンなんてブーンはもういないよツンは良かった本当に本当は
        必ず絶対僕の事が好きなんだよね?ああ言わなくても答えは分かってるんだぜ?」

ξ^ー^)ξ 「私が、ブーンを殺せば結婚するって約束したもんね!!
      これで二人の間には何の壁もないわ―――――ブーンにはもうウンザリよ」

それを聞いたショボンは満足そうにしながら、ツンに近づいていった。
ツンの肩を持ち、ツンの目を見て、はっきりとこう言った。

(´・ω・`) 「ツン、キスしてもいいかい?」
ξ///)ξ  「こんなところで・・・恥ずかしいじゃないのよ―――
―――カチッ
(;´・ω・`) 「え・・・」
J('ー`)し 「はい、動かないでね」

突然、ショボンの頭に大口径のリボルバーが突きつけられた。ハンマーは完全に下がり切り、
あとは引き金を引くだけで、彼の頭には穴があく。
ショボンは、それでも冷静に受け答えた。

(´・ω・`) 「ああ・・・・おばさんは知らないんだね。」

ブーンは、ピクリとも動かない。

47 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:50:49.17 ID:9bDrayYH0
ショボンは、何気ない顔で会話を続けた。

(´・ω・`)「ブーンはね、僕達にとって邪魔だったから消えてもらった。
      確実に捕まらない為に、大金を費やしてまでこんなくだらない劇をやったんだ。
      ツンは僕との結婚。ドクオには、一生働いても稼げない程の金をあげるんだ。
      ・・・そんな顔しないでくれよ。ちゃんとブーンの葬式は厳かに、僕達の結婚式は
      盛大にやるからさ。」

J('ー`)し 「・・・・・」

(´・ω・`)「おばさんは、何が欲しいかい?・・・この事さえ誰にも喋らなければ、
      お礼は必ず致しましょう」

J('ー`)し 「あなたは―――

ショボンは、カーチャンの一瞬のスキを見逃さなかった。
素早くシリンダーを掴み、ハンマーが上がらないように親指で止める。
彼女のリボルバーを奪い取り、腹を思い切り蹴飛ばし、倒れこんだと同時にノド元に突きつけた。

(´・ω・`) 「形勢、逆転だね」

ξ゚听)ξ 「―――だまされたのよ」

ツンは、ショボンの一瞬のスキを見逃さなかった。
素早く放置されていたカゴを拾い上げ、カゴの中に敷いてあった赤い布を取り去る。
隠していた同じ型のリボルバーを手に取り、彼の予想を大きく裏切り、油断している隙に頭へ突きつけた。

ブーンが、ピクリと反応した。

48 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:51:22.17 ID:9bDrayYH0
ショボンの奪い取ったリボルバーに、銃弾は入っていなかった。
しかし、ツンの持つリボルバーには六発分の銃弾がきっちりと入っている。

(;´・ω・`) 「な・・・・んで?」

ξ゚听)ξ 「あなたはね、騙されたのよ。ワタシとの結婚も、この『計画』も、
      ぜーんぶウソなの。あなたの事なんか、これっぽっちも愛してないの。
      それに・・・」
ξ///)ξ  「・・・ワタシが本当に好きな人は、世界中探しても一人しかいないんだからっ!」

ショボンが状況を把握するまでの間、舞台は静寂に包まれた。
ちらりと、着ぐるみ姿のブーンを見る。着ぐるみと赤い色とお菓子でよく分からないが、
ピクリとも動く気配がなかった。

(´・ω・`) 「・・・・うそだ」

( ゚ω(;´・ω・`) 「ツン・・・狂ってしまったのかい?
          ツンがアイツを殺して欲しいと言ったんじゃないか。
          だから僕が、愛するツンの為に劇場をまるごと借りた。確実にアイツを
          この世から抹消する為にね。・・・本当はアイツが好きだったとしても
          見てのとうり(←なぜか(ry)もうアイツは死んでるんだよ消えたんだよだからツンは
          ツンがボクとけけけっこんするしかないしその銃もオモチャなんだよねだからつまり
          さっさと早く悪い冗談はやめて僕と式を挙げるしか―――ん?」

       −=三∧_∧
−=三⊂二二二(# ゚ω゚)二⊃   ファイナルブーンアタアァァァーーック!!1
     −=三ノ   /
    −=三( ヽノ
  −=三// > > 
  −=三レ  レ

49 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:51:44.09 ID:9bDrayYH0
ファイナルブーンアタックをマトモに受けたショボンは、3m程ぶっ飛ばされた。
その衝撃で、突然の出来事に受身も取れず、固い舞台の地面に体を叩き付けられる。

(;´・ω・`) 「グッ・・・なんで・・・・生きて・・・るんだよ」

ブーンは、着ていたオオカミの着ぐるみを脱いだ。大きな頭の被り物を外し、
背中のチャックを、起き上がったカーチャンに開けてもらう。
すると、大型バイクに乗るような頑丈なヘルメットと、しっかりと防弾チョッキを
着込んていた事が分かった。コンドームに濃い赤色の付いた水を入れた物が、
着ぐるみの中に仕込まれていた。三人は、どこかで聞いたようなセリフを言った。

(;^ω^)「うはwwwwwめちゃくちゃ暑かったお。体中が汗でベトベトなんだおwww」

ξ゚听)ξ 「おつかれさま。―――狩人さん、よろしくね」
('A`)   「御意。ショボン・・・すまない」

ショボンは、自分の首を上に向けた。そこには、天井に付けられたライトで逆光したドクオの顔と、
次弾を装填し終えたショットガンの銃身が、美しく見えた。


* * *


(´<_` )「終わったようだな」
( ´_ゝ`)「よし、今から仕事にかかるぞ。・・・約束通り、コイツの持っている
       全財産の『半分』は我々が貰う」

やり取りを舞台裏で見ていた二人は、4人に話し掛けた。

50 本当に残酷なVIP童話 New! 2006/06/17(土) 19:52:10.09 ID:9bDrayYH0
ξ゚听)ξ 「ええ、当然の権利だわ。・・・残りは、私達が平等に頂くわね」
(*^ω^)「ktkr!これで僕たちは超大金持ちだお!」
('A`)   「あー、何買おうかなぁ・・・アレとコレと・・・ブツブツ」
J('ー`)し 「ふふ・・・私の老後もこれで安心だわ」

(*^ω^)「夢ひろがりんぐだお。・・・ところで、本当に大丈夫なのかお?」

死体がテキパキと片付けられていく様子を見学しながら
三人とも満足気な表情で、同時に答えた。



ξ^ー^)ξー`)し∀`) 「バレなきゃいいの」


                             〜終わり〜

・この小説はフィクションです。実際の個人名・団体名とは一切関係がありません。
・ここまでのお話は全て四人の演技です。実際の個人名なんかは関係ない事もありません。
・何か感想を述べてくれると、画面の向こうで作者が喜んだり落ち込んだりするかもしれません。

inserted by FC2 system