113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 00:45:20.46 ID:RTerCFvF0
ブーン達がバラデュークから脱出するようです
第2話

最初のショックから立ち直ればブーン達は訓練された人間である。すぐに動き始めた。
('A`)「とりあえず使えそうなものを探そうぜ」
川 ゚ -゚)「あと、自分達以外に生存者がいないかどうかも確認しよう」
( ^ω^)「了解だお」
(´・ω・`)「僕はちょっとここスーツに記録されてるデータを調べて何が起こったのか調べてみるよ」
( ゚∀゚)「じゃあ二人ずつに別れよう。ショボンとクーはデータの分析をやってくれ。俺とブーンはこの部屋をもう一度調べてみる、ツンとドクオは別の部屋を頼む」

114 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 00:46:37.05 ID:RTerCFvF0
( ^ω^)「ジョルジュ」
( ゚∀゚)「何だ?」
( ^ω^)「−400mって事は…ここは地下だお?」
( ゚∀゚)「ああ、そうだな」
( ^ω^)「地盤沈下か何かでも起こったのかお?」
( ゚∀゚)「分からん。気になることは地盤沈下が起こって施設ごと裂け目に落っこちたとしても、衝撃で部屋のロックシステムが作動して気密が保たれているはずなんだ」
( ^ω^)「…」
( ゚∀゚)「だが実際には気密は確保されていない。コンバットスーツをきちんと着込んでいなかった奴は真空状態に放り込まれて死んでいる」
( ^ω^)「…」
( ゚∀゚)「まぁ詳しい事はショボンとクーが調べてくれると思う。俺らは俺らのやれる事をやろう」
( ^ω^)「了解だお」

115 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 00:49:22.25 ID:RTerCFvF0
ブーン達が今いるのは訓練準備室と呼ばれる、各種装備品を装着するための部屋だ。
ここでコンバットスーツやら何やらを着込んで隣の気密室を経て訓練室に入る事になる。
この部屋は訓練の休憩室も兼ねていて休憩用の固定式のテーブルや椅子、ついでに自動販売機なんかもあったりする。
ジョルジュとブーンはこの部屋に置かれている備品を漁る。
( ゚∀゚)「波動銃が3丁・・・クソ、ほとんどエネルギーが切れてやがる」
( ^ω^)「エネルギーコンバーターは?」
( ゚∀゚)「機能が停止してる…電源が入っていないのか?」
今しがた気付いたのだが、この部屋の照明は完全に落ちているようだ。
スーツが自動的に補正をかけてくれているので、ブーンの目の前にいるジョルジュの姿はきちんと見えるし、部屋の障害物にぶつかったりする事は無いのだが。
どうやら非常電源を含めて部屋の電源は完全に死んでいるようだ。
( ^ω^)「時間を置けばエネルギーは回復していくから無いよりマシだお」
( ゚∀゚)「ああ、できれば使うような事にはなって欲しくないんだがな…」

116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 00:51:46.41 ID:RTerCFvF0
部屋にはいくつものミイラが状の死体が転がっていた。死体は8つ。
ブーンが先ほど突き飛ばしたミイラも含めて、の話だ。
動揺していたとは言え、酷い扱いをしてしまったのでちょっと申し訳ない気分になる。
( ^ω^)「ヘルメットを付けてなかったから…?」
( ゚∀゚)「何らかの理由でこの部屋が真空状態になったせいだろうな…徐々に空気が抜けていって窒息した訳じゃなくて、突然こうなって即死したんだろう」
一歩間違えれば自分達もこうなっていたという事を考えるとゾッとする。
この人達は運が悪く、自分達は運が良かったとしか言いようが無い。
( ゚∀゚)「すまんな」
そういってジョルジュは死体からスーツのバッテリーや、使われる事のなかった圧縮酸素ボンベを死体から回収する。
何も遺してあげられないが、せめてもと思い死体を部屋の片隅に並べて二人はしばし黙祷した。

117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 00:53:54.99 ID:RTerCFvF0
( ^ω^)「ジョルジュ。この人生きてるみたいだお」
( ゚∀゚)「らしいな」
倒れている人のステイタスをスーツを通して確認。脈拍、自発呼吸有り、心拍数は80前後、目立った外傷などは無し。
きちんと生きている。体型から見て女性のようだった。
( ゚∀゚)「どれ、それじゃあ起こすか」
そう言ってジョルジュはプログラムを送り込む。
(;^ω^)「何やったんだお?」
( ゚∀゚)「あれだよ、あれ。俺特製のモーニングコール」
あれか。
しばらくしてスーツ姿が感電したかのように跳ね起きる。
「!?」
( ゚∀゚)「おはよう?気分はどうだ?」
それに答えず身をよじって何かから逃げようとしている。
通信機の周波数があっていないので、何を言ってるのかは分からないが多分「あwせdfrtgyふじこ!?」とでも言ってるに違いないだろう。
ジョルジュが流し込んだプログラムは「おはよう諸君」と呼ばれるやつだ。
これは訓練中などに気絶した情けない訓練生を教官が叩き起こすために作られたやつで、これをスーツに放り込まれると生命維持機能の覚醒動作を無理矢理作動させられる。
要するにスーツに喝を入れられるのだ。これを使われると気絶していた訓練生はひとたまりもなく起きる。
気絶という安穏とした逃げ道を断たれ、強制的に再び訓練に戻らされるのだ。
ジョルジュはどこからかそのプログラムのソースをパクってきてこれにアレンジを施した。
喝をいれられるのまでは同じなのだが、そこからが一味違う。
ジョルジュ特製のやつはその後にスーツの収縮機能を駆使してマッサージを行う。
そしてそのマッサージは胸を重点的に行われる。平たく言えばおっぱいを揉まれるのだ。
しかもただ揉むだけではなく、バストのサイズに合わせて揉み加減を変えるというこだわりっぷり。
職人魂とも言える揉み加減、芸術的とも呼べるプロテクト突破率を誇るセクハラプログラムを組み上げた功績から、ジョルジュはおっぱい魔人という称号を得た経歴を持つ。
ちなみにツンとクーのスーツにこれを流し込んだ時、考えうる限りの痕跡消去を施していたのにも関わらず発生源を見破られた。
当然というかジョルジュは二人に半殺しにされた。

119 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 00:56:20.31 ID:RTerCFvF0
( ゚∀゚)「ねぇ、今どんな気持ち?ねぇ?ねぇ?ねぇーってばぁ?」」
(;^ω^)「ジョルジュ…あんまりいじめるなお」
ジョルジュは放置して相手の網膜に通信機の周波数を送り込む。
しばらくして相手の声が聞こえてきた。
(*゚ー゚)「何?何なの一体!?今のは何?あなた誰!?」
よほどショックだったのかちょっと涙声だ。
( ゚∀゚)「いや、すまん。ちょっとした冗談のつもりだった。今は反省していない」
(;^ω^)「ジョルジュ…あとでツンとクーに報告しておくお?」
ξ゚听)ξ「その必要はないわよブーン」
絶対零度の声が割り込んできた。
川 ゚ -゚)「報告せずともちゃんと聞いているし、何をやったのかも予想がつく」
ξ#゚听)ξ「あとでちょーっと顔貸して貰うわよ?ジョルジュ?」
(;゚∀゚)「…」
死刑宣告を下されたジョルジュを再び放置して、自己紹介と状況説明だけしておく。
(*゚ー゚)「えーと、つまり何かが起こって地底に引きずり込まれたと?」
しぃと名乗った女性はそう問いかけた。
( ^ω^)「詳しい事はまだ分かってないけど、概ねそんな感じだお」
( ゚∀゚)「…辛いだろうがあんたと同じチームの人間が、あそこにいないか確認してきてくれないか?」
(*゚ー゚)「…分かりました」
そういって部屋の片隅、さっき死体を並べた所にしぃは歩いていく。

120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 00:57:34.42 ID:RTerCFvF0
( ^ω^)「どうしたんだお?」
扉の前でドクオとツンが立ち尽くしている。
('A`)「んー、ちょっと変なんだよ」
ξ゚听)ξ「外の様子をX線で通して見たんだけど、何もないの」
( ^ω^)「何もない?」
('A`)「ああ、文字通りな。すぐ近くにあるはずの隣室の壁すら見えねぇ」
ξ゚听)ξ「反対側の通路に通じる扉も同じような状態なの」
('A`)「扉自体はいつでも開けれるんだが、この部屋での作業が一段落するまで待った方がいいと思ってな」
( ゚∀゚)「なるほど」
ショボンが会話に割り込んできた。
(´・ω・`)「ちょうど良かった、一段落ついたら皆中央の方に集まってきて欲しい」

121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 01:01:20.54 ID:RTerCFvF0
( ゚∀゚)「何か分かったか?」
(´・ω・`)「そうだね…およそ1時間ほど前に大規模な超能力振動が発生した事が確認できた」
( ^ω^)「?」
(´・ω・`)「あ、ブーンはオクティ族の生態系について詳しくまだ聞かされてないんだったっけ?」
頷く。
(´・ω・`)「じゃあ説明しておくね。オクティ族はね、超能力を操れるんだ」
('A`)「超能力?」
(´・ω・`)「そう、超能力。…って、何でドクオが聞くの?」
('A`)「いや、すまん。異星人生態系の講義と先週の説明会全部寝てた」
(;´・ω・`)「…まぁいいけど。それで超能力についてなんだけど念動力、力場の発生、空間移転とかそれなりに何でもアリなんだ」
( ^ω^)「ふむふむ」
川 ゚ -゚)「それで今回検出された振動波パターンは空間移転。つまりテレポートだ」
('A`)「それは…このベース自体が地下にテレポートさせられたって事か?」
川 ゚ -゚)「分からない。だがその可能性は高いと見ておくべきだろうな」
(;゚∀゚)「馬鹿な。小規模の空間転移ならまだしも…この施設ごと移転させるなんて一体どれだけのエネルギーが必要だと思ってんだ。俺達地球人の技術を結集させても地球大のサイズの装置が必要になるぞ」
(´・ω・`)「確かにそうなんだよね…」
('A`)「まぁ結局詳しい事はまだ分からないって事か」
(´・ω・`)「そうだね…」
沈黙がしばし場を包む。
しばらくして、しぃがこちらに近付いてきた。
(*゚ー゚)「…間違いありません…自分のチームのメンバー二人も…」
( ゚∀゚)「…そうか」
(*゚ー゚)「何で…こんな事に…」
しぃの嗚咽がしばらく響き渡った。

122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 01:03:23.90 ID:RTerCFvF0
しぃが落ち着くまでしばらく待ち、クーが切り出した。
川 ゚ -゚)「私達が早急に決めておかなければならない事がある。動くか、待つか、だ」
(´・ω・`)「この部屋での収穫は?」
( ゚∀゚)「エネルギー残量が半分を切ってる波動銃が三丁、あとはスーツの予備バッテリーと酸素ボンベくらいだ」
( ^ω^)「本当に必要最低限のものしかないお。動くにしては心許ないけど、待ちの姿勢を取れる物資量じゃないお」
川 ゚ -゚)「…隣室の様子は?」
('A`)「さっき説明したとおり、状況は不明だ」
ξ゚听)ξ「実際に扉を開けてみないとちょっと分からないわ」
(´・ω・`)「…行くしかないだろうね」

123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします New! 2006/06/16(金) 01:04:17.55 ID:RTerCFvF0
少なすぎる物資を抱えて、7人は扉の前に立った。
('A`)「覚悟はいいか?」
実際の所、これ以外に選択肢は存在せず、そういう意味では覚悟もへったくれもないのだが・・・。
( ゚∀゚)「行こうぜ」
ジョルジュが代表するかのようにそう答えた。
('A`)「ツン、扉の下部のロックを外してくれ。上のは俺がやる」
ξ゚听)ξ「分か…分かったわ」
ツンが途中で声をつまらせる。そこから嫌でも緊張が伝わってきてしまう。
(;^ω^)「ツン…大丈夫かお?」
ξ;゚听)ξ「…大丈夫。平気だから」
ブーンの問いはどちらかというと自分自身の緊張をほぐすためのものだった。
そしてそれに対するツンの返答も、まるで自分に言い聞かせているかのようだった。

ほどなくして、扉のロックは解除された。
扉が開き始める。

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